田宮虎彦
『新潮文庫の絶版100冊』


尾根を先導した猟師たちが、「ええじゃないか、ええじゃないか」と歌声をふりしぼりながら、ええじゃないかの馬鹿踊りを踊りはじめた。いずれは西国勢が教えた文句に違いないが、猟師たちの言葉の訛りはいつわれぬ黒菅訛りであった。それは鰍沢には奈落にひきいれられる淋しさをさそった。


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Last-modified: 2022-08-08 (月) 10:01:22