平成三年三月三十一日発行
編集責任者 松田正義


     凡例
序章 松田正義
  一 二豊(大分)方言の位置
  二 府県史における「方言」の位置
   (一) 市町村史と方言
   (二) 府県史と方言
  三 大分県史「方言篇」の構成

第一章 大分方言の概観
 第一節 歴史と研究史 松田正義
    一 方言とは 定義・発生・要因
    二 歴史と研究史
     (一)上代(上古大和~奈良時代)
   (二) 中古(平安時代)
   (三) 中世(近古院政・鎌倉・室町時代)
   (四) 近世(江戸時代)
  三 研究の現状
   (一) 明治・大正期
   (二) 昭和前期(終戦まで)
   (三) 昭和後期(戦後)
 第二節 方言区画 松田正義
  一 大分県方言の区画
  二 方言島
   (一) 呉崎方言島
   (二) 諏訪津留方言島
 第三節 音声・音韻・アクセント 小野米一
  一 音節表・特色音節
  二 音変化
  三 語アクセント
  四 文アクセント
 第四節 文法 小野米一
  一 主部
  二 述部
   (一)敬語法
   (二)断定の表現
   (三)打消の表現
   (四)推量の表現
   (五)命令・依頼の表現:
   (六)使役の表現
   (七)願望の表現
   (八)受身の表現
   (九) 可能の表現
   (一〇) 叙態
    (一一) 動詞の活用
   (一二) 形容詞の活用……:
  三 修飾部
   (一)対格
   (二) 方向格
   (三) 連体格
   (四) 順擯
   (五) 逆接
   (六) 限定
   (七) 列挙
  四 文末部
 第五節 語彙 小野米一
  一 方言語彙
   (一) 方言・狸言・語彙
   (二) 方言・共通語
   (三) 方言・地域語
   (四) 方言・生活語
  二 共通語との対比
   (一) 同形・同意味
   (二) 同形・異意味
   (三) 異形・同意味
   (四) 異形・異意味
  三 地域的な違い
   (一)全国的分布
   (二) 西日本分布i関西文化圏-
   (三)九州地域分布
   (四)周圏的分布
   (五)大分県域分布
   (六)県内分布の諸相
  四 生活語彙
   (一)語彙分野
   (二)風の語彙
   (三)性向語彙

第二章 広域調査
 第一節 全県調査 二階堂整
    一 調査方法等
    二 地域差について
     (一)南北型(準南北型)
     (二)極西型(準極西型)
     (三)四分型
     (四)西北部型
     (五)極南型
     (六)東部型
     (七)南型
    三 世代差について
     (一)方言がよく残っているもの
     (二)共通語形の増加
     (三)別の方言語形が増加しているもの……:
     (四)やや方言形が残る項目
    四 各項目について
 第二節 岡・臼杵藩境と言語境界線 伊東敏明
    一 調査の概要
    調査のねらいと調査地点
     調査方法と調査項目
    二 調査の結果
      語彙
      語法
 第三節 二豊国境の言語境界線 松田正義
    一 調査概要
      調査地域と地点
      調査項目
      調査方法・話者・調査者
    二 語彙
    三 文法
    四 発音
    五 むすび 等語線の束

第三章 変遷調査
 第一節 若年層のアクセント変容 二階堂整
    一 調査方法
    二 大分県のアクセント
    三 大分市のアクセント
    四 玖珠町のアクセント
    五 日田市のアクセント
 第二節 動詞の変遷 種友明
  一 はじめに
  二 大分方言における動詞活用変化の実態
  三 大分方言における動詞の連用形
  四 むすび
 第三節 語彙の変遷1 「俚言鈔」の追跡-
  一 「俚言鈔」概説 松田正義
    編集事情
    著者自筆本=③森家本
    ペン字本
    活字体
  二 著者略伝 松田正義
  三 調査語彙の解説
  四 語彙変遷の実態 むすび 松田正義
 第四節 大分方言三十年の変容 日高貢一郎
  一 社会の変化と方言
  二 戦後の変化をあとづける
  三 大分方言三十年の変容
    特徴的事象に見るその変容
    変化しないもの
  四 大分方言の将来

第四章 音韻各論
 第一節 アクセント 二階堂整
     一 大分県のアクセント地帯
     二 調査方法等
     三 玖珠町のアクセント
     四 九重町のアクセント
     五 山国町・耶馬渓町のアクセント
     六 安心院町・院内町のアクセント
     七 本耶馬渓町・三光村のアクセント
     八 院内式アクセントについて
 第二節 四つがな弁 柴田武
     一 日田の四つがな弁
     二 「四つがな」の名称と「四つがな弁」 …-…
     三 「じゃじゅじょ」「ぢゃぢゅぢょ」
     四 一九六五年ころの日田地方
     五 「三つがな弁」「二つがな弁」「一つがな弁」
     六 全国的視野から
 第三節 三行弁
  一 三行弁とは 松田正義
  二 北海部郡佐賀関半島の三行弁 松田正義
   調査の概要
   調査結果の分析
   むすび
  三 大分市小森集落の三行弁 亀野篤
   調査の概要
   調査結果の分析
   むすび
  四 三行弁対策 松田正義
 第四節 開合・連声・その他・…
  一 開合
   開音と合音
  名詞
  「名詞+を」
  四動詞
  形容詞
  二 連声
  連声とは
  「ン+を」
  「ン+は」
   「ン+ヤ行音」
  三 サ行イ音使
  四 ワ音退化

第五章 文法各論
 第一節 可能表現 日高貢一郎
    一 共通語の可能表現
    二 九州方言の可能表現
    三 大分方言の可能表現
    四 可能表現の「三区分」
    五 「三区分」の分布
    六 「三区分」の今後
    七 今後の課題
 第二節 助動詞 戸口茂美
    一 助動詞の分類と用例
    二 各表現法にみる助動詞の特色…:
     尊敬表現法にみる特色
      打消表現法にみる特色
      存続・進行表現法にみる特色:
 第三節 主格のイ助詞 切石文士
  一 イ助詞について
  ニ イ助詞の調査および分布
  三 イ助詞の推移とその使われ方…-
    音韻的制約
    語彙的制約
    語法上からみたイ助詞
  四 イ助詞の正体は
  五 イ助詞の環境
    地理的環境
    政治・社会的環境
  六 イ助詞の記録されている文献:
  七 今後の課題
 第四節 主格のグ助詞 松田美香
  一 グ助詞について
  ニ グ助詞の分布
  三 グ助詞の使われ方
   音韻的制約
    語彙的制約
    文法的にみた場合
  四 グ助詞の起源と将来
    グ助詞の発生と豊後浄瑠璃…
    グ助詞の将来と課題
 第五節 文末詞
  一 本来の文末詞
    ナ行音文末詞
    ヤ行音文末詞
     日 ザ行音文末詞
     四 カ行音文末詞
    二 転成の文末詞
      助詞系文末詞
      助動詞系文末詞
      動詞系文末詞
     四 名詞系文末詞
      代名詞系文末詞
     副詞系文末詞

第六章 語彙各論
 第一節 地名・姓氏と方言 梅木秀徳
    一 訛りと当て字
    二 分布の地域性
    三 消えて行く地名
    四 姓の地域性
 第二節 動植物と方言 菊屋奈良義
    一 動植物名について
    二 コガネグモの方言変化
 第三節 昔話と方言 土屋北彦
  一 母の昔話
    「ふるやのもり」の方言
    「吉四六ばなし」「吉吾ぱなし」の方言
    民話と文学
  二 重安アサヱの語り
    その生い立ち
    出会い
    方言の展開
  四 重安アサヱの昔話の方言
 第四節 民謡と方言 加藤正人
  一 大分県の民謡
  二 民謡の歌詞と方言
   労作歌
   祭り歌・祝い歌
    踊り歌
   四 盆踊り「イレコ」
   座興歌
  三 わらべ歌の歌詞
    子供らしい方言
    意味不明の歌詞
 第五節 しゃれことば・ことわざ 仲村和夫
  一 しゃれことば
      地名や人名にかかわるもの
      衣食住にかかわるもの
      人体や気質にかかわるもの
     四 生活や人事にかかわるもの
      その他
  二 ことわざ
     地域の特色
     迷信・縁起
      方言の特徴をとらえたもの
     四 大分方言でもじったもの
      天気占いと農漁業
      その他
 第六節 家号と方言 染矢多喜男
    一 一般の家号
    二 旧家の家号
     日田地方
      浄土真宗地帯

第七章 特論(1)
 第一節 形容詞の表現 鏡味明克
  一 形容詞の語構成
    単純形容詞の語構成
    複合形容詞と派生形容詞
  二 形容詞と他の品詞
    形容詞と形容動詞
    疑似形容詞
    形容詞の限定用法
  三 形容詞の意味世界
    形容詞の意味連鎖
    共通語と方言
    生きている古語
 第二節 大分方言の味 高田一彦
  一 ヨダキー・ダイー・シンドイ
  ニ ゴテーシン・ズーシン・ホネヌヒト
  三 ズツネー・セチー・グーネー
  四 ケシカラン・シンケン・シッカリ
  五 ガトー・ガイナ・バサレー
  六 イビシー・ウタチー
  七 ゾ(ド)ークル・ヒョーグル・ソバユル……
  八 ソークル・ソーツク
  九 イラブカス・イレクル・石ヲヒク
  一〇 ガマル・オチョクル・モドカス・オコツル
  一一 セラウ・セライゴ・ショネム
  一二 ワレ・オマエ
     〈付〉 要注意の大分方言
 第三節 大分方言の優等生 松田正義
    一 優等生とは
    二 易しく分かりやすいことば・…
    三 正しく確かなことば
    四 無駄なく豊かなことば
    五 美しく快いことば

第八章 特論(2)
 第一節 文芸と大分弁 松田正義
    一 貧しい大分弁文芸
    二 作品と大分弁
    三 『海神丸』と大分弁
      異本
      角川本と文庫本
      敬語の使い方
      誤記・誤用の種々相
      作者の方言環境
      角川本の誤記
    四 「方言短文芸」の発生を促す一
 第二節 豊後浄瑠璃 松田正義
  一 豊後浄瑠璃の性格
  二 豊後浄瑠璃と仙台浄瑠璃 源流
  三 異本と定本 平成決定版
 第三節 あいさつことば 阿南光彦
  一 天候に関するあいさつことば
  二 暑さ・寒さのあいさつことば
  三 他家訪問時のあいさつことば
  四 通りがかりでのあいさつことば
  五 食べ物をすすめるあいさつことば
  六 辞去のあいさつことば
  七 労働のあいさつことば
  八 悔やみ・見舞いのあいさつことば
  九 お祝いのあいさつことば
  一〇 その他
 第四節 国語教育と方言 松田正義
  一 方言と共通語との対応
    標準語を目指す
    「ことばの規範」を身につけること
    言うべきことを堂々と言えるような人間を育てたい
   四 共通語と方言との対応関係を押えること
  二 語彙・文法の指導
  三 発音の指導
  四 アクセントの指導
     (一)基本節のアクセント
     (二)派生節のアクセント
     (三)指導法
     (四)イントネーション・プロミネンス

第九章 めぼしい方言六〇〇選 松田正義

第一〇章 大分県方言文献目録。 松田正義・二階堂整

  あとがき
  索引 二階堂整


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Last-modified: 2022-08-08 (月) 00:20:45