#author("2021-02-01T23:43:31+09:00","default:kuzan","kuzan")
[[鈴木朖]]
http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/uwazura/kokusyokaidai/k3/kokusyo_ku039.html
>http://blog.livedoor.jp/bunkengaku/archives/25021847.html>
活語斷續譜 くゎつごだんぞくふ 語學書一卷
【著者】鈴木|朖《あきら》
【諸本】神宮文庫所藏の寫本(言語四種論と合册)と柳園叢書第一卷所收の刊本(書語四種論と合珊)の二種がある。後者は奥書に「右以離屋先生(鈴木朖)自筆稿本寫之一校了」とある。兩者は内容に大きな相違がある。即ち柳園叢書本には、「言葉の八衢」(別項)や「和語説略圖」(別項)が引用してあるが、神宮文庫本には「八衢」や「和語説略圖」の影響は少しも見られない。神宮文庫本はその稿本であらう。鈴木朖は「八衢」や「和語説略圖」の刊行された後まで生きてゐたから、これ等の書の説を自著に書き入れたことはあらう。それが柳園叢書本に收められたものと思はれる。
【内容】宣長の「御國詞活用抄」(別項)の分類に從つて活用言を二十七會に分類し、各會に就いて代表的な活用言を擧げて、その活用形并にその活用形の斷續を示し、續くものは續くべき語を記してゐる。而してその活用形が神宮文庫本と柳園叢書本とに相違がある。即ち前者は活用形を八等に分け、

>>
|飽アク|ク|ク|ク|キ|ケ|ケ|カ|カ|
| |一|二|三|四|五|六|七|八|
活用抄第一會
<<
とし、七等と八等に、「此二等ワクルニオヨバズ、一ツニスベシ」と記してゐる。が後者には
>>
|和語説略圖|截断言|連體言| |連用言|已然言|使令言|將然言|
|飽カキクケ|ク|ク|ク|キ|ケ|ケ|カ|
| |一|二|三|四|五|六|七|
活語抄第一會
<<
とし、その前に「八衢云々」と「言葉の八衢」の説を引用してゐる。因に「和語説略圖」には「使令言」の語はない(「友鏡」に「使令書」の語がある。「東條義門」「てにをは紐鏡」の末書參照)。
【價値】
柳園叢書本によつて考へれば、明かに「言葉の八衢」と「和語説略圖」の説を利用して居り、而もその結果は「八衢」や「和語説略圖」よりも劣るもので、國語學史上特にその價値を云々しなければならぬほどのものではないが、神宮文庫本によつて考へれば、前記の如く「八衢」や「略圓」の影響はなく、却つて「八衢」や「略圖」に影響を及ぼして居るものと考へられる。本書の箸作年代は明かではないが、神宮文庫本が、「言葉の八衢」より先に出來たものであらうことは想像するに難くない。而して本書の活用形とその斷續の圖は。「脚結抄《あゆひせう》」(別項)の「裝圖」の影響を認めなければならない。是に於て本書は「御國詞活用抄」の説に「脚結抄」の説を加へ、これを「言葉の八衢」に傳へたものと見ることが出來る。岩崎文庫所藏の「御國詞活用抄」の跋文(高橋廣道) に「この書(御國詞活用抄)は、いにしとし鈴屋の君(宣長)おほしたちぬるを(中略)わが鈴木先生.あらため正し給へる也。其後.後の鈴屋先生(春庭)この書と、先生のつくり給へる斷續の譜とをひとつにして、猶こまかにものして、ことばのやちまたといふ書をつくり給ひてけり」と記してゐる。此處にこの書の歴史的價値が存する。
【參考】鈴木朖の國語學史上に於ける位置に就て 時枝誠記(國語と國文學三三)  〔龜田〕
<<
http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/uwazura/syomokukaidai/ka/kaidai_ka078.html
>>
活語斷續譜 一巻
 享和三年鈴木朖著。[[神宮文庫]]藏寫本(言語四種論と合冊)[[柳園叢書]]本(言語四種論と合刊)名古屋國文學會本(活版本)の三種がある。前二者は内容に相違があるがその引用書目などの點から神宮文庫藏本は稿本と思はれる。後者は柳園叢書本の翻刻である。本書は「御國詞活用抄」の分類に從って活用言を二十七會に分け、各會について代表的な活用言を擧げてその活用形並にその活用形の斷續を示し、續く可きものには續く語を記してゐる。しかしその活用形を見るに神宮文庫本と柳園叢書本とは相異り、後者は「詞の八衢」の説を引用してゐる。從ってこの柳園叢書本に依れば本書は「[[八衢]]」や「[[和語説略圖]]」を引用ししかも之に劣るものでその價値を特に認め難いのであるが、神宮文庫本に依れば却って「八衢」や「[[装圖]]」に影響を與へてゐる事になる。扨本書の活用形と斷續圖とは「脚結抄」の「装圖」の影響を受けてゐると認められるので、本書はこゝに「御國詞活用抄」「脚結抄」の説を「詞の八衢」に傳へたものとしての歴史的價値を存する。 
【參考】
    * 鈴木朖の國語學史上に於ける地位について。時枝誠記 「國語と國文學」三十三号。 
(亀田次郎「国語学書目解題」)
<<


http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/ho02/ho02_05630/index.html





| |一|二|三|四|五|六|七|
|飽|ク|ク|ク|キ|ケ|ケ|カ|
|アカス|ス|ス|ス|シ|セ|セ|サ|
|アガツ|ツ|ツ|ツ|チ|テ|テ|タ|
|アフ|フ|フ|フ|ヒ|ヘ|ヘ|ハ|
|編|ム|ム|ム|ミ|メ|メ|マ|
|アガル|ル|ル|ル|リ|レ|レ|ラ|
|明|ク|クル|ク|ケ|クレ|ケ|カ|
|淺|ス|スル|ス|セ|スレ|セ|サ||
|当|||||||||
|寝|||||||||
|アタフ|||||||||
|アツム|||||||||
|イユ|||||||||
|荒|||||||||
|居|||||||||
|起|ク|クル|ク|キ|クレ|キ|キ(コ)|




トップ   編集 差分 履歴 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS