井上ひさし
平田オリザ
『話し言葉の日本語』
小学館
2003.1.1
1 話し言葉の時代を走る 乗り物としての「せりふ」
2 主語・述語の演劇と助詞・助動詞の演劇
会話の日本語はなぜ主語がなくても通じるのか
話し手の立場を表現する「助詞」
「ねさよ廃止運動」と「ねはい運動」
すぐれた戯曲の要件とは
3 「敬語」の使い方・使われ方
日本語だけではない敬語表現
歴史の中で「敬語」はどう変わっていったか
「はい、喜んで」という敬語表現
言葉におけるサービス
「お疲れさま」と「ご苦労さま」の混同
4 「方言」を生かす演劇
方言と標準語の二重言語生活
NHK『青年の主張』のおかしさ
「標準語」化への三つの方法
まだ未完成の日本語
「方言」というよりも日常の話し言葉
5 対話
芝居のせりふと日常会話の違い
戯曲のなかのいい対話の条件
戯曲の対話と小説の対話
対話は米を揺するごとく
新劇は対話から始まり、対話で終わる
6 戯曲のなかの流行語
一生に使う語彙は三、四万語
戯曲の軸を近未来におくか、過去におくか
年月に耐えうるせりふを書きたい
「出前とる? オア、食いに行く?」
7 戯曲の構造と言葉
8 戯曲の組み立て方
9 こうして最初の「せりふ」が生まれる
10 翻訳劇から日本の演劇を見詰める
11 「いかに書くか」から「何を書くか」へ
戯曲の「言葉」は文化の点検
「日本語の歴史」を知ることが必要
日本語は「文化」か、「実用」か?
戦争による言葉の喪失
日本人の「自立」と日本語
観客の意識を変える「言葉」
12 生きる希望が「何を書くか」の原点
13 世界の中の「日本の演劇」