太田全斎
http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/uwazura/kokusyokaidai/k1/kokusyo_ka110.html
http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/uwazura/syomokukaidai/hoi/kaidai_hoi008.html


漢呉音図 三巻三冊
 太田方?の著、文化?十二年刊。尚その後の刊本で音圖?十二轉の條の訂正されてゐるもの、天保?の刊本で音徴は二十六丁裏數行填木して削れるもの、大正?四年刊六冊の活版本(漢呉音圖上、漢呉音徴?中、漢呉音圖説?下、音徴不盡?全、同窩音圖?全、〔六〕音圖口義?全齋讀例?全)等がある。本書は「漢呉音圖」「漢呉音徴」「漢呉音圖説」の三部から成る音韻研究書で、「漢呉音圖」は主として内轉?第一合から第四十三合までの圖を記して居る。「漢呉音徴」は第一轉合から第四十三轉まで各音韻?の疑しいものを擧げて考證したもので、「漢呉音圖」の素材を示し、同時にその例證を示すものである。「漢呉音圖説」では音韻研究の必要を述べ、次に「漢呉音圖」の説明をしてゐる。本書は漢呉音圖の基礎たる漢呉音徴に於いて音韻を誤った事からこの所説に大なる誤謬をおかした點もあるが、猶磨光韻鏡で誤って居た開合?を正した事、m音韻とn音韻の區別を説いた點等磨光韻鏡を一歩進めた事は注意すべきで、磨光韻鏡と共に徳川時代?の音韻研究書の代表である。
【參考】

   * 漢呉音圖の解剖的批判。満田新造。「[[東洋學報]]」十一巻ノ二・四號 大正十一・四・十一月。
   * 漢呉音圖の中間本。[[岡井愼吾]]。「[[國学院雜誌]]」十一ノ三、[[明治]]卅八・三。 <a href="http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/ingaku/okai/sidozonko.pdf">*</a>

(亀田次郎「国語学書目解題」)

http://blog.livedoor.jp/bunkengaku/archives/50718197.html>

漢呉音圖 語學書 三卷
【著者】太田方
【刊行】文化十二年五月の自序があり、同年刊と思はれる。
【諸本】刊本に三種ある。一は文化の刊、二はこれに次いで刊行したもので、音圖十二轉の條が訂正されてゐる。三は天保年間の刊行で、音徴?廿六丁裏の數行を埋木して黒くしてゐる。又、大正四年、濱野知三郎が編纂刊行したものがある。これは天保の刊本を底本とし、他の諸本で校異を加へ、且つ編者の案を附した。
【内容】「漢呉音圖」「漢呉音徴」「漢呉音圖説」の三部から成る音韻の研究書である。「漢呉音圖』は最初に拗音開合圖・拗音圖説、次に三十六字母輕重、音聲辨徴及び喉音三行解を記し、次に本文に入つて内轉第一合から内轉第四十三合までの圖を記してゐる。この圖に於て著者が特に心を用ひた點について、凡例の中に吹の如く記してゐる。
「愚考六条アリ、
(一)アヤワ三行?拗音?真字?ニ作ル。
(二)影喩?第四等ヲ耶行?ノ定位トナス。
(三)漢呉音?原音?次音?アルコトヲ発ス。
(四)二百六韻ノ左右ニ國母上中下ノ韻ヲ記ス。
(五)(喉舌唇)三内ノ撥仮字ヲ古ヘノ正シキニ復ス。
(六)於字十一転開音ナルコトヲ徴ス。」
と。次の「漢呉音徴」は冒頭に「圓策声調、或經2見於古1、而罕2言於今1。物情不v能v無v疑焉1、於v是乎旁控歴考乃為2音徴1」と記してゐる如く、第一轉合から第四十三轉合まで、各音韻の疑はしいものを擧げて考證したものであつて、漢呉音圖の素材を示すものであり、同時に漢呉音圖の例證を示すものである。第三の「漢呉音圖説」は、初めに音韻研究の必要を述べ、次に「一音有三等母韻」「平仄出入并圖起原」「音例稱呼」「因循轉用」「通音卜便習トノ分辨」「耶行定位」「眞字三喉音」「第十一轉從作開本」「五音十行歌并一字兩假字」「三撥假孛并フ弘クチキ韻」等について記し、漢呉音圖の説明をして居る。
【價値】本書は「磨光韻鏡」と共に江戸時代に於ける音韻研究の代表的名著である。耐して本書が「磨光韻鏡」より進んでゐる點は、著者が凡例に於て「愚考六條アリ」と云つて記してゐる六條である。就中、「磨光韻鏡』に於て誤つてゐた開合を正した事、及びM音韻とN音韻の區別を説いたことは注意すべきことである。」然しながら本書の所説にはなほ大なる誤りがある。それは「漢呉音圖」の基礎たる「漢呉音徴」に於て、音韻を誤つたことに起因する。その誤つた所以は、
(A)時代による音韻の變化に不注意であつたこと、
(B)朝鮮音?を全部誤讀したこと、
(C)類似の音を同一音として取扱つたこと、
(D)本音の外に他韻の音を轉用したこと、
(E)叶韻?を例證としたこと、
(F)方音?訛音?正音?の例證としたこと、
(G)音釋?の解釋を誤つたこと、
(H)漢音阿彌陀經?異音?を採用したこと、
(I)原音?次音?を濫用したこと、
(J)漢呉音の區別の杜撰なこと
等によるものであつて、「漢呉音徴」の例證は玉右混淆であリ、「漢呉音圖」の原音?次音?は、大半誤りであるのは惜しむべきことである。
【參考】漢呉音圖の解剖的批判 滿田新造(東洋學報大正一〇ノ四・一一)
漢呉音圖の中間本 岡井慎吾(國學院雑誌一一ノ三)    〔龜田〕


漢呉音図 かんごおんず 『漢呉音図』『漢呉音徴』『漢呉音図説』の三部。福山藩士の太田全斎(一七五九-一八二九)著。文化一二年(一八一五年)自序。刊本に初印本・初訂本・再訂本の三種(埋木による修訂)があるが初印本と初訂本の差は微小。浜野知三郎編で岡井慎吾の解説や他の関係資料等を付した活字化(大正三~四年 六合館)は再訂本により、初印本・初訂本との異同を頭注に記す。林史典解題の影印(昭和五四年 勉誠社文庫)も再訂本による。本書は*韻鏡に基づいて我国の*漢音*呉音の由来などを考えたものであるが、あまりに演繹的過ぎ、「次音・原音」などというものを想定したりして、漢呉音の形をむりに韻鏡に合せようとしたりした点が問題がある。中巻にあたる『漢呉音徴』も、その名からすれば漢呉音の用例を集めたものが期待されるが、ここにも作者の恣意が多く見られる。評価すべき点としては、『*磨光韻鏡』等で第十一転が合とされていたのを開に訂正し、本居宣長『*字音仮字用格』のオヲ所属の弱点を補強したことがあげられる。また舌内韻尾と唇内韻尾の区別を明らかにし、舌内韻尾をヌ・ニで唇内韻尾をムで書いたこともあるが、ほぼ同時代の義門『男信』の方が整った考えが書かれている。
〔参考文献〕〇亀田次郎「太田全斎伝」(『国学院雑誌』 明治三八年二月・三月、四四年六月)〇満田新造『中国音韻史論考』(昭和三九年 武蔵野書院) (岡島昭浩)

http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/ho04/ho04_00527/index.html

http://www.box.com/s/y8fbxg3nbpu6objb3sx2


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