松本清張 長編小説
光文社文庫による 上 p.64 「タモ」の木だと云った。「タモ」は方言らしい。 上 p.216 出身は広島県だと思うわ。だって、何々です、と普通は云うところを、何々であります、と云ってらしたじやないの。それに言葉の調子が関西弁のように柔らかだったわ」[…]なるほど、妻のいう通り広島弁は××です、というのを××であります、とよく云う。それで小西は気づいたのだが、××であります、というのはまた軍隊口調でもあった。