#author("2020-08-22T10:24:20+09:00","default:kuzan","kuzan") 中村桃子(2007) 『〈性〉と日本語 ことばがつくる女と男』 NHKブックス1096 2007(平成19)年10月30日 第1刷発行 #amazon(4140910968, , ) >> はじめに Ⅰ「わたし」はことばでつくられる 第一章 ことばとアイデンティティ 1 アイデンティティはどこから来るか 2 非対称な「女ことば」と「男ことば」 3 言語資源が切り開く地平 第二章 「翻訳」のことばを読む 再生産される言語資源 1 翻訳がつくるアイデンティティ 2 新しい「男ことば」の登場1「です・ます」から「ス」へ 3 変わりゆく「親しさ」の表現 Ⅱ 日本語に刻まれた〈性〉 第三章 セクシュアリティと日本語 1 恋愛小説の言語資源 2 異性愛はことばに宿る 3 〈男〉は中心、〈女〉は例外li異性愛から見た言語資源 第四章 変わりゆく異性愛のことば 「スパムメール」「スポーツ新聞」「恋愛小説」 1 スパムメールに刻まれた異性愛の構造 2 男たちの共同体 3 親しさを希求することばの格闘 Ⅲ 創造する言語行為 第五章 なぜ少女は自分を「ぼく」と呼ぶのか 1 少女は言葉づかいの規範を破りつづけてきた 2 新しい〈少女性〉の創造 3 押しつけられる自称詞 4 「言葉づかいへの批判」今昔 5 少女の「男ことば」に萌える男たち 第六章 欲望を創造する1消費社会と〈性〉 1 ファッション誌という共同体 2 女性誌と男性誌1「親しみ」の相違 3 新しい男性雑誌共同体 終章 「日本語=伝統」観の閉塞を超える 1 日本語という不安 2 日本語をみがくために 3 開かれた伝統にむけて 参考文献 あとがき //<!--はじめに // 日本語ブームの背景 // 言語資源という視点 // 「女ことば」と「男ことば」に見る創造性 // 本書の全体像 //1「わたし」はことばでつくられる // 第1章 ことばとアイデンティティ // 1 アイデンティティはどこから来るか //「女らしい」藤原先生 不自然な「女ことば」 //本質主義のアイデンティティ 構築主義のアイデンティティ //言語資源としての「ことば」 フィクションの会話と現実の会話 //メディアがつくる言語資源 「ずれた言語行為」の創造性 // 2 非対称な「女ことば」と「男ことば」 34 //標準語としての「女/男ことば」 インフォーマルな「女/男ことば」 //「女/男ことば」が描く人物像の違い 「女ことば」とはルールである //---------------------[End of Page 4]--------------------- // 3 言語資源が切り開く地平 4。 //繰り返される「ついて語る」言説 女訓書からエチケット本まで //「標準語」に隠された男性性 「標準語」「女/男ことば」を分けるもの //言語資源が明かす三つの点 // // 第二章 「翻訳」のことばを読む 再生産される言語資源 49 //『ハリー・ポッター』の中の「女ことば」 複数の声が聞こえる // 1 翻訳がつくるアイデンティティ 53 //翻訳小説の中の擬似方言 「方言」の誕生 //正しい「標準語」・劣った「方言」 再生産される差別 // 2 新しい「男ことば」の登場1「です・ます」から「ス」へ 59 //「擬似方言」の消滅 変わる翻訳の標準語 //「ぼく」から「おれ」へ 「おれ」は熱血ヒーロー //貴様と俺 近すぎる「おれ」と「おまえ」 //『スラムダンク』の新敬語 上下関係から親疎関係へ // 3 変わりゆく「親しさ」の表現 74 //---------------------[End of Page 5]--------------------- //スターの語る「ぼく・きみ・さ」 「きみ」と「ぼく」がつくる男の絆 //「旧男ことば」はどこへ行く 区別しつづける言語資源 //「女ことば」は絆と結びつくか // //Ⅱ 日本語に刻まれた〈性〉 // 第三章 セクシュアリティと日本語 84 // 1 恋愛小説の言語資源 84 //ハーレクイン・ロマンスの恋愛描写 日本の恋愛小説に身体描写の少ない理由 //近づくほどに遠ざかる男女のことば // 2 異性愛はことばに宿る 88 //古代ローマのセクシュアリティ なぜ異性愛は規範となったのか //〈女〉と〈男〉の中間に位置する人びと セックスとジェンダー // // 3 〈男〉は中心、〈女〉は例外li異性愛から見た言語資源 97 //「おれ」と「あたし」のエロス 「女/男ことば」とジェンダーの結びつき //「ていねいな言葉づかい」という規範 言葉づかいが左右する自己イメージ //---------------------[End of Page 6]--------------------- //男のスカート姿はなぜ目立つ? //男女で異なる規範性 //「おネエことば」の反対は? // 第四章 変わりゆく異性愛のことば 「スパムメール」「スポーツ新聞」「恋愛小説」 // 1 スパムメールに刻まれた異性愛の構造 //スパムメールの修辞学 //「女=受動的」がもたらす悲劇 // 2 男たちの共同体 //向かい合えない男たち ホモソーシャルな社会とは 女性同性愛に対する視点 //「男になる」ことの意味 異性愛への強迫観念 スパムメールの中の「おれ」 //恋愛資本主義の台頭 スポーツ新聞のホモソーシャル・ファンタジー // 3 親しさを希求することばの格闘 //母子関係に還元される恋愛 あらたな関係としての家族 //血縁を超えた家族の模索 母親になりたい //---------------------[End of Page 7]--------------------- //Ⅲ 創造する言語行為 // 第五章 なぜ少女は自分を「ぼく」と呼ぶのか // 1 少女は言葉づかいの規範を破りつづけてきた //幻想と現実の再生産 「ぼく」と言い始めた明治の女子学生 // 2 新しい〈少女性〉の創造 理 //男女に押しつけられた成長過程の違い 異性愛市場の子どもたち //〈おませ〉か〈おくて〉か 〈男装〉への憧れ //さまざまな自称詞の創造 // 3 押しつけられる自称詞 廟 //「わたし」と自称することへの抵抗感 //ひそかに埋め込まれる異性愛規範 二重の抑圧 // 4 「言葉づかいへの批判」今昔 靭 //なぜ「女ことば」は伝統なのか 生き延びるために選ばれることば //---------------------[End of Page 8]--------------------- //「最近の乱れ」説の効用 なぜ女の言葉づかいが気になるのか // 5 少女の「男ことば」に萌える男たち の //「無垢な少女」幻想 未熟なエロスの商品化 // //第六章 欲望を創造する1消費社会と〈性〉 商 // 1 ファッション誌という共同体 商 // 消費と結びついたアイデンティティ 雑誌がつくる書き手と読者 // 雑誌共同体をつくる三つの手法 イデオロギーによる支配 // 欲望を煽り、達成感を抱かせる // 2 女性誌と男性誌1「親しみ」の相違 桝 //女性誌は平等・男性誌は階層的 上下関係にもとつくホモソーシャリティ //ファションは課題、雑誌はカウンセラー ファションはいかに男性化されたか // 3 新しい男性雑誌共同体 刎 //男性も「着まわし」の時代 ファッションを「大研究」する //男性誌は学校、読者は生徒 モノローグによるコミュニケーション //異性愛を求める消費社会 //---------------------[End of Page 9]--------------------- // 終章 「日本語=伝統」観の閉塞を超える // 1 日本語という不安 m // あるがままに愛でるべき日本語? 日本語本ブームのメカニズム // 「正しい日本語」の問題点 「ずれた言語行為」の可能性 // 2 日本語をみがくために // 言語イデオロギー メタ言説の権力 メタ言説の階層性 // 「正しい日本語」がつくる分断 矛盾ゆえに強化される言語イデオロギー // 「男ことばの乱れ」はなぜ意識されないのか // 3 開かれた伝統にむけて 緬 // 「専門家」のメタ言説を相対化する 「乱れ」言説から自由になる // ことばに対する「常識」に問いを発する //参考文献 42 //あとがき 48