#author("2021-01-02T09:44:07+09:00","default:kuzan","kuzan") http://opac.ndl.go.jp/recordid/000000537257/jpn 古川喜九郎 芳賀矢一序 >> 序 国語には口語文語の二体がある。読書作文の実際に臨んで、口語を文語にうつし、文語を口語に訳すことは、多くの人の最も苦心する所で、思想発表の巧拙が、この文語口語の対照如何によって著しき相違を見るのである。本書の著者古川氏は多年中学校に於ける作文教授に従事した経験から、生徒が特にこの点に苦心することに省みて、此の書を作ったといふ。学生の為に至極恰好の手引草となるのみで無く、一般の読書し、作文する人の為にも、多大の便益を与へるであらうと思ふ。 八月廿七日 芳賀矢一しるす << >> はしがき 本書は、余が多年中学校に於いて、読書作文の教授に用ひし材料と、平生読書の際に、必要と認めて鈔録したる語句とについて、取捨選択を加へ、以て一小冊子とし、聊か初学者参考の一助たらしめんとするものなり。 されば、固より必要なるものにして漏れたるもあるべく、不必要にして尚加はりたるものもあるべし。或は対照の妥当ならざるもの、或は植字の正確ならざるものも亦無しと云ふ可からず。是等は、版を重ぬるに従ひて訂正せんとす。世の識者、幸に是正の労を吝むなくんば、啻に著者の喜びのみならず、亦以て世を益する所あらむか。 著者識す 凡例 一 本書は、先づ口語を以て五十音順に排列し、次に普通文、書簡文及漢文を駢記して、相互対照を便にせり。 一 語句の頭に冠したる(普)(書)[漢]は、普通・書簡・漢文の略符なり。 一 漢文の字句を知りて、之に対する口語・普通文等を知らんとする者の為めに別に漢字の索引を附せり。 さて、其の漢字は、康煕字典の順序に従ひ、偏旁冠脚によりて類別せり。 字頭の數字は、其の文字の偏旁冠脚に對する、其の字の画数を表す。例へば、優の字は、人偏に十五画なることを示すが如し。字頭の○は、漢字の代り目に附して、異同を識別し易からしむ。 漢字の下の数字及上・中・下は、本文の頁数と段とをあらはせり。 << 大正元年九月二十五日印刷 大正元年九月二十八日発行 編者 古川喜九郎 発行所 博報堂 pp.1-192 漢字索引pp.1-99 [[古川喜九郎]] http://opac.ndl.go.jp/recordid/000000537257/jpn >> 序 国語には口語文語の二体がある。読書作文の実際に臨んで、口語を文語にうつし、文語を口語に訳すことは、多くの人の最も苦心する所で、思想発表の巧拙が、この文語口語の対照如何によって著しき相違を見るのである。本書の著者古川氏は多年中学校に於ける作文教授に従事した経験から、生徒が特にこの点に苦心することに省みて、此の書を作ったといふ。学生の為に至極恰好の手引草となるのみで無く、一般の読書し、作文する人の為にも、多大の便益を与へるであらうと思ふ。 八月廿七日 芳賀矢一しるす はしがき 本書は、余が多年中学校に於いて、読書作文の教授に用ひし材料と、平生読書の際に、必要と認めて鈔録したる語句とについて、取捨選択を加へ、以て一小冊子とし、聊か初学者参考の一助たらしめんとするものなり。 されば、固より必要なるものにして漏れたるもあるべく、不必要にして尚加はりたるものもあるべし。或は対照の妥当ならざるもの、或は植字の正確ならざるものも亦無しと云ふ可からず。是等は、版を重ぬるに従ひて訂正せんとす。世の識者、幸に是正の労を吝むなくんば、啻に著者の喜びのみならず、亦以て世を益する所あらむか。 著者識す 凡例 一 本書は、先づ口語を以て五十音順に排列し、次に普通文、書簡文及漢文を駢記して、相互対照を便にせり。 一 語句の頭に冠したる(普)(書)[漢]は、普通・書簡・漢文の略符なり。 一 漢文の字句を知りて、之に対する口語・普通文等を知らんとする者の為めに別に漢字の索引を附せり。 さて、其の漢字は、康煕字典の順序に従ひ、偏旁冠脚によりて類別せり。 字頭の數字は、其の文字の偏旁冠脚に對する、其の字の画数を表す。例へば、優の字は、人偏に十五画なることを示すが如し。字頭の○は、漢字の代り目に附して、異同を識別し易からしむ。 漢字の下の数字及上・中・下は、本文の頁数と段とをあらはせり。 <<