本田和子『女学生の系譜 彩色される明治』青土社
一九九〇年七月一〇日第一刷発行
目次
I 「女学生」の誕生
装飾される都市
時代のヒロイン
開化の記号 女学生のイコノロジー
II 髷からの解放
丸う結ぶや束髪《たばねがみ》
断髪-近代の視覚化
女たちのディスクール
風俗と思想
花開く明治、登場する女学生 女学生のイコノロジー
III 風のいたずら
翻る娘たち
カーテン製舞踏服
海老茶式部の登場
女学生-挑発する「性」の象徴
時代のヒロイン 女学生のイコノロジー
IV 宙に揺れることば
囲いの中のジャルゴン
「書生ことば」の近代
虚妄としての平等
江戸からの贈りもの
宙吊りされることばたち
V 恋《ラブ》と脳病
ヒステリーの登場
脳と心の病い
分裂の発見
ラブすること
「恋《ラブ》」と「愛《ラブ》」──その虚妄性
少女幻想 女学生のイコノロジー
VI 「少女」への凝集
置き去りにされる娘たち
少女幻想共同体
「女学」の雑誌から「少女」の雑誌ヘ
メディエーターとしての若松賤子
少女小説のはじまり
明治の終焉 女学生のイコノロジー
VII 『森』近代型女人の神話と時代
内なる「明治」
にんじんとあんパンと鉱毒事件
「女学生」という不器量
猶予期間の出現
プラトニックラブ 囲い地の中の神話
明治の終焉
あとがき