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かなほんぎかう
   假字本義考 寫本一巻 堀秀成
 音義に基きて假名遣を説明したるものなり。総論、假字用格の音圖、以下數條を擧げたり。安政四年丁巳〔二五】七〕五月の作に係る。
 ◎堀秀成の傳は「言靈妙用論」の下にあり。

http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/uwazura/syomokukaidai/ka/kaidai_ka037.html


假字本義考 語學書 一卷
【著者】堀秀成
【成立】安政四年五月起稿、同年閏五月成る。
【刊行】大正二年音義全書上卷に收めて刊行。
【内容】假名遣を所謂假名の本義から説いたものである。總論に曰く、五十音は天皇の御祖神、神漏岐神漏美命が口授せられたもので、霊妙不可思議なものである。凡そ物の象でも事の歌でもこれを言はうとすれば、その意の如くに舌が形を爲し、舌と口の形とによつて音が出る。よつてそれぞれの音に各々の意味が存するのである。中古以來假名遣が亂れ、定家が假名遣を定めたが、それは正しくなかつた。後、契沖の「和字正濫抄」(別項)、揖取魚彦の「古言梯」(別項)等が出で、古の假名遣の法を明かにする事が出來るやうになつた。併しこれ等の人の研究は單に古書に例證を求めたと云ふのみで、何故にそれ等の假名を用ひるかを説いてゐない。又その故に假名遣を暗記するのにも不便である。よつて自分は五十音の各音の本義から假名遣の法を説く。なほ暗記の便宜のために、伊韋・延慧・於乎等はその全部を説かずに、韋・慧・袁等その類例の少い方を擧げる事とする。なほ又五十音の母音(アイゥエオ)父音(ウクスッヌフムユルゥ)には各五義あリ、子音三十六音には各三義があるが、今は假名遣に必要な點のみ一二義つつを擧げる。委しくは「音義本末考」、書義全書參照旨を見てもらひたいと言ひ.次に本文に入つて「假字用格の音圖」「假字の音義」、和・韋・惠・延・袁の假字。「同頭に屬く假字」、慈・鬪の假字。阿行の有《ウ》、和行の宇《ウ》の論。宇の假字。以の假字の十三項に分けて説いてゐる。その説き方は、一例を擧げれば、「は」は「含みたる物の開くる象」、「わ」は「開けたる物の約りたる象」である。よつて泡《アワ》は「約り集りたる象、そは其形状の輕く約りたる貌あれば也(細註略す)。粟《アハ》は、同じく輕きものなれど、放れ放れとしたる形状にて、約リたる象なければ、和の音ならで、波の音なるに合せてよく心得べし(細註略す)」と云ふ如きである。

新潮日本文学大辞典

http://f.hatena.ne.jp/kuzan/20100710191416
岩波日本古典文学大辞典 山田俊雄


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Last-modified: 2022-08-08 (月) 10:02:06