村山七郎「日本語の成立」
金田一春彦「国語史と方言」
阪倉篤義「国語史の時代区分」
馬淵和夫「国語史研究史」
第一章 日本語の成立 村山七郎
はじめに
一 言語年代学と系統論
二 混合言語は存在しうるか
三 原始日本語から古代日本語への過渡期における語形および意味の変化
四 ウラルアルタイ説と日本語
五 日本語におけるアルタイ的要素………………………四七
六 アルタイ諸語の音韻構成………………………………五四
七 日本語と朝鮮語
八 日本語とアイヌ語
動詞の否定の形式における類似……………………七一
否定詞と疑問詞とが同一であること………………七一
相互の借用……………………………………………七二
九 日本語における南島語的要素…………………………七四
十 南島基語・日本語比較資料
(追記)
第二章 国語史と方言 金田一春彦
一 理論篇
1 方言の歴史とは
柳田翁の見方に異論あり
地域による変化の段階の相違
方言は古いものを保存するか
方言の変化はしばしば戻りまた跳躍する
2 二種類の方言の禁止の研究法
方言の歴史の二種類
地域言語史の研究
方言系統の研究
比較方言学による国語史の研究の例
比較方言学による国語史の研究の例
3 方言と国語史研究
(1)失われた過去の言語の姿を方言から知る
(2)方言により語源を考える
(3)方言により古典の新しい解釈を求める
(4)後篇のために
二 資料編
1 方言に残存する音韻の例
(1)拍の性格について
(2)母音について
(3)子音について
(4)拗音の拍および特殊の拍について
(5)連続した拍について
(6)アクセント
2 方言に残存する前代の文法
構文論の問題について
名詞につく助詞の類について
動詞の活用について
動詞の活用形とそれにつく助動詞の類について
形容詞について
敬譲表現のいろいろ
3 方言に残存する前代の語彙
天体・気象関係の語彙
時間・地理関係の語彙
植物関係
動物関係
人体と生理
人間関係
第三章 国語史の時代区分
阪倉篤義
一 時代区分と方言区画
二 時代区分の方法
三 時代区分と資料の意味
四 時代区分の実際
第四章 国語史研究史 馬淵和夫
一 明治以前の国語史研究
1 国語史研究史とは何か
2 古語の意識から注釈語学へ
『古事記』における古語意識
『日本書紀』『風土記』に見える古語
『古語拾遺』
古語の意識から注釈語学へ
『釈日本紀』
3 韻学より音韻研究へ
安然『悉曇蔵』
明覚『悉曇要决』
4 古典校刊よりかなづかい研究へ
漢籍・仏典の校刊(目次は「枝刊」)
和書の書写校勘
定家かなづかい
行阿の仮名文字遣
成俊の文和二年書写万葉集跋文
契沖の歴史的かなづかい
歴史的かなづかい研究の進展
賀茂真淵の『語意考』
本居宜長のかづなかい研究
石塚竜麿の『仮字遣奥山路』
かなづかい研究より音韻研究へ
5 作歌・作句より文法研究へ
歌学における語学的方法
『手尓葉大概抄』
『姉小路式』より『春樹顕稻増抄』まで
「てにをは」研究書より文法研究へ
係り結びの認識
富士谷成章の国語史観
本居宣長の国語史観
二 明治以後の国語史研究
1 明治初年の国語研究
文字の大衆化
国字問題の勃興
学校教育に対応する国語政策
ヨーロッパ言語学の輸入
外国人の日本語研究
国語調査委員会とその活動
大学研究室時代
2 かなづかいの研究
明治初年のかなづかい研究
『仮名遣及仮名字体沿革史料』および『疑問仮名遣』
「上代の文献に存する特殊な仮名遣」
かなづかい研究の問題点
3 音韻史研究
字音研究
大島正健
大矢透
満田新造
上代語音の研究
音韻組織の究明
言語学との関連と国語系統論
音韻研究より語構成・語法研究へ
清濁の研究
アクセントの研究
4 語意・語彙の研究
辞書
語彙論
5 文法
史的文法研究の独立
山田孝雄氏の文法史
口語法別記
湯沢幸吉郎氏の研究
昭和以降の文法史研究
6 国語史料の拡大とそれによる研究領域の拡大
国語史料の拡大
訓点本の研究
キリシタン関係文献による研究
『日仏辞典』『日萄辞書』の複製
ロドリゲス『日本文典』
その他の外国資料
抄物の研究
東国語の抄物
抄物研究の見通し
7 国語史の編述
国語史の編述
国語史への時枝提言