#author("2020-08-15T12:21:11+09:00","default:kuzan","kuzan")
*p1* 『日本語の歴史3』平凡社 [#y3e8c5d8]
亀井孝・大藤時彦・山田俊雄
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第一章 口頭言語から書記言語への定着
 一 平城京から平安京へ
  平城京はなぜ廃せられたか
  いわゆる〈国風暗黒〉の時代 
  山城への遷都と帰化人の勢力 
  長岡京の短い運命
  平安京の建設
  ここにも日本語の歴史の謎がある 
  帰化人の二重言語併用
 二 口頭言語と書記言語
  口頭言語を跡づける困難
  伝承のことばに口頭語はのこっているか
  口頭語のあやとしての〈枕詞〉
  枕詞はどのように定着したか
  もう一つの口頭の技術〈諺〉 
  語り方のスタイル
  文字に定着するまでの動揺
  口頭語がそのまま書記言語になったか. 
  文献が伝える会話文は口頭語か
  帰化人が使っていた外国語 
  シナ語をとりいれた例
  外来語の姿をとどめる日常語 
  文献のことばはむしろ書記言語的である
 三 出土の木簡に探る書記生活
  新しい資料の発見
  平城京趾の調査と発掘
  木簡が発見された状況
  木簡は何に使われたか
  付札(荷札)の役割をもっていた木簡
  木簡は文書としても使われていた 
  木簡に落書をされた文字
  戯れ書にみる当時の文章
  埋もれた古代都市復原への期待
 四 桓武朝にはじまる文章道の振興
  〈国風暗黒〉の時代は唐風文化全盛の時代
  大学教育の振興
  学問の中心にあった菅江二家
  あいつぐ勅撰詩集の編纂
  漢語の優越を物語る史実
  ここにも漢詩尊重の例がある


第二章 和文の成立とその展開
 一 和風の文章の前史をみる
  日本における文章の成立にかかわる謎 
  文体とはなにをさすか
  散文がすべて漢文であった時代
  なにが日本語の文章であるか 
  日本語を用いた文体の成立
  《古事記》の文章がおかれる位置 
 二 和文の歴史における紀貫之の位置
  祝詞の文章にある口語的性格 
  宣命は祝詞より文章的である
  正倉院仮名文書の臨界的な文章 
  《古今和歌集》仮名序の文章の位置
  漢文訓読からうまれた文章
  《土佐日記》は変体漢文を下敷をにしたか 
  「あひだ」と「ほど」との使い分け
  《土佐日記》と〈仮名序〉とのちがい--
 三 物語様式を確立した「けり」止めの文章
  和文によるフィクション《竹取物語》の登場
  《竹取物語》の「けり」止めの文
  竹取翁の伝説から《竹取物語》の構成まで
  歌物語としてみた 《伊勢物語》の文章
  歌物語の地の文の来歴を探る 
  和歌の詞書と歌物語の文章との比較
  《伊勢物語》における「けり」の役割 
  文章における「けり」と「き」との対比  
 四 《枕草子》と《源氏物語》の登場
  意識と文章とのかかわりを探る循環論 
  散文の時代的な類型はまだなかった
  《枕草子》の成立をどのようにみるか 
  《枕草子》の文章が簡潔といわれる理由
  《枕草子》にある長い文章と短い文章
  《枕草子》の文章の本領
  《源氏物語》に最初の文体の確立をみうるか


第三章 表記体の成立をみる
 一 漢字と日本語との接合
  〈漢字から仮名へ〉が提出する新しい清算書
  固有名詞の表記も一つではなかった
  漢字の使用がもたらした用字法・表記法の混乱  
  仮説として提出された〈表記体〉 
  文字化された言語としての文章 
  古代日本における識字者の能力
  訓の固定にみる二つの面
  表記体建設への道
  宣命書きの背景
  漢字による直接表語はどこまで可能であったか
  直接表語の範囲
  一字一音の仮名専用がもつ宿命
  漢字による直接表語の混乱
 二 仮名文学の登場
  《土佐日記》の先駆的な意味 
  漢文訓読がささえとなる
  草創期の仮名文がたどる苦渋 
  片仮名で和歌を書いた例もある
  片仮名のおかれていた位置
  《土佐日記》を書いた貫之の立場 
  奈良から平安につながる和歌の伝統
  〈古筆切れ〉が伝える和歌の表記 
  平安時代初期に用いられた漢字群
  仮名を主とする文学の登場
 三 片仮名を使った文章もうまれる
  〈漢字・片仮名交じり文〉があらわれた  
  日本語の文章は漢文解読からうまれる
  翻案としてみる〈東大寺諷誦文稿〉
  《日本霊異記》の表記体
  漢文の桎梏を離脱する方向
  〈漢字・片仮名交じり文〉の水準を探る
 四 和漢混淆文への道
  《三宝絵》が教えるまめなること 
  《三宝絵》の表記体にみる和漢の混淆 
  〈説話物語〉があらわれる背景
   和漢混淆文の最初の道標
  《今昔物語集》が実現し喪文体の概念 
  文体への指向ということの意味


第四章 仮名の芸術と実用
 一 平仮名がひらく美の世界
  文字が書道につながる
  日本に入った六朝の書
  日本の書道のはじめを探る
  奈良と平安とをつなぐ空白の部分
  シナの書道史が伝える字体変遷の跡
  平仮名の手習いはどう行なわれたか
  そのころの筆を遺品から探る 
  本願寺本《三十六人家集》が世に出るまで 
 二 実用の場に完成する片仮名
  仮名は清濁の表示をもたない
  清濁表示がないところに掛け詞がうまれた
  〈仮名に読みなし〉という混乱がうんだ例
  片仮名の実用性と学問性
  まず片仮名にあらわれる清濁の表示
  濁音符号が定着するまで
  片仮名は書道の世界とは無縁 
 三 言語芸術の諸相を描く
  梨壷(昭陽舎)に召された五人の歌人
  《万葉集》の古点作業がはじまる 
  王朝女性の教養の基盤
  女流仮名文学をどう評価するか 
  時代は散文成立の一歩手前 
  散文のもつ性格
  平安初期の文学がたどった道
  書記の場における文字の装飾性
  文字と絵画との協同
  絵物語の展開の筋道を探る
 四 仮名表記がとらえた新しい景観
  薄れゆく古代の音韻組織
  音韻の変化に対応する文字の変化
  ハ行転呼音があらわれる
  ハ行転呼音と表記上の問題
  仮名表記がまず音韻の変化にふれる
  仮名づかいに関する二つの仮名の立場, 
  かくて〈定家仮名づかい〉が登場する
  二つの仮名がみせる水平化の道


第五章 言語にとらえる貴族と民衆の生活感情
 一 貴族と民衆とのあいだ
  平安時代は貴族文化の時代
  識字層はそこまでひろあがったか
  消えていった〈文字の村〉の例
  閉鎖された貴族の世界に窓をあける
  中央の貴族と地方の豪族との身分差
  《芋粥》が物語る貴族と豪族の生活
  身分がちがうときのコミュニケーション
  貴族と民衆のあいだに直接の伝達はなかった
 二 民衆の言語生活を探る困難
  民衆の言語も異質のものではない 
  清少納言が描いた一つの例
  ややのちの時代にひろうもう一つの例 
  やはりここにも資料の制約がある 
  貴族の眼をとおして民衆の言語を探る
  紫式部が用いた「囀《さへづ》り」ということば  
  「囀り」は鳥の鳴を声に結びつくか
  《今昔物語集》にあらわれた「囀り」の例
   とくに「囀り」が外国語をさす用法 
  「囀り」は音声の抑揚や強調にかかわる  
 三 文学作品にあらわれた民衆のことば
  〈きき耳ことなる〉ことば
  清少納言がとらえた下衆のことば 
  清少納言と紫式部は中産階級の出自
  紀貫之は下衆のことばをどうみたか 
  貫之が耳にした労働の歌
  生活感情のちがいが基底にあった 
  それぞれの生活感情がうむ別個の文学 
  鄙びたものを理解する心
  〈都誇り〉と〈風流〉への傾斜  
  階層の対立に言語の差異をみることへの懐疑
  紫式部がとらえた賤の男のことば 
  紫式部と民衆との距離感
 四 貴族と民衆とを結ぶ歌謡の世界
  《更級日記》が描く遊女との交情
  歌謡がはたすコミュニケーション 
  当時の社会における遊女の位置
  〈今様〉とはどんなものか
  〈今様〉にみる土と生活のにおい   
  東国の風俗歌への関心
  上層と下層とに分ける意識のあり方
  歌謡と和歌とのかかわりあい
 五 物語に探る上下のことばのちがい
  《竹取物語》にみる言語への感覚 
  《源氏物語》が置かれた位置 
  やがて《蜻蛉日記》が登場する
  〈興言利口〉といわれることの意味
  上下に共通することばの風流 
  ものをおかしくいう才能について 
  ことばがうみだす民衆の笑い
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別欄
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平安京の規模 
説話のスタイルの出典 
耳から入ったシナ語 
《古事記》の文章の過渡期的異質性 
奈良時代の紙と木簡 
土師器にかかれた戯書
文章道で使われた教材
嵯峨朝の勅撰三詩集 
嵯峨天皇と《白氏文集》 
《古事類苑》という百科事典 
〈歌合〉にみる平安の遊び
農耕儀礼に拠った〈祈年の祭〉
言語表記にみる不整合
日本語と漢字の接合の相 
《古今和歌集》の仮名序
《土佐日記》の漢字表記の位相
藤原穏子と《大后御記》
「なにはつ」と「あさか山」の歌
鑑賞のための〈古筆切〉
仮名文学作品にみる漢字層 
説話集《日本霊異記》の価値
平安時代の公私の日記
漢字・漢語から和語をつくる
辞書の起こりとその性格 
《今昔物語》の編者? 
〈テシ〉にあてた「大王」と「義之」
〈三筆〉と空海の位置 
〈三蹟〉とその書風 
〈声点〉のもつ性格
拗音・撥音・促音の表示 
《万葉集》古点の特徴
平安時代の歌謡 
装飾紙のいろいろ 
大和絵の起こり 
国司という名の役人 
応天門の放火事件の真相、
漢字で表記される魚名の例 
傀儡子という漂泊の民 
〈今様〉と《梁塵秘抄》
平安時代の散佚物語

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月報
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木簡発掘余話 [[狩野久]]
私の日本語学習 プ・サガラジャワ
『マイ・フェア・レディ』を見る [[徳永康元]]
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執筆者
-[[小島憲之]]
-[[益田勝実]]
-[[阪倉篤義]]
-[[山田俊雄]]


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ライブラリー版
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解説:[[高山倫明]]


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