渡部昇一『日本語のこころ』

講談社現代新書

第一章 大和言葉と外来語
 大和言葉とは何か
 大和言葉の少ない歌
 大和言葉の多い歌
 異物としての外来語
 魂のふるさととしての大和言葉
 大和言葉のみからなる俳句
 大和言葉と漢語の対比
 漢語の効用
 片かな外来語
 蕪村・芭蕉・円朝と大和言葉
 茂吉のグレイトネス
 戦後の和歌と大和言葉
 百人一首と現代俳句
 大和言葉と現代の俳句
 国民詩人としての山頭火
第二章 和歌の前の平等
 日本人の平等原理
 和歌三神のこと
 和歌の起源・「日本」の起源
 皇子と老人の交歓
 神武天皇の歌と言霊
 大和魂の本源
 男女の愛で国がはじまる
 言霊とは何か
 ことあげせぬ国
 「伝達の手段」を超えるもの
 なぜ表現が短縮されるか
 舒明天皇とシェイクスピア
第三章 大和言葉の継承
 万葉集と古今集の連続性
 鴎外の歌
 茂吉の和歌
 大和言葉の伝統が意味するもの
 一つの経験から
 古代日本人のこころばえ
 優美な感情としての大和魂
 尚古にして発展的
 「歌の父」なる帰化人
 「歌の母」と生きていた平等感覚
 名歌の条件
 「和歌の徳」という考え方
 昇進を助けた和歌の徳
 貫之を助けた言霊
 鬼神や天地を動かす
 頼朝と和歌の徳
 能因法師の雨乞い
 関ヶ原──もうひとつのドラマ
 壬生忠岑の逸話
 縁起かつぎの原型
 曾根好忠に見る「差別と平等」
 和歌における革新とは何か
第四章 外来語のはいり方──英・独・仏との比較において
 古典の難解さについて
 英語からのヒント
 ノーマン・コンクェストの甚大な影響
 ゲルマン語とラテン語の混合
 外国語流入のパタン
 『源氏物語』と『太平記』の相違
 難解さの主因としての語彙
 根の浅い外来語
 フィヒテによる「生ける言語」と「死せる言語」の区別
 国語における感性的部分と超感性的部分
 言語の前の不平等
 カントの哲学用語について
 知的な英文と情緒的な英文
 「海」とメイスフィールドの詩
 スチーブンソンと三島由紀夫の辞世
 余論──海の記憶・日本人とゲルマン人
第五章 国語教育と外国語教育
 日本人と桜
 母国語の蓄積効果
 「精神的私有財産」
 「精神的私有財産」としての近親関係語
 タテ糸としての和歌の伝統
 国語教育の問題点
 国語教育にタテ糸を
 「知的」外国語教育の意義
 和歌と外国語教育の重要性
あとがき

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『渡部昇一の「日本語のこころ」』

2003年12月12日 発行所 ワック株式会社 

新版まえがき
序章 日本語の核心にあるもの
  ─「祝日の歌」と大和言葉
 四大節の歌と日本語
 一月一日と紀元節の歌
 天長節、明治節の歌と国歌
 核心部にある大和言葉

第1章 大和言葉こそ日本語の源
  ─外来語の漢語と何が違うか
 大和言葉とは何か
 漢語主体の歌の心情
 大和言葉主体の歌の心情
 外来語が外来思想を運ぶ
 魂のふるさととしての大和言葉
 名句は大和言葉から成る
 大和言葉の世界と漢語の世界
 漢語を用いる効用
 片かな外来語の異化効果
 蕪村・芭蕉・円朝と大和言葉
 茂吉のグレイトネスの淵源
 「新しい皮袋」説の浅薄
 現代俳句は外来の語彙から腐る
 山頭火の国民詩人たる由縁
第2章 和歌の前に貧富貴賤女卑なし
  ─万葉集の思想と大和魂の本質
 「和歌の前に平等」の原理
 和歌三神のバランス
 和歌の前では性差別も消滅
 和歌の起源と古代日本人の言語意識
 皇子と火焼老人の交歓
 神武天皇の歌と言霊の思想
 大和魂の本源は求婚歌だ
 男女の愛で国がはじまる
 言葉自体に霊力がある国
 「言挙げせぬ国」の起源
 「伝達の手段」を超えるもの
 なぜ表現が短縮されるか
 舒明天皇とシェイクスピアの違いの根源
第3章 文化大輸入時代の和歌と言霊観
  ─尚古にして発展の真髄
 重要なのは万葉集と古今集の連続性
 外国文化輸入の例、鴎外と茂吉
 漢語漢籍大流入時代の古今集の意義
 大和言葉の普遍性
 古今集序文、平安朝日本人のこころばえ
 「鬼神をもあはれと思はせ」る言霊
 注目すべきは尚古にして発展の相
 なぜ帰化人・王仁が「歌の父」か
 侍女が「歌の母」となった平等感覚
 名歌となる条件とは何か
 「和歌の徳」という観念の広がり
 昇進を助けた和歌の徳
 貫之に引き継がれた言霊信仰
 「鬼神」や「天地」を動かす
 頼朝が焼き付けた「和歌の徳」
 「古今伝授」と細川幽斎のドラマ
 壬生忠岑の言霊的伝説
 縁起かつぎの原型
 曾根好忠に見る「差別と平等」
 和歌における革新とは何か
第4章 漢語混入で変わった日本語の原理
  ─外来語受容にみる英・独・仏語との比較
 源氏物語の特殊な難解さとは
 ノーマン・コンクェストの甚大な影響
 ゲルマン語とラテン語はいかに混合したか
 外来語混淆のパタン
 英文学史と日本文学史の相似性
 難解さの主因は語彙の代替
 古英語と同質、大和言葉の根の張り方
 漢語の混入で日本語の原理が変わった
 フィヒテの「生ける言語」と「死せる言語」
 国語の感性的部分と超感性的部分
 言語の前の不平等
 カントの哲学用語は難解か
 何が知的英文と感性的英文を分けるか
 海を謳う詩の言語
 スチーブンソンと三島由紀夫の辞世
 余論/海の記憶・日本人とゲルマン人
第5章 精神的資産としての日本語 拓
 ─国語教育と外国語教育の役割
 桜に感動する日本人
 母国語の蓄積効果
 国語は世界観である
 「精神的私有財産」としての近親関係語
 日本語のタテ糸を追放した国語教育
 「精神的私有財産」の継承を
 外国語教育は知性の練磨である
 外国語教育と国語教育の真の意義
 装幀/加藤俊二(プラス・アルファ)

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p2*章題の比較

左が講談社、右がワック

第一章

<b>大和言葉と外来語</b><b>大和言葉こそ日本語の源─外来語の漢語と何が違うか</b>
大和言葉とは何か大和言葉とは何か
大和言葉の少ない歌漢語主体の歌の心情
大和言葉の多い歌大和言葉主体の歌の心情
異物としての外来語外来語が外来思想を運ぶ
魂のふるさととしての大和言葉魂のふるさととしての大和言葉
大和言葉のみからなる俳句名句は大和言葉から成る
大和言葉と漢語の対比大和言葉の世界と漢語の世界
漢語の効用漢語を用いる効用
片かな外来語片かな外来語の異化効果
蕪村・芭蕉・円朝と大和言葉蕪村・芭蕉・円朝と大和言葉
茂吉のグレイトネス茂吉のグレイトネスの淵源
戦後の和歌と大和言葉「新しい皮袋」説の浅薄
百人一首と現代俳句
大和言葉と現代の俳句現代俳句は外来の語彙から腐る
国民詩人としての山頭火山頭火の国民詩人たる由縁

第二章

<b>和歌の前の平等</b><b>和歌の前に貧富貴賤女卑なし─万葉集の思想と大和魂の本質</b>
日本人の平等原理「和歌の前に平等」の原理
和歌三神のこと和歌三神のバランス
和歌の起源・「日本」の起源和歌の前では性差別も消滅
和歌の起源と古代日本人の言語意識
皇子と老人の交歓皇子と火焼老人の交歓
神武天皇の歌と言霊神武天皇の歌と言霊の思想
大和魂の本源大和魂の本源は求婚歌だ
男女の愛で国がはじまる男女の愛で国がはじまる
言霊とは何か言葉自体に霊力がある国
ことあげせぬ国「言挙げせぬ国」の起源
「伝達の手段」を超えるもの「伝達の手段」を超えるもの
なぜ表現が短縮されるかなぜ表現が短縮されるか
舒明天皇とシェイクスピア舒明天皇とシェイクスピアの違いの根源

第三章

<b>大和言葉の継承</b><b>文化大輸入時代の和歌と言霊観─尚古にして発展の真髄</b>
万葉集と古今集の連続性重要なのは万葉集と古今集の連続性
鴎外の歌外国文化輸入の例、鴎外と茂吉
茂吉の和歌
大和言葉の伝統が意味するもの漢語漢籍大流入時代の古今集の意義
一つの経験から大和言葉の普遍性
古代日本人のこころばえ古今集序文、平安朝日本人のこころばえ
優美な感情としての大和魂「鬼神をもあはれと思はせ」る言霊
尚古にして発展的注目すべきは尚古にして発展の相
「歌の父」なる帰化人なぜ帰化人・王仁が「歌の父」か
「歌の母」と生きていた平等感覚侍女が「歌の母」となった平等感覚
名歌の条件名歌となる条件とは何か
「和歌の徳」という考え方「和歌の徳」という観念の広がり
昇進を助けた和歌の徳昇進を助けた和歌の徳
貫之を助けた言霊貫之に引き継がれた言霊信仰
鬼神や天地を動かす「鬼神」や「天地」を動かす
頼朝と和歌の徳頼朝が焼き付けた「和歌の徳」
能因法師の雨乞い
関ヶ原──もうひとつのドラマ「古今伝授」と細川幽斎のドラマ
壬生忠岑の逸話壬生忠岑の言霊的伝説
縁起かつぎの原型縁起かつぎの原型
曾根好忠に見る「差別と平等」曾根好忠に見る「差別と平等」
和歌における革新とは何か和歌における革新とは何か

第四章

<b>外来語のはいり方──英・独・仏との比較において</b><b>漢語混入で変わった日本語の原理─外来語受容にみる英・独・仏語との比較</b>
古典の難解さについて源氏物語の特殊な難解さとは
英語からのヒント
ノーマン・コンクェストの甚大な影響ノーマン・コンクェストの甚大な影響
ゲルマン語とラテン語の混合ゲルマン語とラテン語はいかに混合したか
外国語流入のパタン外来語混淆のパタン
『源氏物語』と『太平記』の相違英文学史と日本文学史の相似性
難解さの主因としての語彙難解さの主因は語彙の代替
根の浅い外来語古英語と同質、大和言葉の根の張り方
漢語の混入で日本語の原理が変わった
フィヒテによる「生ける言語」と「死せる言語」の区別フィヒテの「生ける言語」と「死せる言語」
国語における感性的部分と超感性的部分国語の感性的部分と超感性的部分
言語の前の不平等言語の前の不平等
カントの哲学用語についてカントの哲学用語は難解か
知的な英文と情緒的な英文何が知的英文と感性的英文を分けるか
「海」とメイスフィールドの詩海を謳う詩の言語
スチーブンソンと三島由紀夫の辞世スチーブンソンと三島由紀夫の辞世
余論──海の記憶・日本人とゲルマン人余論/海の記憶・日本人とゲルマン人

第五章

<b>国語教育と外国語教育</b><b>精神的資産としての日本語─国語教育と外国語教育の役割</b>
日本人と桜桜に感動する日本人
母国語の蓄積効果母国語の蓄積効果
「精神的私有財産」国語は世界観である
「精神的私有財産」としての近親関係語「精神的私有財産」としての近親関係語
タテ糸としての和歌の伝統日本語のタテ糸を追放した国語教育
国語教育の問題点「精神的私有財産」の継承を
国語教育にタテ糸を
「知的」外国語教育の意義外国語教育は知性の練磨である
和歌と外国語教育の重要性外国語教育と国語教育の真の意義

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Last-modified: 2022-08-08 (月) 09:59:17