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おんゐんけいもう
音韻啓蒙 一巻 鳥海恭
音韻に關する論述にて、其の目を擧ぐれば、総論、四聲清濁輕重の事、五十音排列の事、五音出生の大體をいふ事、未成普通のハヒフヘホ、成音のハヒフヘホ、半濁音のハヒフヘホ、清音のパピプペポ、濁音バビブベポ、拗音のファフィフゥフェフォ、五十音排列に従ひて合音する大抵の事、世界萬國同音の事、文字の事、音韻妙用の事、音轉に因て本據の異音を同一にすること、用字の絡は歌文より外に用ふべからざる事、音韻の理は知らずばあるべからざる事等なり。文化十二年乙亥(二四七五〕四月、亀田鵬齋の漢文序あり。小泉雄周校正して同十三年發行せり。
◎烏海恭は仲黙と字し、松亭と號す。
杉本つとむ「江戸期、ある〈音韻論〉を読む――鳥海松亭『音韻啓蒙』小察――」