スリーエーネットワーク
庵功雄『新しい 日本語学 入門』
2001年2月26日初版第1刷発行
まえがき
凡例
はじめに
§1 言語学の1分野としての日本語学
1.ヒトのことばの特徴
1-1.二重分節
2.現代言語学とソシュール
2-1.言語記号の恣意性と社会性
2-2. ラングとパロール
2-3.共時言語学と通時言語学
3.文法の役割
4.文法の生得性
5.まとめ
コラム1 「モー娘。」は何と読む?
§2 音声・音韻
1.音声(パロールとしての音声)
1-1.母音
1-2.子音
2.音素(ラングとしての音声)
2-1.相補分布
2-2.有標と無標
3.音声と音素 ローマ字の表記
4.アクセント
4-1.アクセントの地方差
4-2.東京式アクセントの特徴
5.イントネーション
6.プロミネンス
7.まとめ
〈資料1〉
§3形態論(1) 形態素、語、品詞
1.形態素とは
2.語とは
3.品詞
3-1.主要部と修飾部
3-2.品詞の決め方
4.まとめ
§4 形態論(2) 活用
1.活用とは
名詞の活用
2.学校文法の活用表
学校文法
3.理想の活用表を求めて
3-1.活用(表)に関わる基本概念
語幹と語基
3-2.理想の活用表に必要なこと
3-3.理想の活用表に必要な活用形
3-4.活用の種類と活用表(動詞)
3-5.活用の種類と活用表(形容詞)
4.まとめ
コラム2 「パーティーは楽しいでした。」
§5 格
1.格とは
格の表し方
2.必須補語と副次補語
3.表層格と深層格
表層構造と深層構造
格表示のもう一つのパターン
4.格枠組みの機能
5.まとめ
§6 文の構造と文法力テゴリー
1.日本語の文の構造
2.文法カテゴリー
2-1.文法カテゴリーの取り出し
カテゴリーの表示の義務性
2-2.辞書形の位置づけ
3.単語の意味と文法的性質の関係
3-1.単語の意味と文法カテゴリー
3-1-1.肯否、丁寧さ、対事的モダリティ
3-1-2.ボイス
3-1-3.アスペクト
3-1-4.テンス
3-1-5.対人的モダリティ
4.まとめ
§7 主題と主語
1.主語とは何か
2.三上章の主語廃止論
2-1.主題
2-2. 無題化
三上が主張したかったこと
3.柴谷方良の主語プロトタイプ論
3-1.再帰代名詞「自分」とその先行詞
3-2.尊敬語化
3-3.主語プロトタイプ論
4.まとめ
§8 ボイス(1)一受身と使役一
1.ボイスとは
2.受身
2-1.直接受身とは
直接受身と他動性
2-2.間接受身とは
2-3.中間的な受身
2-4.受身の機能
3.使役
3-1.使役文の構造
3-2.使役文と格
4.受身、使役の生成文法による分析
5.まとめ
§9 ボイス(2) 授受
1.授受表現とは
2.語彙的ボイスとしての授受動詞
3.視点とは
「視点」に敏感な日本語
4.授受動詞の対立の仕組み
4-1.「やる/あげる」と「くれる」
4-2.「やる/あげる」・「くれる」と「もらう」
日本語の授受動詞の特殊性
5.授受動詞における人称
6.恩恵の授受
7.授受動詞の全国分布
8.まとめ
コラム3「スリーエーネットワークがどこですか。」
§10 自動詞と他動詞
1.自動詞・他動詞と自他の対応
自他の対応のパターン
自動詞・他動詞と意志性
2.所動詞と能動詞
3.自動詞文の機能
三上の動詞分類と非対格性の仮説
4.自動詞・他動詞と受身・使役
4-1. 受動文と自動詞
動作主の脱焦点化
4-2. 使役文と他動詞め
5.まとめ
コラム4 「二十歳を過ぎるとお肌のお手入れも大変だわ。」
§11 時間を表す表現(1)一テンス
1.ル形、タ形、テイル形
異形態
2.テンスとは
3.テンスから見た述語の分類
4.タ形の意味
5.2種類の過去
6.従属節の中のタ形とル形
7.まとめ
§12時間を表す表現(2) アスペクト
1.アスペクトとは
2.テイル形の意味
2-1.テイル形の基本的な意味(継続)
方言におけるアスペクト
2-2.テイル形の派生的な意味(経験・記録、完了)
2-2-1.経験・記録
2-2-2.完了
3.テンスとアスペクトの関係
4.アスペクトとテキスト
5.まとめ
§13 モダリティ
1.モダリティとは
2.対事的モダリティ
2-1.当為的モダリティ
2-2.認識的モダリティ
2-2-1. 断定
2-2-2. 推量
2-2-3. 可能性
2-2-4. 確信
2-2-5. 証拠
2-2-6. 兆候
3.モダリティと疑問、否定
3-1.モダリティと疑問
3-2.モダリティと否定
4. 対人的モダリティ
5. 「だろう(か)」について
6.まとめ
§14 とりたて
1. とりたて(る)とは
2. とりたて助詞の統語的性質
3. とりたて助詞の意味の記述
4. 範列的関係と統合的関係
5.とりたて助詞としての「は」
6.まとめ
コラム5 オランウータンは森の人
§15 複文(1) 単文と複文
1.英文法における文の分類
2.日本語における複文の定義を求めて
2-1.三上章の分類
2-2.南不二男の分類
2-2-1.A類、B類、C類、D類
2-2-2.A類~D類の相互関係
2-2-3.南の構造が意味するもの
3.まとめ
§16 複文(2) 因果関係
1.因果関係を表す複文
2.論理文の体系
3.条件
3-1.仮定条件
論理記号
誘導推論
3-2.反事実的条件
3-3.確定条件
3-4.恒常的条件
3-5.事実的条件
3-6.条件を表さない「~と」「~たら」
4.原因・理由
4-1.出来事の原因・理由
4-2.判断の理由(根拠)
4-3.「から」と「ので」
5.譲歩・逆接
5-1.条件文の否定とは
5-2.譲歩と逆接
5-3.「のに」と「けど」
6.まとめ
コラム6 「これ、全然おいしいよ。」
§17名詞修飾
1. 修飾の2つの種類
2. 2つの名詞修飾節
3. 内の関係
制限的修飾と非制限的修飾
3-1.主名詞になれる名詞の格
格の階層
3-2.関係代名詞の機能
格助詞がない場合
4.名詞修飾と陳述度
5.外の関係
6.益岡隆志による修正
7.まとめ
§18「のだ」
1.疑問文と否定文における「のだ」
1-1. 疑問文と「のだ」
1-2. 否定文と「のだ」
2.関連づけの「のだ」
関連づけを表す「からだ」と「わけだ」
3.認識のあり方に関わる「のだ」
4.他の言語における「のだ」
文法化
5.まとめ
文献紹介1
§19「は」と「が」
1. 「は」と「が」の使い分けに関わる要因
1-1.文の陳述度と主題
「は」と対比
1-2.有題文と無題文
1-3.指定文と措定文
2. 「は」と「が」の使い分けと情報の新旧
3. 他の言語における「は」と「が」
4.まとめ
§20 談話・テキスト
1.テキスト
2.結束性
3.テキストレベルの文法現象
3-1.話し手・聞き手の知識と「という」の有無
3-2. 指示詞
3-2-1.現場指示と文脈指示
3-2-2.ソとア
情報のなわばり理論
3-2-3.コとソ
4.機能主義的研究
4-1.省略
4-2.後置文
5.文体
6.その他の研究
7.まとめ
§21敬語
1.待遇表現としての敬語
2.敬語の分類
3.尊敬語
4.謙譲語
5.丁重語
6.授受動詞の敬語形
7.丁寧語
8.美化語
9.敬語における人称
10.ウチとソト
11.素材敬語から対者敬語へ
12.敬語の機能
13.まとめ
§22方言
1.方言に関するさまざまな研究法
2.方言地理学
2-1.柳田国男と方言周圏論
2-2.糸魚川調査
3.社会言語学的研究
4.文法体系の比較
5.まとめ
§23 さまざまなバリエーション
1.ことばのゆれ
1-1.ラ抜きことば
規範文法と記述文法
1-2.「~が…たい」と「~を…たい」
2.「~と、~ば、~たら」
3.「違かった」など
新方言とneo-dialect
4.まとめ
文献紹介2
コラム7「パパ、日曜だからってゴロゴロしないで。」
あとがき