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黒川眞頼 國學者
【本姓】金子氏。後に、黒川氏を繼ぐ。
【生歿】文政十二年十一月七日生れ、明治三十九年八月三十日歿す。享年八十三、
【墓所】東京谷中墓地
【閲歴】上野桐生の人.性頴敏で學を好み、十七歳の時笈を負うて江戸に出で、黒川春村(別項)に從つて國語・音韻等を學んだ。春村には實子があつたが、家學を繼ぐに足らなかつたので、商業を營ましめ、眞頼を養子にして家學を繼がせた.眞頼は明治二年大學少教授に任ぜられ、次いで元老院の書記生に轉じ、後、東京帝國大學教授になつた。明治二十年文學博士の學位を得た、大學で教鞭を執る傍ら、東京美術學校・東京高等師範學校・東京音樂學校等の講師を兼ねた、又帝室博物館に出勤し.宮内省御歌所の寄人でもあつた.明治三十五年東京帝國大學教授を辭し、同大學の名譽教授に任ぜられた.同三十九年八月三十日病革まるに及んで旭日小綬章を授けられた、
【業績】眞頼は春村の學を繼いで國語及び音韻の學を專門としたが.又考證に長じ、風俗史・美術史に造詣頗る深く、この方面の研究は、寧ろ國語・國文に關する研究よりも多く學界に貢獻してゐる、又、「古事類苑」「語彙」(各別項)の編纂にも參與した、黒川眞頼全集<a href="http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/991262">*</a>六卷(黒川眞道等編.明治四十三年三月ー同四十四年十二月刊)がある。
[著書]
〔國語學〕
日本文典大意?(明治五年成。第一章音、第二章詞、第三章から第十一章までは九つの品詞を説いてゐる。全集卷六所收)
日本小文典?(明治五年成。文字音韻篇と文章篇に分け、「日本文典大意」と同じく西洋文典を多少摸倣して作つたものであるが.當時としては簡單で且つ顔る要領を得たものである。全集.卷六所收)
日本文典初歩?(二部あり、一は明治六年五月十五日に出来たもの、一は同年同月二十一日に出來たもの。前者は簡單に五十音と品詞の設明をしたもの、後者は實例を掲げて簡單に文章法を説いたもの。全集卷六所收)
詞の栞二鋪(刊。活用と手爾波の圖表で.「詞八衢」「和語説略圖?」等に依つて作つたもの)
詞の栞打聽一册(明治二十八年八月刊。詞の栞について眞頼が講義したのを門人が筆寫したもの)
玉の緒變格辨?一巻(同十六年刊。「ことばのたまのを」參照)
もこそ問答?(同十六年,門人三田葆光?の質問に依つて.「もこそ」の「こそ」は普通の「こそ」と變る事なしと説いて「詞の玉緒」の誤を正したもの)
詞八衢講義一册(未完成)
字音問答案?一册(同二十七年.文部大臣が帝大の教授達に、字音假名遣(樣・要・用・蝶・法・侵・安・困・判官.等)について意見を徴したのに答へたもの)
日本言語説?(國語と假名及び漢字の關係を簡單に述べたもの)
假名新説?(片假名の歴史的考察)
色葉歌作者考?(色葉歌の作者について古來の説を概觀し.次に自説を出して作者は弘法大師?に非すとす)
歌語解説?(「ゆくへ」「ものから」等十四語の解釋)(以上全集卷六所收)。

〔國文關係〕
日本文學大要(奈良朝.平安朝の國文學の概説)
○物語繪詞説
○和歌所考
○今樣歌起原沿革
○詠歌獎勵説(以上.全集巻六)

〔美術工藝〕
考古晝譜十一卷(全集卷一.二
○日本美術性質
○日本美術由來
○日本美術沿革
○日本美術と佛教との關係
○日本繪畫沿革説
○家屋建築説
○日本蒔繪沿革
○日本古代武器説(以上全集卷三所收)、外に彫刻・建築・工藝等の古美術に關する多くの考證論説が、全集卷三に收められてゐる。

〔國史・其他〕
日本書紀を讀む心得
○日本古典年代説
○天智帝時代文學及社會文化状況
○天平時代文學及社會状況
○朝綱史
○日本上古の外交
○南山長松幹枝論
○長慶院非譲位辨
○蝦夷人種論
○俳優考
○遊女考(以上全集卷四所收)、この外、全集卷四には、風俗史及び制度に關する多くの論考が牧められてゐる。          〔龜田次郎〕

19060830,,新潮日本文学大辞典

 PDD図書館(獨澄旻さん)の人名辞典に項目あり。<br> http://www.cnet-ta.ne.jp/p/pddlib/biography/frame.htm


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Last-modified: 2020-09-16 (水) 23:24:10