韻鏡看抜集は嘗て東京帝國大學附屬圖書館に有りて其の第二囘蔵本展覽會にも陳列せられた。寛永元年(二二八四)十一月の宗寛の筆だったが、其の十一年の寫本も同大學の國語研究室に有つた。私の看たは研究室の物だったが今日は倶に存せぬだらう。紙數三十枚足らずのもの、序例、調韻指微等を本文として頭註が有るが、之も大したもので無い。寫本の末には

   寛永十一天甲戊三月廿一曰午刻書寫畢 下野國皆川庄木村にて云々來雲生年(三二八歳)哀哉哀哉

と有った。
岡井慎吾『日本漢字学史』

http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/uwazura/kokusyokaidai/i/kokusyo_i095.html>
ゐんきやうかんばつしふ
  韻鏡看抜集 寫本 二巻
 韻鏡諸註書より抜抄したるものにて、寛永二年乙丑〔ニニ八五〕の校合本。古寫本貴重書として、東京帝國大學圖書館に保存せり。

東大本は震災で焼けたが、国会図書館亀田文庫に写本がある。
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2605881

「いんきょうみぬきしゅう」と読むがよいか。


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Last-modified: 2022-08-08 (月) 10:07:12