國語學概論 一冊
 亀田次郎著。明治四十二年刊。本書は帝國百科全書第百九十八編で、緒論及び結論を加へて総べて八編から成る。第一編緒論には國語研究の態度、在來國語研究の缺陥、國語學研究の補助學科、國語學研究資料、國語學史一班、第二編國語系統論には日本語と他の言語との關係、日本語に於ける他の言語の影響、第三編文法論には文典の概念、文典の種類、文典教授の目的及び文典の部内、第四編聲音論には聲音學略史、在來我語學書の聲音論に關する缺陥、第五編文字論には文字の價値、文字の種類、意義的文字、音的文字、世界文字の起源地、文字と聲音及び言語との關係、神代文字有無論、假字遣法論、第六編品詞論には語法品詞の分類、數詞論、動詞論、形容詞論、第七編文章論には総主論、枕詞論、係結法論を論じ、第八編結論は東洋比較言語學の建設を高調して結んでゐる。本書は國語學の全般を学術的組織的に論述した書の最初のものであって、特に第二編の國語系統論に於ける必要條件を細論し、各國語との關係を述べ、更に他國語の影響を説ける、第四編の聲音論に各聲音の細説。第六編の數詞論、動詞活用古形論の如きは本書の特色でまた著者の最も意を注ぎたる所である。
(亀田次郎「国語学書目解題」)

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Last-modified: 2022-08-08 (月) 08:45:09