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 新撰大阪詞大全は袖珍本で、難波方言をいろは順に集めて解説を加へたもの。天保十二丑年大阪心斎橋通南久太郎町秋田屋市兵衛外三名の上梓した一本は三十六葉から成り、半丁に七行、語数二百を収めてある。序中に
 (上略)武備権柄の武家詞、入我我入に解すれど聞とりがたき遠国詞、こをかきつめんとをしてるや浪花詞を一つふたつかししるし云々
とあるので、その内容は推し量られる。作者は「上かた風のなまぬるきお江戸詞のきつとした人にみせべきふみならねど」とあるので、江戸の人でないことは分る。
 本大系には潁原退蔵氏の襲蔵されてゐる版本を用ゐた。鈴鹿三七氏の「典籍之研究」二三号に紹介された一本は天保十五年六月の刊行であれば、これは再版かも知れぬ。
 難波の方言に関しては別に文政二年に成つたと見える浪花方言一名浪花聞書もあれど、該書は近く出版され、坊間に流布してゐるので、茲には古版ながら珍本に属する大阪詞大全の方を採つた。

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Last-modified: 2022-08-08 (月) 09:40:27