#author("2021-02-03T22:15:01+09:00","default:kuzan","kuzan") 中田祝夫 『日本語の世界』4日本の漢字 中央公論社 1982.6.20 #amazon(4124017243, , ) はしがき 第一章 漢字の効用 一 日本語の文節と漢字 漢字は語の識別に役立ち、文節の目印となる 古写本に見える朱筆の文節点 『四河入海』の文節点 文節点の効用 漢字の二効用 二 文節の目印を数える 延慶本『平家物語』から『蒼い時』『朝日新聞』社説まで 漢字と仮名より見た文節構成 蘇東披詩講義ノートの文節調査 延慶本『平家物語』の文節調査 応永二十七年本『論語抄』の文節調査 『学問のすすめ』の文節調査 『坊っちゃん』の文節調査 憲法前文の文節調査 『蒼い時』の文節調査 『朝日新聞』社説の文節調査 漢字文節(A型)の巨視的観察 三 易しく書けば難しくなる 仮名専用と日本語のローマ字書き 仮名専用文の難しさ 仮名専用文の欠点 漢字・仮名交り文の有利さ ローマ字文の欠点 四 漢字の造語力 問題の所在点─現在と将来の造語に関して 武士用語中の和語-鷹詞 弓の部分名 武者言葉中の和語 武術用語中の和語 兵法用語中の漢語 職官名称中の和語 競技術語の和語と漢字音語 和語の複合語の構成 和語による名称とその欠点 漢字音語命名の長所 漢字による造語の本質 漢字音語の品詞 近ごろの漢字造語 漢字造語と欧米語の片仮名書き 日本語と欧米語の音韻差 第二章 日本の漢字 一 漢字ということ 85 「漢字」という語の定義 古文献に見える「漢字」という語 上代・中古の漢字を表わす言葉 漢字は日本の文字 二 日本における漢字の変容 源順の仮字観 『言海』の日本的漢字の説 相撲番付から見た「日本の漢字」「若」「舛」「栃」 「栃」字の起源と変遷 「杤」から「栃」へ 第三章 「日本の漢字」の歩み 一 『訓』の起源と発達 叩 中国の「訓」と日本の『訓』 漢文の『訓読』 『訓』と『訓読』の起源 『古事記』における『訓』 推古時代・白鳳期の遺文中の『訓』 上古考古品の銘文中の『訓』と『訓読』 二 『古事記』は漢文の『訓読』を利用して書かれている 向 『古事記』の上表文と用字法 『古事記』における仮名書きと漢文書き 候文による類推から 『古事記』の中の『訓』『訓読』を用いない箇所 法隆寺金堂薬師仏造像銘について 漢文訓読は推古時代まで潮れる 三 漢文訓読は平安時代から始まったのではない 吻 平安時代初期の訓点本資料 訓点を記入しなくても漢文は訓めたか 漢文訓読についての付記 四 「漢字・仮名交り文」ができるまで 商 はじめの説、言葉の定義 「漢字・仮名交り文」の起源をさぐる 平安時代の「漢字交り文」;『土佐日記』からの報告 平安時代の平仮名書き歌文と「漢字交り文」 「漢字交り文」の歴史 「片仮名交り文」とその起源・発展 平安時代の「片仮名交り文」の資料 「片仮名交り文」と説話文学 「漢字・仮名交り文」の成立 漢字専用文 漢字専用文から来た字音語 真名本 五 漢字を失った漢語 吻 ショイ入荷 漢字の意味が理解できない場合 せい しょっちゅう ふんだん せっせ けたい・けったい ずつない 六 字面を変えた漢語 がんじょう けんまく─「険悪」から「剣幕」「権幕」へ とんちゃく─「貪着」から「頓着」へ のんき──「暖気」から「暢気」「呑気」へ ようしゃ─「用捨」から「容赦」へ りょうけん─「料簡」から「了簡」「了見」「量見」へ 第四章 「曰」と「云」との用法区別 「日本の漢字」の異字同訓論の一つ はじめに 中国古典に見える「日」「云」の用法区別 「詩曰」の箇所にある共通項 『中庸』の中の「曰」「云」の用法区別 『論語』の「曰」と「云」 日本における「曰」「云」の使い分け─『和名類聚抄』と『吾妻鏡』 記・紀二典の「日」「云」の用法区別 第五章 日本の漢字音 一 漢字音と日本語 音と訓 漢字と漢字音 日本の場合 漢語の占める位置 漢字音と和語の音 中国語音の影響 二 日本漢字音の特徴 日本語音への融和 音節構造の破壊 鼻音韻尾 唇内入声 喉内入声の書き分け 舌内入声の解釈 舌内入声の表記原理 仮名表記の変化 変化の意味 頭子音(声母)の体系 韻母の統合 介母の受け止め方 声調の放棄 不規則な対応 類推音 日本語の音韻変化による変形 字音仮名遣い 三 日本漢字音の重層性 複層的な伝承 上古音の反映 呉音系の字音 呉音系字音の混質性 漢音系の字音 呉音系字音と漢音系字音の特徴 唐音系の字音 補注 参考文献 あとがき 索引 第一章-第四章 中田祝夫 第五章 林史典