陣内正敬
『地方中核都市方言の行方 九州』
地域語の生態シリーズ
1996年8月25日 初版1刷発行
おうふう
第1章 地方中核都市方言をめぐる状況 6
1 言語環境の変容 6
(1)影響関係と接触媒体 6
(2)都市化とスピーチスタイル 8
(3)九州の3大都市圈
2 「福北」地域語のダイナミズム ある講演会より 10
(1) 地域語とその変容 10
(2) 統合化・均一化 14
地域語の現状 共通語化のモデル/地域語の現状 福北地域/
地域共通語化
(3) 多様化・差異化 19
多様化する地域語/新方言
(4) 言語生活と地域語 25
(5) これからの地域語 26
第2章 統合化・均一化の諸相 30
1 福北の地域語 30
(1)共通語アクセント型の獲得 30
(2) 方言音から共通語音へ 35
シェ、ジェ音/ラ行化音
(3)語法の共通語化 形容詞のイ語尾化 39
(4) 俚言の消失 40
(5) 東京弁化 方言変容の新局面 42
(6) 福北地域語の広がり 43
断定辞「ヤ」の東進・南進
2 熊本の地域語 45
(1) 関西方言、博多方言との葛藤 45
(2)方言と標準語の使い分け 48
(3)地域共通語と標準語の接触による方言変化 51
(4)音韻レベルにみられる標準語化 52
3 鹿児島の地域語 54
(1) 全国共通語化の側面 54
(2) 地域共通語化の側面 56
第3章 多様化・差異化の諸相 60
1 福北の地域語 60
(1)気づかない方言 60
(2) 根強い方言 63
アスペクト表現/非東京弁化
(3)方言新語あれこれ 66
接触新語/ドリフト新語/グループ新語/方言復活
2 熊本の地域語 72
(1)新しい方言形の発生と広がり 72
(2) 伝統的方言形の復活と改新 76
(3)安定した地域共通語の実態 78
3 鹿児島の地域語 81
(1) 気づかない方言 81
今までの報告から/アツイデシタ/ヤスクデ
(2)オツカレサマ 使い方の多様化
(3) カサン、オキン 「方言翻訳語」 89
第4章 言語生活と地域語 93
1 変種の使い分け 93
(1) 方言の機能 93
(2)アクセントの使い分け 94
(3) 方言敬語と共通語敬語 96
変容の様子/重宝な「テアル敬語」/多用される「ラレル敬語」/「デスネ敬語」の隆盛
2 方言意識をめぐって
(1)「方言ショック」と方言使用のタイプ 100
方言使用の類型と出身地域/アイデンティティおよび方言ショックをめぐって/学生の方言観
(2) 九州若年層の各地方言観 111
調査のねらい・方法/各地方言の好悪感/回答者の出身地域差/おわりに
(3) ガ行鼻音意識 119
ガ行鼻音について/九州、関西若年層のガ行鼻音意識/地域別、男女別の比較/おわりに
(4)博多人の方言意識と博多方言のイメージ 127
ネイティブにとっての博多弁/ノン・ネイティブの見た博多弁/おわりに
3 標準語志向と方言志向 鹿児島市方言の現状 133
(1)鹿児島市の言語コードとその使い分け 133
「からいも普通語」の存在/コードの選択/「からいも普通語」の位置づけが意味するもの
(2) 方言語彙項目と言語意識 137
在来方言形の言語意識/新しい方言形の言語意識
(3) 話者の属性と方言使用 !H
男女差/地域内部の接触度一社会ネットワークから見たネオ方言形の使用
第5章 これからの地域語 153
1 地域語と日本語教育 宇佐美まゆみ氏との対談より 153
2 「ら抜き言葉」と外国人 175
3 地域語の将来像 185
関連文献 190