無住「沙石集」


沙石集に。和歌は日本の陀羅尼なりといへるは、陀羅尼を此には摠持と翻す。無量の功徳を摠攝し、任持する故なり。其中に一字に多義を含む意をもて、短き和歌の深き意を含むを、かくはいへり。委しくいはゞ。和歌につゞらぬさきの四十七言。早く陀羅尼といふべし。金剛語菩薩を無言大菩薩といふは。言の實相に達すれば、言すなはち無言なり。是を釋摩訶衍論に、五種の言説を明す中に、如義言説といへり。たとヘば鏡の空なれば。まどかなる形。白き色あれど、万像をうつすに、さはりなきがごとし。

和字正濫鈔卷一

和訓栞大綱<a href="http://kokugosi.g.hatena.ne.jp/kuzan/20020109">*</a>

和歌陀羅尼説

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中川徳之助「和歌陀羅尼の説 : 狂言綺語観の展開(4) 」http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/00021090
http://ci.nii.ac.jp/naid/110004792782/
荒木浩「『沙石集』と〈和歌陀羅尼〉説について─文字超越と禅宗の衝撃─」(『仏教修法と文学的表現に関する文献学的考察』2005年科研報告書)
釘貫亨『近世仮名遣い論の研究』p.54,p.119


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Last-modified: 2022-08-08 (月) 09:58:09