真田信治
標準語はいかに成立したか-近代日本語の発展の歴史』創拓社
 1991年1月25日発行

まえがき
第一章 ことばの「標準」意識[中世末期]
 1 宣教師たちの日本語感覚
  生活語か説教語か
  『日葡辞書』に見る上の語と下の語
  方言語形の分布状況
 2 女房詞は使えない
  話しことばと書きことば
  宣教師が使ってはいけないことば
 3 京都ことばが「正しい日本語」
  標準としての京都ことば
  古代の発音から現代標準音へ
第二章 町人たちの日本語談義[近世]
 1 伊勢屋、稲荷に犬の糞
  江戸の整備と人口の激増
  世界最大の都市・江戸
  江戸の都市化とことばの変容
  六方ことばの流行
 2 訛りがあるのは下司・下郎
  上方語から江戸語へ
  江戸ことばの自己主張
 3 きどった言い方・普段の言い方
  “遊ばせ詞”と“持前の詞”
  “遊ばせ詞”志向
  講義で使われることば
  公用語的な表現へ
 4 江戸時代の方言書
  京ことばの“ゆれ”
  十八世紀中葉に江戸語へ
  わが国最初の全国方言辞書
  江戸語の共通語化
第三章 「標準語」の登場[近代]
 1 文明開化は「漢字の廃止」から
  近代国家としての国語
  三宅米吉の日本語論
  日本語表記についての議論百出
  福沢諭吉の先見の明
  漢文直訳体から平易な文体へ
 2 言文一致の試み
  「デアル」「デス・マス」論議
  「言文一致会」の果した役割
 3 「標準語」のはじまり
  国語調査委員会
  「標準語」という用語の定着
  東京語準拠論
  全国的な方言調査の結果
 4 ブームになった東京語
  東京語の普及
  沖縄の言語運動
  方言と「普通語」
  国定教科書の用語
  ラジオ放送の音声的な効果
  方言撲滅運動
  東京と地方の隔たりの拡大
第四章 方言の分布と標準語
 1 標準語はどのように広がっているか
  『日本言語地図』の分析
  標準語形分布率の全国順位
 2 標準語のルーツを探る
  オソロシイとコワイ
  コワイの分布の動態
  コワイの意味をめぐって
  「とうがらし」の語史
  トーガラシのルーツも上方
  梅雨を表すことば
  九州・四国ではナガシ
  朝の挨拶ことば
  「早い」の語形
  「起きたか」
  晩の挨拶ことば
 3 ことばが伝わる平均速度
  ことばの伝播パターン
  伝播速度
  「~ジャン」の場合
第五章 歴史の流れとことばの変遷
 1 歴史に消えた標準語
  「どうへん」についての考察
  「どうへん」の意味
  意味の限定化
  「どうへん」の表記
  「どうへん」の来歴
  「常篇」について
2 外来語の入り方
  シャベルかショベルか
  シャベルの地域的な語形変化
3 ことばの取り替え
  「ステーション」
  明治中期は「停車場」
  ステンション・ステンショ
  「駅舎」の表現形の分布
  「駅」の復活
第六章 標準語の将来[戦後と現代]
 1 「共通語」の登場
  標準語論その後
  「共通語」
  地域共通語
 2 「共通語」と「標準語」
  「共通語」の見直し
  これからの課題
 3 ことばの教育
  言語の単色化
  標準は一つとは限らない
  方言の教育


1 つむじ風(九州)
2 唇(九州)
3 蜘蛛(九州)
4 蝮(九州)
5 「シェ」音の分布
6 富山県利賀川流域での「シェ」音の動態
7 打消の助動詞「ない」(東日本)
8 推量の助動詞「べい」(東日本)
9 「東京へ行く」(東日本)
10 標準語形分布率の全国順位
11 標準語形の各都道府県分布率
12 標準語形分布率が90%以上となる項目数
13 「恐ろしい」
14 「恐ろしい」(愛知・岐阜・三重県境)
15 三重県長島町での「恐ろしい」の表現形の推移
16 コワイを「恐ろしい」の意味で使うか
17 コワイを「疲れた」の意味で使うか
18 「とうがらし」
19 「梅雨」
20 「おはようございます」
21 「こんばんは」
22 「今日は役場に行かなかった」(老年層)
23 「あるではないか」(大阪)
24 シャベルの文献表記史
25 シャベルの変化形の分布
26 シャベルの変化経路
27 「駅」の表現形


1 親族名称の表現の変遷 p103
2 小型のものは「シャベル」か「スコップ」か
3 和歌山県田辺市での「南瓜」の表現形


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Last-modified: 2022-08-08 (月) 10:03:51