へいすいいん・ひょうすいいん *二〇六韻の*韻書で、同用とされ*通韻を許された韻を一韻と数えると、『*広韻』では一一三(現存本による)あるいは一一七(推定したもの)となるが、『集韻』・『*礼部韻略』では一〇八となる。平水韻と言われるのは、それからさらに一韻か二韻を通じさせて一〇七あるいは一〇六としたものである。平水韻の韻書は広韻などのように同用で示すのではなく、実際に*韻目を合併させて、一〇七か一〇六の韻目を立てたものである。一〇七韻のものとしては『*古今韻会挙要』などがあるが、普通には一〇六韻(『*草書韻会』・『*佩文韻府』・『*経籍セン詁』など)をさし、詩韻とも呼ばれて作詩に広く使われた。平水韻は*切韻系韻書の分韻を合併させただけなので、音韻研究には新しい時代が対象の場合でも使用に耐えない。なお、平水韻の名は王文郁『平水新刊韻略』(一二二六)が一番古い。これは一〇六韻だが、一〇七韻である平水の人劉淵の『壬子新刊礼部韻略』(一二五二)に先行する。
〔参考文献〕趙誠『中国古代韻書』(一九九一年 〈中国〉中華書局) (岡島昭浩)


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Last-modified: 2022-08-08 (月) 01:17:37