http://books.google.com/books?id=OnVFBmFgYZ4C
毛利高範
https://dl.ndl.go.jp/pid/963391
https://lab.ndl.go.jp/dl/book/963391
序
明治十五年田鎻綱紀氏が,邦語速記術を發表して以來,著しい發達を遂げて,數種の方法が世に出たけれども,皆田鎻式と同じやうに,圓形を八分した幾何學的の線を記號につかひ,省略するのには,略綴と略符とを用ふるの方法以外に出なかつたのである。
元來速記法には,文字的と幾何學的との二大派がある。前者は羅馬字に似た字形で,同じ方向に筆を動かすから,書くのに甚だ都合がよいけれども,後者は全くそれと違つて居るので,其便否は論ずるまでもないのである。
それゆゑ自分は,此文字的の速記術を組立てやうと企てゝ,二十九年の間,幾多の研究を重ねた結果,一の新法を發見して,日本速記法と名づけたのである。さうして最も特色とするのは,語法を直接に速記上に應用した略韻法略音法の制定であつて,本法の價値も亦玆に存するのである。
此速記法は簡明な,しつかりした法則で統一してあるから,學ぶのには少しも器械的の暗記はいらないので,上達するのに容易だから,多方面に効用をあらはして,時勢の進運を裨補することが出來たならば,著者の本懷これに過ぎぬのである。
https://dl.ndl.go.jp/pid/963392
第一部 初等速記法 1-31
第一章 音声分類編 1
開講
文字の大別
音の大別
母韻
發聲
第二章 速記文字編 10
速記文字
發聲字
母韻字
書線
成熟音字
文字の連綴
假名遣
第二部 高等速記法 32-54
第三章 省略編 32
総論
略韻法
略音法
二音語略法
三音語以上の略法
特別略法
數字
自由略法
速記の実例 52-53