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中田祝夫
『日本語の世界』4日本の漢字
中央公論社
1982.6.20
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はしがき
第一章 漢字の効用
 一 日本語の文節と漢字
     漢字は語の識別に役立ち、文節の目印となる
  古写本に見える朱筆の文節点
  『四河入海』の文節点
  文節点の効用
  漢字の二効用
 二 文節の目印を数える
     延慶本『平家物語』から『蒼い時』『朝日新聞』社説まで
  漢字と仮名より見た文節構成
  蘇東披詩講義ノートの文節調査
  延慶本『平家物語』の文節調査
  応永二十七年本『論語抄』の文節調査
  『学問のすすめ』の文節調査
  『坊っちゃん』の文節調査
  憲法前文の文節調査
  『蒼い時』の文節調査
  『朝日新聞』社説の文節調査
  漢字文節(A型)の巨視的観察
 三 易しく書けば難しくなる 
     仮名専用と日本語のローマ字書き
  仮名専用文の難しさ
  仮名専用文の欠点
  漢字・仮名交り文の有利さ
  ローマ字文の欠点
 四 漢字の造語力
  問題の所在点─現在と将来の造語に関して
  武士用語中の和語-鷹詞
  弓の部分名
  武者言葉中の和語
  武術用語中の和語
  兵法用語中の漢語
  職官名称中の和語
  競技術語の和語と漢字音語
  和語の複合語の構成
  和語による名称とその欠点
  漢字音語命名の長所
  漢字による造語の本質
  漢字音語の品詞
  近ごろの漢字造語
  漢字造語と欧米語の片仮名書き
  日本語と欧米語の音韻差
第二章 日本の漢字
 一 漢字ということ 85
  「漢字」という語の定義
  古文献に見える「漢字」という語
  上代・中古の漢字を表わす言葉
  漢字は日本の文字
 二 日本における漢字の変容
  源順の仮字観
  『言海』の日本的漢字の説
  相撲番付から見た「日本の漢字」「若」「舛」「栃」
  「栃」字の起源と変遷
  「杤」から「栃」へ
第三章 「日本の漢字」の歩み
 一 『訓』の起源と発達 叩
  中国の「訓」と日本の『訓』
  漢文の『訓読』
  『訓』と『訓読』の起源
  『古事記』における『訓』
  推古時代・白鳳期の遺文中の『訓』
  上古考古品の銘文中の『訓』と『訓読』
 二 『古事記』は漢文の『訓読』を利用して書かれている 向
  『古事記』の上表文と用字法
  『古事記』における仮名書きと漢文書き
  候文による類推から
  『古事記』の中の『訓』『訓読』を用いない箇所
  法隆寺金堂薬師仏造像銘について
  漢文訓読は推古時代まで潮れる
 三 漢文訓読は平安時代から始まったのではない 吻
  平安時代初期の訓点本資料
  訓点を記入しなくても漢文は訓めたか
  漢文訓読についての付記
 四 「漢字・仮名交り文」ができるまで 商
  はじめの説、言葉の定義
  「漢字・仮名交り文」の起源をさぐる
  平安時代の「漢字交り文」;『土佐日記』からの報告
  平安時代の平仮名書き歌文と「漢字交り文」
  「漢字交り文」の歴史
  「片仮名交り文」とその起源・発展
  平安時代の「片仮名交り文」の資料
  「片仮名交り文」と説話文学
  「漢字・仮名交り文」の成立
  漢字専用文
  漢字専用文から来た字音語
  真名本
 五 漢字を失った漢語 吻
  ショイ入荷
  漢字の意味が理解できない場合
  せい
  しょっちゅう
  ふんだん
  せっせ
  けたい・けったい
  ずつない
 六 字面を変えた漢語
  がんじょう
  けんまく─「険悪」から「剣幕」「権幕」へ
  とんちゃく─「貪着」から「頓着」へ
  のんき──「暖気」から「暢気」「呑気」へ
  ようしゃ─「用捨」から「容赦」へ
  りょうけん─「料簡」から「了簡」「了見」「量見」へ
第四章 「曰」と「云」との用法区別
    「日本の漢字」の異字同訓論の一つ
  はじめに
  中国古典に見える「日」「云」の用法区別
  「詩曰」の箇所にある共通項
  『中庸』の中の「曰」「云」の用法区別
  『論語』の「曰」と「云」
  日本における「曰」「云」の使い分け─『和名類聚抄』と『吾妻鏡』
  記・紀二典の「日」「云」の用法区別
第五章 日本の漢字音
 一 漢字音と日本語
  音と訓
  漢字と漢字音
  日本の場合
  漢語の占める位置
  漢字音と和語の音
  中国語音の影響
 二 日本漢字音の特徴 
  日本語音への融和
  音節構造の破壊
  鼻音韻尾
  唇内入声
  喉内入声の書き分け
  舌内入声の解釈
  舌内入声の表記原理
  仮名表記の変化
  変化の意味
  頭子音(声母)の体系
  韻母の統合
  介母の受け止め方
  声調の放棄
  不規則な対応
  類推音
  日本語の音韻変化による変形
  字音仮名遣い
 三 日本漢字音の重層性
  複層的な伝承
  上古音の反映
  呉音系の字音
  呉音系字音の混質性
  漢音系の字音
  呉音系字音と漢音系字音の特徴
  唐音系の字音
補注
参考文献
あとがき
索引

第一章-第四章 中田祝夫
第五章 林史典



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