#author("2021-07-14T23:19:36+09:00","default:kuzan","kuzan")
[[天童荒太]]

(ちくまプリマー新書 2006年)

方言を交えてしゃべるのは、わたしたちが『方言クラブ』のメンバーだからだ。
//(中略)中学時代、各地の子どもたちから、方言をインターネットで教えてもらった。自分たちが使う言葉とも、標準語とも違う言葉をしゃべる人が、同じ日本に大勢いる。その事実に魅力を感じ、気に入った言葉を仲間で使うようになった。とくに仲の良かったタンシオ、テンポ、リスキの四人組で、共通の言葉を暗号として覚え、人前でも秘密の話し合いができるようになって、面白半分、『方言クラブ』と呼ぶことにした。
// もちろん、こまかな用法やニュアンスは使い分けられない。だからこそ、きっとどこのものでもない言葉になる。それが望みだった。ここの、あそこのと、決まった場所に属している住人になりたくない想いが、わたしたちにはあった。


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