星新一
『明治の人物誌』
おたがいに東北弁。少し離れているが同じ福島県の出身とわかり、たちまち意気投合した。
東北なまりを気にすることなく話しあえる。
弁護人が人をやとって速記するのは自由だが、法廷の書記は筆記をしない。つまり、裁判官に語りかけ、理解させ、被告側の主張に心を傾けさせることが第一。
この記録は、星が速記者を用意していたため、すべて残っている。
父の講演も聞いたことがある。東北なまりがあり、決して雄弁ではないが、
杉山は「和魂洋才」と折にふれて主張している。この言葉を定着させた人といっていいのではなかろうか。