日本文法 一巻一冊
草野清民著 明治三十四年刊。本書は著者の歿後その遺稿を整理して刊行したものである。内容を三編に分けて。先づ第一前篇では音声及び文字の論、第二詞篇では名詞・指詞・數詞・形容詞・動詞・助動詞・て爾遠波等の品詞について。第三文章篇では詞句相互の關係及び文章について夫々項目を立てゝ記してゐる。なほ附録として「國語の特有せる評法-總主」、「言語の發達」の二つの論説を添へてゐる。前記の如く本書は未定稿であって聲音論・動詞・助動詞の部の如き未完成のもの。副詞・接詞・感詞の如き全く起稿を見ないものさへあるが、文章篇は脱稿したものであって見る可き説が多い。即ち「総主」に關する説、副詞の用法、形容詞の活用、不完全動詞の説、或は附録に於いて動詞の諸活用の原型を求めて四段活と二段活とに大別したかが如き、いづれも國語學史上大に注意を要すべき卓見に富んだ所論である。
(亀田次郎「国語学書目解題」)
http://f.hatena.ne.jp/kuzan/20091208104256
上田万年の序
http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/ueda/KUSANO.HTM
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a href="http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/864128">近代デジタルライブラリー</a>
ISBN:4-585-08031-7