佐木隆三
田中角栄


母親フメが健在である。明治二十四年八月十五日生まれだから八十五歳、「アニが帰ってくるまで、このおばば、死んじゃならんこてね」が、昨今の口癖であるという。アニあるいはアンニャは、この土地のことばで、総領むすこ、跡取りを意味する。母にとって、アニ角栄は、東京へ出稼ぎ中なのであり、あくまでも留守をまもっていることになるらしい。
 フメは、合併して西山町になる前の内郷村池浦の、農家の次女として生まれた。両親は、ヒメと命名して役場にとどけたが、口頭であったため、戸籍係が聞きまちがえてフメと記入してしまったとか。

「越後訛り」
「越後弁の友人」


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Last-modified: 2022-08-08 (月) 10:06:10