#author("2026-04-26T22:26:21+09:00","default:kuzan","kuzan") #author("2026-04-26T22:35:26+09:00","default:kuzan","kuzan") [[インターネット言語学情報]] 『言語』29巻2号(大修館書店) 平成12年2月1日 pp.105-104 リレー連載▼インターネット言語学情報(26) ことば遊びと遊びのことば [[岡島昭浩]] 古い雑誌を見ていると、そこには「応問欄」なるものがあり、読者のさまざまな問いかけに対して編集者が回答を用意したり、また別の読者が情報を寄せたりしていることが多かったように見える。また、それほど遡らなくても、『言語生活』という雑誌の「目」「耳」欄などでも読者が言葉の情報を寄せていた。その『言語生活』152号(昭和39・5)で、「全国の読者で共同研究を!」と題して、「子どもの遊びのことば」について、情報提供を呼びかけたことがあり、その後いろいろと面白い情報が集まったようである。しかし現在、こうした呼び掛けをするには、雑誌ではなく、インターネットが便利である、ということになりそうである。 例えば、「子供の情景」(h ttp://www2g.biglobe.ne.jp/~gomma/kodomo.html)では、子供の遊びについて多数の情報が寄せられている。それには、遊びの時のことばについての情報が多く含まれ、例えばじゃんけんの呼び方、掛け声、あいこの時の掛け声、勝ち負けではなく二手に分れる時のやり方とかけ声などがあり、またじゃんけん以外でも、かつて『言語生活』でも取り上げられた絵書き歌などがある。 「どれにしようかな」の後に続く言い方と「だるまさんがころんだ」のような数え方を収集しているのが、「どっちの神様?」(h ttp://www.pure.co.jp/~cha-san/docchi.htm)である。「どれに…」については、このページ以外にも収集しているページはあるが、更新が最も新しいのがこのページである。また以前、WWWページが盛んでなかった時代に、Netnews上で「どれに…」収集が呼びかけられたことがあり、その集計結果と思われるものがWWW上に掲載されたこともあるようだが、11月末現在では発見出来なかった。 なお、「だるまさんがころんだ」については、小矢野哲夫「けとば珍聞」(h ttp://www02.u-page.so-net.ne.jp/gb3/tkoyano/index.html/)をも参照。 例えば、「子供の情景」([[h ttp://www2g.biglobe.ne.jp/~gomma/kodomo.html>https://web.archive.org/web/20090507182701/http://www2g.biglobe.ne.jp/~gomma/kodomo.html]])では、子供の遊びについて多数の情報が寄せられている。それには、遊びの時のことばについての情報が多く含まれ、例えばじゃんけんの呼び方、掛け声、あいこの時の掛け声、勝ち負けではなく二手に分れる時のやり方とかけ声などがあり、またじゃんけん以外でも、かつて『言語生活』でも取り上げられた絵書き歌などがある。 「どれにしようかな」の後に続く言い方と「だるまさんがころんだ」のような数え方を収集しているのが、「どっちの神様?」(h ttp://www.pure.co.jp/~cha-san/docchi.htm((https://web.archive.org/web/20050209232804/http://homepage3.nifty.com/docchi/)))である。「どれに…」については、このページ以外にも収集しているページはあるが、更新が最も新しいのがこのページである。また以前、WWWページが盛んでなかった時代に、Netnews上で「どれに…」収集が呼びかけられたことがあり、その集計結果と思われるものがWWW上に掲載されたこともあるようだが、11月末現在では発見出来なかった。 なお、「だるまさんがころんだ」については、小矢野哲夫「けとば珍聞」([[h ttp://www02.u-page.so-net.ne.jp/gb3/tkoyano/index.html/>https://web.archive.org/web/20010630172239/http://www02.u-page.so-net.ne.jp/gb3/tkoyano/index.html/]])をも参照。 一方、ことば遊びについてみれば、既存の活字媒体におけるそれも、なお存在しているようであるが、インターネットの世界に目を向けると、より盛んな様子が伺える。例えば、Yahoo!JAPAN(http://www.yahoo.co.jp/)で、「エンタ一テインメント」の「ユーモア、お笑い」から「言葉と言葉遊び」の項((https://web.archive.org/web/19990506114929/http://www.yahoo.co.jp/Entertainment/Humor__Jokes__and_Fun/Words_and_Wordplay))を開いてみると、そこには11月末現在で100を越えるページが登録されている。駄洒落から回文、アナグラム、しりとりなど、さまざまな言語遊戯のページが開かれているのである。 その中から「言葉のよろずや」([[h ttp://www2.famille.ne.jp/~maps/kotoba/index.htm>https://web.archive.org/web/19990429103024/http://www2.famille.ne.jp/%7Emaps/kotoba/index.htm]])を紹介しておこう。ここはまさに「よろずや」であり、ことば遊びのページとしてのみ取り上げるのは失礼に当るのであるが、「言葉の減らずや」「言葉のよろずや・大阪支社」といった同好のページを生み出しているし、言葉に対する遊び心が全体に感じられるページなのである。 さて、WWWで情報を収集しようと思った場合、だまってアンケートの形式や投稿の書式を置いておけば回答が多く寄せられる、というものではない。答える側にも楽しみを与える配慮があった方が、回答は多く寄せられるようである。また、ある程度の情報が既にある方が、それを読んだ人が「自分のところではこうだった」という報告を寄せることに繋がるようでもある。「情報が情報を呼ぶ」ということであるのだが、ページの管理者が、情報を整理してきちんと掲載してくれてこそ、新たな情報が寄せられることになるのである。 ことば遊びを集める場合にしてもそうで、ただ駄洒落を垂れ流しにしているようなところでは読む気が失せてしまう。しっかりとした編集があってこそ、読むに堪える、投稿する気になるページとなるのである。 かつて、橘正一『方言と土俗』、菊沢季生『国語研究』や楳垣実の諸雑誌など、研究者が編集者となり、その個性を感じさせる雑誌があったが、今後そのような志向を持つ研究者は、雑誌編集ではなく、WWWページ編集に向かうことになるかのもしれない。 (おかじまあきひろ/日本語史・日本語学史)