門田勲
p.273 「神戸言葉」
p.288
火野葦平が二、三ヵ月前の雑誌に「馬賊芸者」という小説を書いていた。 「おや、信吉さん、おひとり?」 「ひとりぢゃなかたい。梅ちゃんば、つれて来とる」 「そうぢゃなかよ。どげんして、あそこへ行きんしゃらんとな?」 博多弁というのはむずかしい。これはその小説のはじめに出る芸者の会話だ。