鈴木孝夫
〈新潮選書〉
昭和六十年九月二十日 発行
第一章 日本はいま、どんな国か
1 日本は情報鎖国 9
意外な結果、不測の事態
ことばの軛《くびき》
2 日本は攻撃的な加害者国家
平和のために、何をしているか
経済超大国は平和主義国家ではあり得ない
世界秩序形成の責任
ことば――残された唯一の防衛手段
第二章 外国語教育の多様化を
1 危険な英独仏中心主義 47
ソ連嫌いの日本人
貧弱なソ連研究
冷遇されている朝鮮語
アラビア語とペルシャ語
2 構造改革を迫られる外国語教育 齠
ヨーロッパ語は充分か
教養語学の多様化を
英語は専門にすると出来なくなる
第三章 日本語の国際化
国際舞台での言語
日本語を国連公用語に
公用語を決める条件は何か
なぜ日本人職員が少ないのか
第四章 日本人にとって、英語とは何か
1 英語は日本人の最良の武器
武器としての英語
英語は本当に国際語か
2 国際英語と民族英語
英語は誰のものか
英語は話せても、自己表現が出来ない
目的ではなく、手段としての英語
3 発信型の国際英語とは
英語教育の目的
日本人の英語
第五章 受信から発信へ
1 西欧中心主義からの離脱 鰯
情報鎖国の構造
蜃気楼効果
失われた自己の回復
2 日本の国際化にむけて
自己を規準とする発想を
社会・文化科学の不毛について
立場のある学問と立場のない学問
言語の個別特殊性
隠れた前提とは何か
誰の立場に立つのか
後記