滝浦真人
『ポライトネス 入門』
研究社
2008
isbn:9784327377236
第1章「ポライトネス」の背景──人間関係にかかわるいくつかの普遍 001
人間関係と"なわばり"のややこしい関係 002
"聖なるもの"に対する態度のとり方 デュルケームの儀礼論005
演じられる役割の交通整理──ゴフマンの"共在の秩序"009
"あなた"と"わたし"の距離──冗談関係/忌避関係、T/V代名詞 013
人間としての欲求──ブラウン&レヴィンソンの「フェイス」016
第2章 ブラウン&レヴィンソンのポライトネス理論──効率と配慮、どちらをとるか? 021
会話の"自然さ" ポライトネスの語用論的背景 022
言葉で相手に触れること──効率と配慮 026
ブラウン&レヴィンソンのポライトネス理論 029
フェイス侵害行為とフェイス・リスク 029
ポライトネスのストラテジー 031
ポジティブ・ポライトネス 034
ネガティブ・ポライトネス 039
ほのめかし 041
ポライトネスと言語文化 046
第3章 敬語とポライトネス──会話の場で人間関係を切り分ける 049
「ポライトネス」と「敬語」050
敬語は〈距離〉の表現である──敬語の定義 051
「する」と「なる」 051
「敬語は〈敬意〉の表現である」? 053
敬語の3分類? 5分類?一 敬語のコミュニケーション・モデル 056
機能の相互独立性 059
人物の同一性と役割の同一性 059
「親愛の敬語」はあるか? 061
敬語の意味論から語用論へ 人間関係の像 063
ウチとソト──敬語のダイクシス 065
人間関係を切り分けること──敬意から疎外まで 070
第4章〈距離〉とポライトネス──"人を呼ぶこと"と"ものを呼ぶこと"の語用論 075
〈距離〉の網の目 076
〈距離〉の構えとしての呼称 077
呼称における遠と近 077
日本語の呼称は何を呼んでいるか? 080
呼称の語用論 081
「おねえさん」のポライトネス? 081
「よっ、社長1」のf(意味)=発話効果 083
指示詞コソア 085
"人を呼ぶこと"と"物事を呼ぶこと"085
コソアの意味 086
コソアの語用論的効果 088
指示詞と人間関係の〈距離〉091
視点を操作する 091
指示詞とポライトネス 092
発話効果の相対性、そして終助詞 095
第5章 ポライトネスのコミュニケーション──会話のスタイル・言語行為・文化差 097
形式と機能──ポライトネスの担い手 098
会話の構造──相手の言葉に触れるか触れないか 099
沈黙とオーバーラップ 099
高関与体と高配慮体 101
"言葉で相手に触れる/触れない"こと 105
言語行為の対照ポライトネス論 断わり、ほめ 108
断わりの談話構成 108
ほめ・ほめに対する応答 110
あいさつ 人間関係の文化的コード 114
ふたたび3要因D・P・Rについて──ブラウン&レヴィンソンの新しさ 116
言語行為と言語表現の要因分析 116
「民族性」へのアプローチ 119
第6章 [応用編]終助詞「か/よ/ね」の意味とポライトネス──話者が直観的にしていることの長い説明 123
終助詞なしではやれない日本語 124
話し手と聞き手の何を問題にすべきか? 127
知識・認識・なわばり 127
モニター標識としての終助詞 131
「か/よ/ね」の意味機能と素性指定 134
接続関係から見えること 134
連接形終助詞をめぐって 138
用例による意味素性の検証 141
終助詞の待遇性 146
「ね」の語用論的機能 146
「か」と距離 148
「潜在的ポライトネス傾向」と語用論的機能の多様性 150
[+]と[-]の意味 150
基点と距離のモーメント 152
引用文献 155
索引 158
あとがき 162