例へば「吉多斯比弥」に於ける吉字は音尾tを後続音の多に連ね合せたものであり、「凡牟都和希」に於ける凡字は音尾mを後続音の牟に連ね合せたものである如きが是である。之を連合仮名とでも名づけて置かう。更にこの音尾を利用して一音節に作り、一字を我が一音節に借用する法がある。言換へると、音尾を有する一字に自由に或母音を添へて呼ぶ方法である。「難波」の難字は音尾nに母音iを添へてナニに借り、「足尼」の足字は音尾kに母音uを添へてスクに借りる如きが是である。所謂二合仮名といふものである。

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Last-modified: 2022-08-08 (月) 08:43:30