#author("2020-08-28T21:23:23+09:00","default:kuzan","kuzan")
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音韻調査報告書 おんゐんてうさはうこくしょ 語學書 一册
【編者】國語調査委員會(但し本書の整理は、同會事務囑託榊原叔雄・龜田次郎の兩人が擔當した)。
【刊行】明治三十八年三月
【内容】普通教育に於ける假名遣の改正、及び標準的發音制定の參考に寳する爲めに、國語調査委員會が明治三十六年九月、二十九項の調査事項を各府縣へ送つて、その調査を依頼したに對して、各府縣が師範學校・教育會等に於いて調査し、翌年三四月迄にその結果を報告して來たのを、調査事顎の順に配列したのが本書である。その調査事項は、諸方言に於て差異があるかと思はれる諸種の項目を列擧したもので、必ず調査すべき重要な綱目はほぼ盡してゐる。なほ本書卷頭に「音韻分布圖に關する注意」、卷末に「音韻調査報告書附記」「各府縣音韻調査區域一覽」を添へてある。
【價値】本書は極めて大規糢に國語の音韻を調査した空前の大事業であつて、國語學界に貢獻するところ頗る大なるものがある。併し多数の人の調査報告なので、精粗一樣でなく、且つ報告者の總てが音聲學上の知識を有つて居たとは考へられないから、直ちに報告のまゝ信じ難いものがある。併し今日に於ては本書以上のものはないのである。
【附記】音韻分布圖(別項)は本書の報告を整理して地圖に表はしたものである。     〔龜田〕
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音韻調査報告書 一冊
 [[國語調査委員會]]編(但し本書の整理は同會事務嘱託[[榊原叔雄]]・[[亀田次郎]]の二人擔當)明治三十八年出版。主として普通教育に於ける假名遣の改正及び標準的發音の制定の參考に資する爲、明治三十六年、調査事項を各府縣に送って調査を依頼し、その報告を調査事項の順に配列したものである。調査事項は(一)「あゝいふ事」「さあ行かう」(中略)などの「あゝ」「さあ」はa-a(ア、ア)sa-a(サ、ア)と二音節に發音するか a(アー)sa(サー)と一個の長音節に發音するか、と言ふ様な事項から(二九)ズとヅを區別せざる地方に於ては、ズをのみ發音するか、ヅをのみ發音するか、ズ・ヅを混用するか、等の調査事項に至る迄之を二十九項に分けて居る。その他、巻頭及び卷末に「音韻分布圖に關する注意」並に「音韻調査報告書附記」「各府縣音韻調査區域一覧」を添へてゐる。本書は大規模に國語の音韻調査をしたもので、今日に於いて是以上のものは無いのであるが、この調査報告は多數の人によって爲され、その精粗は一様でなく、この調査は極めてデリケートな仕事であるが、報告者の總べてが[[聲音學]]上の智識を十分に有ってゐたとは思へないので、その報告はそのまゝ直ちに用ひ難きものがあると言はねばならない。
【參考】
    * 「[[音韻分布圖]]」 
(亀田次郎「国語学書目解題」)
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http://opac.ndl.go.jp/recordid/000000494765/jpn

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