司馬遼太郎
歴史小説
坂本龍馬

文庫1
「竜馬は土佐ことばで呆れてみせ」
「されば当地のことばは汚うござりまする。淀を上下する旅船に物を売りまするときに、汚きままにて物売りをしてよし、とおゆるしくだされば仕合せに存じまする」
「京言葉で大げさに感心されるとからかわれているように聞こえるが、土地ではふつうのあいさつらしい。」
「土佐ことばがわからないから、大まじめで、」
「つい、土佐言葉が出た」
「色里の名をいわず、さとことばもつかわないのは、この色里の妓としてではなく」
「土佐のびっくり言葉」
「江戸の悪口はいいが、話だけはふつうの江戸ことばでいってくれ。なにをいっているのかさっぱりわからぬ」
「えたいの知れぬ国言葉」
「城下うまれの竜馬ではちょっとききとりにくい井ノロ村の地言葉である」
「あとの証拠を残さないため、土佐訛はおさえている」
「その男は、出羽ことばで鄭重に答えた。」
文庫2
「「僕のほうは」 と、桂はちかごろ流行のことばをつかった。」
「つい国ことばが出た」
「お言葉のご様子では、土佐の人とお見受けいたしますが、やはり左様で?」
「宿の女主人が、わかりにくい伊勢ことばでくどくどといった。」
「上方言葉というのは使う者によってはゆうにやさしいものだが、こういう男が凄味をきかしていうと、変にどすのきいたものになる。」
「言葉が、郷士なまりではなく、上士のなまりである」
「こく、というのは、土佐言葉でなぐるという意味である」
「訛でもわかるし、お顔でもわかります」
「 なまりでわかる。 土佐方言は、江戸や上方弁のように抑揚で意味を通じさせたりする言葉ではなく、一語々々、語尾にいたるまで明確に発音する特徴がある。イとヰ、ジとヂまで、入念に区別して発音する。

「あわてたから、土佐弁が出た」
文庫3
「ひどい土佐弁で答えなされた」
「国言葉で笑った」
「「なあ、諸君」 と以蔵は、当節はやりの志士ことばで、仲間に相談した」
長州なまりのなかに、われわれの藩の吉村寅太郎の声がまじっているような気がする」
「武士は、出羽なまりのある江戸弁でいった」
「竜馬も、この大先生にだけは、人変りしたような鄭重なことばをつかう」
「中浜万次郎は、十五歳で漂流して米国へ行ったために、いまだに日本語といえば、土佐の幡多郡の漁夫ことばしかつかえない」
「早口の土佐弁だから、江戸っ子の勝にはわからない」
「竜馬は、自分のぶがわるくなると、わけのわからぬ土佐弁をつかうようである」
「いかにも中京っ子らしい品のいい京言葉でいった」
「ポキポキした越前なまり」


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Last-modified: 2022-08-07 (日) 23:43:37