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高等日本文法 かうとうにほんぶんぱふ 語學書 一冊
【著者】三矢重松
【刊行】明治四十一年十二月。大正十五年十一月、増補訂正して再刊。増訂版は著者の歿後、その手澤本によつたもので、卷末に「作歌と助辭」(曾て單行本として出版されたもの)及び「助動詞らむの意義」「らむについて又」「ごとしの論」「日本語の動作と状態」「國語に特有な文の三體」の五論文を添へてゐる。
【内容】總論に丈法の性質・目約・種類を記し.次に文法は音韻文字篇・詞辭篇・文章篇の三部に分つべきものであるとし、この順に説いてゐる。即ち第一篇には假字・漢字の事を記し、第二篇は詞辭で、著者が最も力を注いだ部である。初めに語を分類して獨立詞(獨立にて意義あるもの)と、附屬辭(獨立にては意義なきもの)とに分ち、更にその下に、(名詞・代名詞・副詞・接續詞・感動詞・動詞・形容詞・助動詞・てにをはの品詞を立て、次に名詞・代名詞・動詞等の各項について設明し、動詞の性相、助動詞・てにをは等の項は、説明頗る丁寧である。第三篇は文章について文の解剖、文の成分、成分の用法、文の種類等と項を分けて説いてゐる。
【價値】本書は著者が緒言に云つてゐる如く、組織に於ても解釋に於ても.「廣日本文典」(別項)に負ふところ大なるものがある。勿論、大槻博士その他の舊説を改めた點も少くない。殊に諸成音・格・法・性相・敬語・助動詞・助辭・補足語・叙述句・省略・記録對話等に關する新説は注意すべきものである。しかし接續詞及び副詞に體言のものと用言のものとあるとしてゐる點は穩當を缺くものである。なほ他にも部分的には首肯し難い點もあるが、大體に於てその所説は穩健である。而して説明が懇切丁寧であるのは、學習者を益するところ多大である。
〔龜田〕


高等日本文法 一冊
 三矢重松著。明治四十一年刊。大正十五年増訂版刊行。本書は大體「廣日本文典」に依って論述されたものである。總論には文法の性質・目的・種類等について(一)文法付音韻文字篇には假字漢字について(二)詞辭篇には詞辭を獨立詞(名詞・代名詞・副詞・感動詞・按續詞-以上體言・動詞・形容詞・副詞・接續詞-以上用言)と附属辭(助用言及び助體言即助動詞並てにをはの事)とに分けてこれを詳細に説き(三)文章篇には文の解剖、成分とその用法・種類等につき述べてゐる。その説く所例へば接續詞・副詞を體言及び用言の兩方に分属せしめた事等多少の缺點はあるにせよ「廣日本文典」の舊説を改めた點、その他に新説卓見に富み、その説明も懇切である等見る可きものである。
(亀田次郎「国語学書目解題」)

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Last-modified: 2022-08-08 (月) 10:00:34