小杉未醒
明治社会主義文学集
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/876385/63
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/876385/67>
車の輪の頻りに西に向つて轉ずるに從ひ、東訛り漸く聞えずなりて、名古屋辯京辯大阪辯、愈々喧《かまびす》しく、言葉敵きもなければ友が餞けの三國志を讀む、呉と蜀と魏と、吾膝の上に相攻略する時、名古屋京大阪、頻りに日と韓と露の形状を論ず
吾前に坐す人の、珍らしくも關東辯なる上に、釜山の冬は云々と語るを聞きて、問へば同國下野の出、釜山の商人白田某と云ふ、同じ船にの約は成りぬ、