木下順二『ドラマの世界』

木下順二
中公文庫

　はじめに
アイルランド
　　　ー民族運動と芸術運動と
　　　ジンクの『いかけ屋の婚礼』を見に行く
　　　『いかけ屋の婚礼』の意味
　　　非政治的な芸術運動
　　　政治的な社会状況
　　　例外的作品『いかけ屋の婚礼』
　　　合法と非合法I「詩的」と「現実的」
　　　「詩的」でも「現実的」でもない立場
附 アラン島
　　　アラン島の強い漠然たる魅力
　　　ロンドンからゴールウェイへ
　ゴールウェイからアラン島ヘ
　シングが使ったことば
　アラン島で
イギリス
　　　ー本国で見たシェイクスピア
　　　二つの『マクベス』
　　　二つの〈第一幕第一場〉－見たまま
　　　二つの〈第一幕第一場〉‐意図
　　　〈第一幕第二場〉
　　　〈第一幕第三場〉　ドラマの始まり──季節というもの
　　　二人のマクベス
　　　マクベスの最初のせりふ
　　　マクベスの第二のせりふ
　　　イギリスのシェイクスピアーその印象
　　　オリヴィエのシェイクスピア
　　　ソ連のシェイクスピアとくらべると
　おもしろかった若い『ハムレット』
　『マクベス』試論─歴史というもの
フランス
　　　ーパリの無感動
　　芝居は芝居　人生、は人生
　　芝居は芝居　人生は人生（再び）
　　おもしろかった若い『イェルマ』
　　パリで最も「芸術」である舞台
東ドイツ
　　　ーハーリヒのことなど
　　社会主義国でのシェイクスピア
　　　ハーリヒとの二日間
　　　ドラマにおける「対立」の意味
ソ連邦
　　　－モスクワ芸術座のこと
　　芸術座の三つの世代
　　初めてその舞台を見て持った一つの疑問
　　芸術座の構成と運営
　　けいこの実際(1)実に当りまえなことの着実なくり返し
　　けいこの実際(2)－そこで考えさせられた問題
　　チェホフの問題と芸術座のチェホフ
　　「一つの疑問」再考
中国
　－新しい可能性への予感
　中国のニューズ的報告は意味がない
　話劇『万水千山』の問題
　そこにある全く新しい可能性について
　そういうものと「近代」との関係
　古典劇の改造について
　古典劇と近代劇の関係について
インド
　　　ー非演劇的報告
　　大都会に劇場がない
　　愛すべき「民話劇」を見る
　　インド演劇の現状その他
朝鮮
　　　　－北部朝鮮の現実と芸術と
　　　何をそこで感じたか
　　　平壙の地下劇場を見る
　　　地下紡績工場を見る
　　　地下劇場のもっている意味
　　　作品と現実との関係について
　何をそこで感じたか（再び）
　近くて遠い国という実感

解説　埴谷雄高

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