いろは韻
昭和二年十一月一日発行
松雲堂書店


附言
以呂波韻の書、世に行はるゝこと既に百十餘有年なり。其古の作意、上層を平字とし、下層を仄字とす。然して其韻字を附するに、平声と入声とは適当の韻字を以てし、上去の二音に於ては上層に等しく平韻を以てせり。其意まさに東の上声・東の去声・冬の上声・冬の去声たりといふことを含蓄せるか。然れども初学のために韻字を探索するに及では甚だ混淆にして誤り易し。今此挙に於て上去の二音は其適当の韻字を附し、初学をして惑ひなからしむ。
雷電・君子・父子・兄弟等の字は、乾坤人倫等に入るべきこと勿論なり。然るに此類の字気形に入れり。其他態藝虚押複用等の文字まゝ亦混淆して正しからざること、先版皆然り。今これを改め正して適当の部門に納む。
先版文字多からず、熟字寡くして可ならず。今その脱漏を補ひ字畫の誤謬を正し、つまひらかに熟字を記し以て至正に歸す


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Last-modified: 2022-08-08 (月) 10:06:25