国語学辞典 矢田部達郎


児童語 【言語】広義には児童の言語一般(↓児童言語学)。狭義には児童に特有な語彙。柳田国男(別項)によると児童語は次の十一種に分類される。(1)幼なことば?。マンマ・ワンワン・トト・アンヨの類。(2)耳ことば。主として子供だけに言い聞かすことば、しかる時にメーと言い、別れる時にハイチャイと言い、痛みを直すためにチチンプイプイと言う類。(3)口遊び。お月さまいくつ、夕やけこやけ、ほうたる来いの類。(4)手遊び物。おもちゃ又はおもちゃの代用をする自然物の名。(5)から(9)までは遊びの名で、(5)軒遊び、(6)外遊び、(7)辻わざ、(8)鬼ごと、(9)児童演技に分けられた。(10)児童社交――これは児童の集団生活における秩序に関するもので、かれらの仲間の権利・義務・制裁・あいさつ(別項)に関することばや、じゃんけんのような順序を決めることば等が含まれる。(11)命名技術――これは児童の命名(別項)による物の名。特にスモトリ草・デンデン虫のような、草木虫鳥の名に関するものが多い。幼なことばにはマンマのように、幼児の自然発声に即したもの、ワンワンのような擬声語・擬態語(各別項)もあるが、その他は成人語の断片を児童語化したもので、成人の迎合によって生じたと思われるものが多い。やや長じた児童の新語の構成も既成語の類推(別項)によるものが多く、特殊社会における隠語(別項)の構成の場合と大同小異であると言われる。なお、児童語彙という時は、上述の柳田国男の概念規定のように児童に関する語彙とするのが適当であると思われるが、その他に児童が習得した成人語の語数を意味することがある(↓語彙・語彙検査)。↓言語の発達段階・かたこと。       〔矢田部達郎〕
 〔参考〕『分類児童語彙、上巻』柳田国男。
『児童の言語』矢田部達郎。


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Last-modified: 2020-09-09 (水) 20:52:12