君主より偏諱《へんいみな》の一字を賜って自分の諱につけることをいい、治承四年十月に源頼朝が小山七郎宗朝に自から着服を加えて朝《とも》の一字を與えたのを武將の偏名を授けた濫觴となし、また元弘三年八月には後醍醐天皇(尊仁)が足利尊氏に尊《たか》の一字を賜はつた、これが天皇より拝領した嚆矢である。