#author("2020-11-09T18:00:46+09:00","default:kuzan","kuzan") #author("2022-01-24T22:56:54+09:00","default:kuzan","kuzan") [[速記術]] 1975年3月26日 初版 1985年2月8日 15版 著者 E・ケストナー 訳者 小松太郎 発行所(株)東京創元社 この小説は一九三八年にスイスで出版された。 いくらせっかちな講演者でも二百五十綴以上はしゃべらないのであるから、三百綴を速記するという計画の意味は無論わたしには完全に理解できない。 いくらせっかちな講演者でも二百五十綴以上はしゃべらないのであるから、三百綴を[[速記]]するという計画の意味は無論わたしには完全に理解できない。 わたしが最近のベルリンの速記術の競技会に参加した話をして、全部のディクテーションを一字一句の間違いもなく一番先に提出したこと、ところが、それがわたしのまだ世間に発表しない独自の速記術だったので、審査員が一字も読むことができなかったこと、それで、わたしに朗読してきかせろと言われたが、わたし自身も残念ながらわたしの速記した原稿を読むことができなかったという話をすると、彼女はとても笑った。 わたしが最近のベルリンの速記術の競技会に参加した話をして、全部の[[ディクテーション]]を一字一句の間違いもなく一番先に提出したこと、ところが、それがわたしのまだ世間に発表しない独自の速記術だったので、審査員が一字も読むことができなかったこと、それで、わたしに朗読してきかせろと言われたが、わたし自身も残念ながらわたしの速記した原稿を読むことができなかったという話をすると、彼女はとても笑った。