#author("2020-08-18T10:36:45+09:00","default:kuzan","kuzan") 村上龍 九州弁小説 >> 僕達が使う言葉を方言とすれば、山田正は炭鉱町独特の「大方言」とも言うべき、さらに屈折した言葉を使った。 << >> そんな台詞になると僕は急に標準語になってしまう。べ平連が演説しているようなことを方言で言うのは、何かおかしい。どうしてだろうか? << >> 例えばカミュの『ペスト』について方言で喋るとほとんど冗談になってしまう。『ペスト』はばいね、単なる病気の話やなかわけたい。それはメタファーでほんとはファシズムやら共産主義ば象徴しとるわけやろ…………方言は、借りものの言葉だとすぐにばれてしまう。 << 文字の大きさ