標準日本文法 一冊
松下大三郎著。大正十三年刊。本書は文語及び口語について研究したものであるが。本書が一般の國文法の書とその組織を異にする所以は國文法の理論的體系の研究に於いてゞある。即ち著者は言語の法則は思想の法則と合致するものであり。従って思想の構成に斷定・観念・観念材料の三階段あるが如く言語の構成にもこれに應じて夫々斷句・念詞・原辭の三段階があると云って文法學の體系づけを試みてゐる。
文法學 総論
分科 原辞論
念詞論 念詞単独論 本性論
偶性論 縦的偶性論
横的偶性論
念詞相関論
然しその所説には卓見と同時にまた一概に首肯し難い點もあるが、兎に角本書は國文法研究に一新生面を拓いたものと言へる。
(亀田次郎「国語学書目解題」)
http://books.google.com/books?id=XJMpTeeko5oC
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/982965