#author("2026-04-29T17:08:48+09:00","default:kuzan","kuzan") #author("2026-04-29T17:16:20+09:00","default:kuzan","kuzan") リレー連載▼[[インターネット言語学情報]](32) 『言語』29巻8号(大修館書店) 平成12年8月1日 pp.79-78 日本語学史と資料の複製 [[岡島昭浩]] 「WWW上で楽しみながら国語学史を学ぼう」というページを作っているのは、岐阜大学の佐藤貴裕氏である([[http://www.gifu-u.ac.jp/~satopy/tabi.htm>https://web.archive.org/web/20000831195220/https://www.gifu-u.ac.jp/~satopy/tabi.htm]])。国文学史的な情報が多くなるのでそこは書物で補ってほしい、とのコメントつきでweb上のさまざまなところに見える日本語学研究者たちのエピソードなどを集めている。契沖、賀茂真淵、本居宣長や大槻文彦に橋本進吉など、web上でも丹念に探せばいろいろと情報があるものだと思わせる。佐藤氏のページといえば、辞書の歴史についての情報がもっとも豊富で貴重なものだが、この国語学史のページもありがたいものである。 創価大学の金子弘氏のページ([[http://www.s.soka.ac.jp/~hkaneko/>https://web.archive.org/web/20000830134143/http://www.s.soka.ac.jp/~hkaneko/]])では、幕末から明治にかけての資料が多く載せられているが、その中に大槻文彦のものなど日本語学史の資料も含まれる。筑波大学日本語学研究室学術データ室(http://www.lingua.tsukuba.ac.jp/nihongo/data.html)には、明治期の文法書のデータがある。中澤信幸氏のページ([[http://www5a.biglobe.ne.jp/~nobnob/>https://web.archive.org/web/20000817094140/https://www5a.biglobe.ne.jp/~nobnob/]])は、漢字音を中心としたものであるが。漢字音研究史にかかわる資料がある。現在のところは中澤氏の論文などが中心だが、今後。字音資料なども追加される予定のようである。 創価大学の金子弘氏のページ([[http://www.s.soka.ac.jp/~hkaneko/>https://web.archive.org/web/20000830134143/http://www.s.soka.ac.jp/~hkaneko/]])では、幕末から明治にかけての資料が多く載せられているが、その中に大槻文彦のものなど日本語学史の資料も含まれる。筑波大学日本語学研究室学術データ室([[http://www.lingua.tsukuba.ac.jp/nihongo/data.html]])には、明治期の文法書のデータがある。中澤信幸氏のページ([[http://www5a.biglobe.ne.jp/~nobnob/>https://web.archive.org/web/20000817094140/https://www5a.biglobe.ne.jp/~nobnob/]])は、漢字音を中心としたものであるが。漢字音研究史にかかわる資料がある。現在のところは中澤氏の論文などが中心だが、今後。字音資料なども追加される予定のようである。 手前味噌になるが、私のページ([[http://kuzan.f-edu.fukui-u.ac.jp/>https://web.archive.org/web/20000817094143/http://kuzan.f-edu.fukui-u.ac.jp/]])にも日本語研究史にかかわる資料を掲載している。ここしばらく更新を怠ってきたが、近日中に、亀田次郎「国語学書目解題」、本居宣長「字音仮字用格」解説部分のテキストデータを公開する予定である。 文学関係のデータは、昨年度からの国文学研究資料館(http://www.nijl.ac.jp/)の旧日本古典文学大系データの試験的配布や、今年度になってからの菊池真一氏主宰のJ-TEXT([[http://www.j-text.com/>https://web.archive.org/web/20000817054422/http://www.j-text.com/]])など、ますます充実の様相を呈しているが、語学関係のものはまだまだである。 以上は主にテキストによるものであるが、画像での資料ということになると、例えば大阪市立大学学術総合センターライブラリーサービス([[http://libhome.media.osaka-cu.ac.jp/>https://web.archive.org/web/20000408023325/http://libhome.media.osaka-cu.ac.jp/]])で、江戸時代の板本を多数有する森(繁夫)文庫所蔵の諸資料を見ることが出来るなど、語学史関係の資料が含まれるサイトがいくつかある。また、私のページにも実験的にいくつかの画像を置いてみた。その際、著作権のきれたテキストを集めているプロジェクト・グーテンベルグ(http://www.gutenberg.org/)や、翻訳テキストを集めているプロジェクト杉田玄白(http://www.genpaku.org/)にならって、「プロジェクト高羽五郎」という名称を考えていた。精密な複製の望まれる資料の場合には、良質な印刷と紙を使った高価な複製本でもよいのだが、ある程度読めればよいという資料の場合には、さほど巨大でないファイルサイズの画像データで配布することが可能となる。高羽五郎氏は、ガリ版や青焼きやコピーで「国語学資料」「抄物小系」「談義本小系」などを配布していたが、私はそのひそみにならおうとしたわけである。 ところが、私のサイトはネットワーク的に奥まったところにあるためデータがうまく出てゆかず、サーバが不安定となってしまう。さらに、ネットワーク的に遠いのなら全て手元にダウンロードしておこう、と考える人もいて、それでサーバはますます不安定になる。そういう状況なので、その後は画像を増やしていない。サーバのディスク容量はまだ余裕があるのにそうせざるを得ないのである。インターネットにこだわらず、CD-Rなどでの配布ということも考えられるが、焼付や郵送の手間が大変である。プロジェクトの実施はネットワークの背骨がもっと太くなった時にまた考えたいと思っている。 (おかじまあきひろ/日本語史・日本語学史)