御茶の水書房
「はじめに」(一九七六・一〇・二四)より
これは明治二六年(一八九三)に生れた或るお婆さんが話してくれた彼女の一生の物語りです。
テープが廻っていても、気にも留めず話してくださいました。
「NHK弁」
彼女の言葉は岡山ないし倉敷弁のほかに神戸弁や九州弁も混っているようです。植民地生活の経験やテレビ・ラジオの聴取で得た共通語を使いこなされるなかで、それらの方言が使われるから、録音そのままでも、よく意味がわかるので、文字化に当って、NHKの方言ドラマ脚本のような操作は全くしていません。
目次
はじめに 図・写真一覧
第一章 松代の生れる前
第二章 私のおいたち
第三章 自助としつけ
第四章 男たち
第五章 「ニイサン」と死んだ子
第六章 満州
第七章 東塚の家と嫁入り
第八章 朝鮮の旅と脱出
第九章 呼松の家で
第一〇章 昭和五〇年前後
あとがき
追記
『口述の生活史』の意味 一九九五年十月一日
英文レジュメ