小林好日「文法の変遷」
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小林好日『国語学の諸問題』
小林好日
http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/PDF/kobayasi_yosiha...
パウルの比例式 Pauls' Proportion For...
//文法の變遷
//文には二種の成分があり、一方には對象とその麝性の概念を...
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 84]−−−−...
//入が始めて話し出した時に、複雜な經験を言語の範曦化のた...
//文法の變遷缶一七九
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 85]−−−−...
//文決一八○
//偶然としか考へられない。
//富士谷成章が「脚結抄」に次の如く云つてゐるのは、經驗が...
//名をもて物をことわり、装をもて事をさだめ、插頭脚結をも...
//叉日あめつちのことだまは、ことわりをもちてしづかにたて...
//各國語にあらはれてゐる語の意義を比べて見ると、殆どすべ...
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 86]−−−−...
//る。「山」「川」「水」「木」とか「白い」「黒、い」「塞...
//文法の變遷.一八一
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 87]−−−−...
//文法’八二
//文法的範疇は經驗的の言語素材かち抽出して法則化するを得...
//二
//文法家が各時代の文法的範疇を法則化して之を比較して見る...
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 88]−−−−...
//化したと云ふ。これを文法の變遷と云ふ。
//形態素の變化は不規則で音韻體系の變化とは大に趣がちがふ。
//春庭が「詞のやちまた」に中古の動詞の活用を體系化すると...
//さるは紳代よりおのづからさだまりありて今の世に至るまで...
//と云つて、四段、一段、中二段、下二段の四種に分類し整然...
//と云つてゐるが、後に義門が周到に調査した結果は、必ずし...
//大日本國語辭典にも「たとふ」を四段にも墨げ「この語の活...
//文法の憂邏,一八三
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 89]−−−−...
//文法一一八四
//存しおく」と斷つてゐる。「亠なぞらふ」も一般に下二段で...
//然しこの二つの體系の變化には大きい相違がある。音韻が語...
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 90]−−−−...
//の方が勢力を占めて居り、この動詞は
//綸言ヲ|奉《ウケタマハ》ル職事ハ極テ恐リ思ヒケレドモ(...
//御國いみじくおそり給ひけりとなん(字治拾遺)
//のやうに院政鎌倉時代までも及んでゐる。「,忘る」といふ...
//忘らる\(身をば思はずちかひてし(大和物語)
//人に忘られて(後撰春上)
//佗しさの千種の數も忘られぬべし(竹取物語)
//の如き皆四段で、この種のものを「口語法別記」に「忘れら...
//れて居たと云ふ先入見からその説明法を誤つてゐるのである...
//つて居るのだが、新古今序に「耳をたふとむる餤り」と云ふ...
//はれるであらうが、それよりずつと後の「恨名がき論語」に
//くんしのたつとふると辷ろのみちみつ(泰伯篇)
//とくをたつとふるにあらすや(顔淵篇)
//とくをたつとふるか亠な、かくのごとき入(憲問篇).
//叉室町時代の「史記抄」にも
//文法の變遷一八五
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 91]−−−−...
//嚢
//文法ー一八六
//南容ヨリ公治長ヲ貴ビラレタ歟(一〇)
//と云ふのがある。
//動詞によつて遲いのと早いのと變遷は新古さまく\である。...
//の形で行はれたが、「かくる」は「青山に日がかくらば」(...
//ぬほどに」(萬一四)の如く毓に下二段になつて居り、丞....
//のさかりにとじみかね」(萬五)「よのことなればと!みか...
//めむ」(萬一四)、フしゝだくに君が見せむとわれをとマむ...
//は奈良朝時代四段で「生けるしるしあり」(萬一八)、平安...
//はじめとして四段であるが、院政時代にやつと上二段になつ...
//らきや」と云ふのが平安朝時代の例である。この異例が個人...
//のやうに形態素の變化は極めて不規則なもので、どの時代の...
//に遭ふのである。
//三
//形態變化を支配する傾向の第一は複雜を避けて簡單につき齔...
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 92]−−−−...
//り、もう一つは文法的形式を明かにし意味を確かにしようと...
//蕪推作用は言語の形態變化の根柢にある最も力強い働である...
//語彙文法形式さては語の連結いろくの文を子供のときから心...
//してゐるか分らない。それらは雜然として何らの秩序もなく...
//或ものを意識に再現する時には之に類似を有する他のものが...
//ばおぼえる程、それらは何らかの類似に由つて種々の聯想を...
//形の類似で聯想するものもあり、意味の類似で聯想して居る...
//もあり、聯想群のそれ八\は孤立して居るので亠なく、大き...
//助動詞の「れる」を件つて.ゐることによつて聯想群をなし...
//「求められる」と「報いられる」「起きられる」「強ひられ...
//身を現す動詞として聯想さ”て居り、此の聯想群の中で前者と...
//活用連語として大きた聯想群を形作つてゐるー「せる」とか...
//,てゐる活用連語の上にも之と似た聯想群が出來てゐる。と...
//文法の變遷−一八七
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 93]−−−−...
//文法一八八
//る」と「行かせる」「押させる」「待たせる」「呼ばせる」...
//未然に連つて出來た活用連語といふ類似で聯想して居り、そ...
//といふ動詞につらなつてゐるといふ類似で一層密接な聯想を...
//こゝに言葉に規則が出來る。受身をあらはすには四段活用に...
//四段活用に屬する動詞は極めて多數である。之に魘する箇々...
//要するにわれノ\の心の中には、動詞でも形容詞でも乃至は...
//型を作り出してゐるのであつて、われノ\が絶えず動詞を聞...
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 94]−−−−...
//てこの模型を嘗てはめて自餅的に種々なる語形變化を作る。...
//思つて居り、かうして作つた形は意味を博へる上に何の妨も...
//聞く人も亦自分が語ればそれと同じ形を作ると思つてゐる。...
//て、われわれが經驗するすべての言葉を處理してゆくのが類...
//3
//この原理は言語活動の上に常に働いて止まない。言語の匿史...
//子供が言語習得の時期に語形をおぼえて行く働は畢竟類推作...
//文法の變遷一八九
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 95]−−−−...
//文法肇一九〇
//いたことがある。これは「たべる」を四段の形式に類推した...
//國語の動詞は四段活用のものが特別に多い。從つて未來形も...
//教育の無いものにも之と同じ類推違ひがある。又必ずしも無...
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 96]−−−−...
//はしぱ/\類推違ひが行はれたのである。今日はなほ四段の...
//この類推作用のあらはれ方を法式化して往々言語學者は方程...
//
//と云ふやうにする。これを創めた人がHermann Pa...
// これは類推の行はれた過程を説明する便宜に供するもので...
//われノ\はこの比例式の根抵にある心理作用を知れば良い。...
//文法の變遷.一九一
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 97]−−−−...
//文法一九二
//に一定の定義をみとめる。さうして否定をあらはす時は「動...
//用ひるし、又「置く」といふ動詞は「おかない」「おいた」...
//果、「……かない」「…−いた」「−…く」と云ふ形が語幹とは別...
//意義素と形態素とは無意識に分解される。その結果は「解く...
//「解かない」「解いた」「解く」と云ふやうに用ひる。進ん...
//、”、〈」
//二函
//:嘲葎耋
//§&8
//聽聽8
//口”!}
//心砕々(嬾)
//一心(黐)
//サ心(漏)
//語尾を意義素に一定の意味を加へるものと云ふ意識が出來て...
//て漢語の名詞から新しく動詞を作り出す譯も分つてくる。
//梅花かほよきうなゐどもかぎりなくさうぞかせて(うつぼ)
//裳唐衣などこはノ\しくさうぞきて(枕草孑)
//は「装束」から「さうぞく」といふ動詞が出來たのである。
//御顔はいろノ\にさいしき給ひて(榮花)
//イクラ五色二彩シクトモ地力白テコソ盡ハキツカト見ヘウス...
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 98]−−−−...
//皮キレ木キレヲサイシイテシタ者ソ(蒙求抄八)
//は「彩色」から「さいしく」と云ふ動詞が出來たのである。
//束帯・敵對が「そくたふ」「てきたふ」のやうにハ行四段と...
//|本《ホンノち》々に束帶うたが(天草本平家)
//平家に敵對はれた(同)
//比例式の左の項にあたるものは、話手が一定の成分の存在及...
//此例式であらはされる類推作用は、實は極めて複雜なものを...
//妄りに單純な形にあらはすのは、誤解を生ずるもとであると...
//語の連體形が終止形と同一になつたことは、わが活用體系の...
//あるが、それを比例式にあらはすと
//”〈誦刪”諳…”〈”計心ぴ\天品聽賛”丶穴計−心ぴ
//文法の變遷一九三
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 99]−−−−...
//文法一九四
//となるが、「落つる水」「水落つる」と云ふ時に、四段の形...
//(一帚併く一”〈】帚”丶ア欹へ)”88”譏”’心丶穴)
//と云ふ類推も考へられる。それが反對になつて連體形が終止...
//國語の動詞の活用體系の根抵に在るものは母一音變化の原理...
//春野のおはぎ摘みてくるらし(古今六帖)
//夕されぱ螢よりけに燃ゆるとも(寛平御時后宮歌合)
//つゆ年ふるべくもあらず(和泉式部日記).
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 100]−−−...
//常よりも物あはれに覺ゆる(同)
//つとめて(歌)などきこゆる(同)
//まいておとがひほそく愛敬おくれたらむ人はあいなうかたき...
//火をけのはたにあしをさへもたげてものいふまゝにおしすり...
//これは一端を舉げたに過ぎない。かう云ふ傾向が早くからあ...
//考へなければならない。それ故にこの形態變化には終止連體...
//ひないが、單に四段の類推でこの變化が起つたと云ふ亠なら...
//の變遷は極めて高度の四段の類推によるものである。良變の...
//と云ふだけが違ふ。それだから動詞中もつとも早く四段に轉...
//世|居東《レリ》斎諸賢|處之《ヲレリ》
//又「とりかへばや物語」に
//}
//おろかなるものに思し召しなさるゝもげにことわりに侍る
//の如きものがある。
//比例式の右の項に属するものは少數で話す人の記憶表象とし...
//その爲に全く四段活用に類推して「る・れ」語尾を放棄して...
//文法の一九五
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 1]−−−−−...
//文法一九六
//次に類推に由つて同化されるものは劣勢で同化するものは優...
//出家をとらまへて(狂言悪坊)
//童どもがそのま、寄つてとらまへた(天草本伊曾保)
//悪七兵衛はとらまへられて(天草本平家)
//同じ遖程で活用の作り變へられることが少くない。「おはす...
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 2]−−−−−...
//爾樣の活用を持つ語であると云ふ説もある。余は兩樣の活用...
//四段に活くものと下二段に活くものとが何時かあっ旋やうだ...
//としてあらはれてゐたと云ふのが正しいと思ふ。
//さし↓すすせせ
//\〆
//せせすする↓すれ↓せ
//助動詞の接續の仕方を考へると、過去の「き」「し」「しか...
//もなければ、「おはせき」(下二段の習慣)もなく、唯左變...
//せしか」であり、「き」は「おはしき」のみである。
//類推が文の構成に働くことも無論ある筈で、人は多くの語彙...
//式に至つてはその構造の千差萬別を皆記憶してつかふと云ふ...
//ます」とか「行つてまゐります」「麟りました」と云ふやう...
//の少い人でも自分の嘗て聞いたことだけを話すことはあり得...
//を變へて新しい組合せを取つてあらはれるのが一般である。...
//て或陣は「そんな必要はありません」と云ふやうな文が作ら...
//刪〜品小←坤”一耳餤ご蝉し吁}”良’嬾∴臼聴”小さ洋良’爐品莇...
//文法の變遷一九七
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 3]−−−−−...
//文法,一九八
//類推作用は文をはなす上にも常にあらはれるものだから、類...
//標語「吾人は須く現代を超越せざるべからず」は「吾人は須...
//べからず」といふ二つの文のコンタミネイションである。
//御かたち身のざえ心もちひょりはじめて、人がら世のおぼえ...
//あるべき身ならぬに(とりかへばや物語)
//と云ふ構成は「何事かはあかぬ事あるべきに」と云ふ文と「...
//した結果出來たものである。
//こちとは年中商費で大ぶんの金を出し大勢女郎をまはす身が...
//「こちとは年中商費で大ぶんの金を出し大勢女郎をまはす身...
//女郎をまはす身がその手をくはふと思やるか」と云ふ文とが...
//四
//第二に形態素が變化してその意味を十分にあらはせなくなる...
//する要求があらはれ、之にょる形態變化を生ずる。音韻變化...
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 4]−−−−−...
//の形が無くなつたりすることがある。その時は外のそれに代...
//形態素が亡びて行くと、他の獨立の觀念語を形式語たらしめ...
//9と云ふ動詞がじ○若ロ。。0叱の9のやうに助動詞となり、ド...
//巴畠≦害口8のやうに用ひられたのも、古代の英語、ドイツ語...
//素の乏しくなつた爲である.フランス語で目0易(心)から出...
//詞を作り出したのも同じ現象である。國語で時の助動詞は古...
//もつとも早く亡び「ぬ」がついで亡びた。「つ」は室町時代...
//らう」のやう亠な複合の形に少し殘つて、今は「た」が過去...
//はしたり、存在繼績態をあらはすには不自由になつた。その...
//とか存在繼績態の「てゐる」「てをる」とか、方言形の「と...
//動詞化したものである。
//古代語に於ては未來の云ひ方は動詞の未然形に「む」と云ふ...
//り「う」となり、室町時代には四段活用、下二段活用、加行...
//桓公ヲ殺サフト|云テ(史記抄三)
//市中テ斬ステウソ(|同四)
//文法の一九九
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 5]−−−−−...
//文法二○○
//糧食ハアトニモチテコウソ(|同一二)
//カウシテ|報セウトシタレハ(|同三)
//と云ふやうなオ列長音もしくは拗曇音の未來形を生じ、上一...
//春力秋力其生マレ時分二外ニイフ(|居う)トテ(史記抄一...
//吾レサキニ死テ以前ノナサケニムクユウトスルソ|同三)
//のやうにウ列拗長音になつたが、前者のやうな形が動詞全體...
//「亡びよう」と云ふ形を生じた。これも當時の切支丹文獻に
//試みよう888ヨ5見よう誉一〇生きよう5&出で來よう=88
//と記してゐるやうに「よう」と云ふ濁立の助動詞があつたの...
//かうレて音韻變化の結果形態素が衰ヘ、動詞の語幹と融合し...
//「ん」のやうな獨立の助動詞が動詞の未然形に接績して未來...
//ない。室町時代に
//千人ノ僧ノ中テ、大悟シタラウス|人一人ニ布施ヲセウス(...
//百丈|云ハウズ|事力,元フテサヤウニ云ハル・力(碧巌抄...
//名乘ラズ共頸ヲ取テ人ニトヘ,|見知ラウスルソトゾ|宣ヒ...
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 6]−−−−−...
//と云ふやうな形がさかんに用ひられてゐるのは、表現力を補...
//ものに匙遅刪)払仏い。.
//この傾向はすでに平安朝時代に「む」が「ん」に變化した時...
//彼のもとの國よりむかへに人々まうで來むず(|竹取)
//此歌ぬし又まからむずといひて|立ちぬ(土佐)
//のやうな例があり、引績き院政鎌倉時代にも
//此ヲ取テ|艷《エモイハ》ズ調美シテ平茸ゾト云テ、此別當...
//此姫君をさしもなからんずる|下衆に盜ませばや(佳吉物語)
//と云ふ多少の例がある。「ん」が「う」になつてから、その...
//江戸時代に「うずれ」と云ふ形が「う」といふよりも表現力...
//抄」の中に
//た!し何めとよむ歌、おほくむかへたる詞あらはなるものな...
//てウズレと心うるもよし(何めの條)
//と説明して居ることでも窺はれる。
//次に奈良朝時代に形容詞として後世と同じく「く,く、し、...
//文法の變遷二○一
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 7]−−−−−...
//文法二〇二
//つたが、已然形の「けれ」「しけれ」は發達不完全で、たマ...
//(萬五)「かへしやる使なければ」(萬一五)が見えるが、...
//は現れず、.「こそ」の結びは連體形により
//己が妻こそ常めづらしき(萬二)
//野を廣み葉こそ繁き(萬一七)
//と云ふ現し方であつた。そのかはりに別に未然形、已然形に...
//「しか」と云ふ形があつた。
//しが無けばあたら掛けむよあたら墨縄(紀)
//戀しけば來まぜわが夫子(萬一四)
//玉桿の道の遠けば(萬一七)
//玉きはる命惜しけど(萬一七)
//川上の川榛の木の疎けども(琴歌譜)
//わかれなばうら悲しけむ(萬一五)
//見ずかなりなむ戀しけまくに(萬九)
//妹にこひつゝすべ無けなくに(萬一五)
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 8]−−−−−...
//と云ふにやうに「ば」にマく未然形,「ば」「ども」にマく...
//然るに平安朝に入ると共に「く,く、し、き、けれ」「しく...
//形容詞の活用が久活・志久活に統一されたのが類推作用の結...
//も奈良朝時代に見たやうな種々の助動詞に接續される用法を...
//のあらはれたのは.こゝに原因がある。すなはち「あり」を...
//じ形態を作り出し、動詞と同じ助動詞につら亠なることを許...
//語法變遷の遏程は種々複雜で實際上その説明は容易でないが...
終了行:
小林好日『国語学の諸問題』
小林好日
http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/PDF/kobayasi_yosiha...
パウルの比例式 Pauls' Proportion For...
//文法の變遷
//文には二種の成分があり、一方には對象とその麝性の概念を...
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 84]−−−−...
//入が始めて話し出した時に、複雜な經験を言語の範曦化のた...
//文法の變遷缶一七九
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 85]−−−−...
//文決一八○
//偶然としか考へられない。
//富士谷成章が「脚結抄」に次の如く云つてゐるのは、經驗が...
//名をもて物をことわり、装をもて事をさだめ、插頭脚結をも...
//叉日あめつちのことだまは、ことわりをもちてしづかにたて...
//各國語にあらはれてゐる語の意義を比べて見ると、殆どすべ...
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 86]−−−−...
//る。「山」「川」「水」「木」とか「白い」「黒、い」「塞...
//文法の變遷.一八一
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 87]−−−−...
//文法’八二
//文法的範疇は經驗的の言語素材かち抽出して法則化するを得...
//二
//文法家が各時代の文法的範疇を法則化して之を比較して見る...
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 88]−−−−...
//化したと云ふ。これを文法の變遷と云ふ。
//形態素の變化は不規則で音韻體系の變化とは大に趣がちがふ。
//春庭が「詞のやちまた」に中古の動詞の活用を體系化すると...
//さるは紳代よりおのづからさだまりありて今の世に至るまで...
//と云つて、四段、一段、中二段、下二段の四種に分類し整然...
//と云つてゐるが、後に義門が周到に調査した結果は、必ずし...
//大日本國語辭典にも「たとふ」を四段にも墨げ「この語の活...
//文法の憂邏,一八三
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 89]−−−−...
//文法一一八四
//存しおく」と斷つてゐる。「亠なぞらふ」も一般に下二段で...
//然しこの二つの體系の變化には大きい相違がある。音韻が語...
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 90]−−−−...
//の方が勢力を占めて居り、この動詞は
//綸言ヲ|奉《ウケタマハ》ル職事ハ極テ恐リ思ヒケレドモ(...
//御國いみじくおそり給ひけりとなん(字治拾遺)
//のやうに院政鎌倉時代までも及んでゐる。「,忘る」といふ...
//忘らる\(身をば思はずちかひてし(大和物語)
//人に忘られて(後撰春上)
//佗しさの千種の數も忘られぬべし(竹取物語)
//の如き皆四段で、この種のものを「口語法別記」に「忘れら...
//れて居たと云ふ先入見からその説明法を誤つてゐるのである...
//つて居るのだが、新古今序に「耳をたふとむる餤り」と云ふ...
//はれるであらうが、それよりずつと後の「恨名がき論語」に
//くんしのたつとふると辷ろのみちみつ(泰伯篇)
//とくをたつとふるにあらすや(顔淵篇)
//とくをたつとふるか亠な、かくのごとき入(憲問篇).
//叉室町時代の「史記抄」にも
//文法の變遷一八五
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 91]−−−−...
//嚢
//文法ー一八六
//南容ヨリ公治長ヲ貴ビラレタ歟(一〇)
//と云ふのがある。
//動詞によつて遲いのと早いのと變遷は新古さまく\である。...
//の形で行はれたが、「かくる」は「青山に日がかくらば」(...
//ぬほどに」(萬一四)の如く毓に下二段になつて居り、丞....
//のさかりにとじみかね」(萬五)「よのことなればと!みか...
//めむ」(萬一四)、フしゝだくに君が見せむとわれをとマむ...
//は奈良朝時代四段で「生けるしるしあり」(萬一八)、平安...
//はじめとして四段であるが、院政時代にやつと上二段になつ...
//らきや」と云ふのが平安朝時代の例である。この異例が個人...
//のやうに形態素の變化は極めて不規則なもので、どの時代の...
//に遭ふのである。
//三
//形態變化を支配する傾向の第一は複雜を避けて簡單につき齔...
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 92]−−−−...
//り、もう一つは文法的形式を明かにし意味を確かにしようと...
//蕪推作用は言語の形態變化の根柢にある最も力強い働である...
//語彙文法形式さては語の連結いろくの文を子供のときから心...
//してゐるか分らない。それらは雜然として何らの秩序もなく...
//或ものを意識に再現する時には之に類似を有する他のものが...
//ばおぼえる程、それらは何らかの類似に由つて種々の聯想を...
//形の類似で聯想するものもあり、意味の類似で聯想して居る...
//もあり、聯想群のそれ八\は孤立して居るので亠なく、大き...
//助動詞の「れる」を件つて.ゐることによつて聯想群をなし...
//「求められる」と「報いられる」「起きられる」「強ひられ...
//身を現す動詞として聯想さ”て居り、此の聯想群の中で前者と...
//活用連語として大きた聯想群を形作つてゐるー「せる」とか...
//,てゐる活用連語の上にも之と似た聯想群が出來てゐる。と...
//文法の變遷−一八七
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 93]−−−−...
//文法一八八
//る」と「行かせる」「押させる」「待たせる」「呼ばせる」...
//未然に連つて出來た活用連語といふ類似で聯想して居り、そ...
//といふ動詞につらなつてゐるといふ類似で一層密接な聯想を...
//こゝに言葉に規則が出來る。受身をあらはすには四段活用に...
//四段活用に屬する動詞は極めて多數である。之に魘する箇々...
//要するにわれノ\の心の中には、動詞でも形容詞でも乃至は...
//型を作り出してゐるのであつて、われノ\が絶えず動詞を聞...
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 94]−−−−...
//てこの模型を嘗てはめて自餅的に種々なる語形變化を作る。...
//思つて居り、かうして作つた形は意味を博へる上に何の妨も...
//聞く人も亦自分が語ればそれと同じ形を作ると思つてゐる。...
//て、われわれが經驗するすべての言葉を處理してゆくのが類...
//3
//この原理は言語活動の上に常に働いて止まない。言語の匿史...
//子供が言語習得の時期に語形をおぼえて行く働は畢竟類推作...
//文法の變遷一八九
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 95]−−−−...
//文法肇一九〇
//いたことがある。これは「たべる」を四段の形式に類推した...
//國語の動詞は四段活用のものが特別に多い。從つて未來形も...
//教育の無いものにも之と同じ類推違ひがある。又必ずしも無...
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 96]−−−−...
//はしぱ/\類推違ひが行はれたのである。今日はなほ四段の...
//この類推作用のあらはれ方を法式化して往々言語學者は方程...
//
//と云ふやうにする。これを創めた人がHermann Pa...
// これは類推の行はれた過程を説明する便宜に供するもので...
//われノ\はこの比例式の根抵にある心理作用を知れば良い。...
//文法の變遷.一九一
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 97]−−−−...
//文法一九二
//に一定の定義をみとめる。さうして否定をあらはす時は「動...
//用ひるし、又「置く」といふ動詞は「おかない」「おいた」...
//果、「……かない」「…−いた」「−…く」と云ふ形が語幹とは別...
//意義素と形態素とは無意識に分解される。その結果は「解く...
//「解かない」「解いた」「解く」と云ふやうに用ひる。進ん...
//、”、〈」
//二函
//:嘲葎耋
//§&8
//聽聽8
//口”!}
//心砕々(嬾)
//一心(黐)
//サ心(漏)
//語尾を意義素に一定の意味を加へるものと云ふ意識が出來て...
//て漢語の名詞から新しく動詞を作り出す譯も分つてくる。
//梅花かほよきうなゐどもかぎりなくさうぞかせて(うつぼ)
//裳唐衣などこはノ\しくさうぞきて(枕草孑)
//は「装束」から「さうぞく」といふ動詞が出來たのである。
//御顔はいろノ\にさいしき給ひて(榮花)
//イクラ五色二彩シクトモ地力白テコソ盡ハキツカト見ヘウス...
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 98]−−−−...
//皮キレ木キレヲサイシイテシタ者ソ(蒙求抄八)
//は「彩色」から「さいしく」と云ふ動詞が出來たのである。
//束帯・敵對が「そくたふ」「てきたふ」のやうにハ行四段と...
//|本《ホンノち》々に束帶うたが(天草本平家)
//平家に敵對はれた(同)
//比例式の左の項にあたるものは、話手が一定の成分の存在及...
//此例式であらはされる類推作用は、實は極めて複雜なものを...
//妄りに單純な形にあらはすのは、誤解を生ずるもとであると...
//語の連體形が終止形と同一になつたことは、わが活用體系の...
//あるが、それを比例式にあらはすと
//”〈誦刪”諳…”〈”計心ぴ\天品聽賛”丶穴計−心ぴ
//文法の變遷一九三
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 99]−−−−...
//文法一九四
//となるが、「落つる水」「水落つる」と云ふ時に、四段の形...
//(一帚併く一”〈】帚”丶ア欹へ)”88”譏”’心丶穴)
//と云ふ類推も考へられる。それが反對になつて連體形が終止...
//國語の動詞の活用體系の根抵に在るものは母一音變化の原理...
//春野のおはぎ摘みてくるらし(古今六帖)
//夕されぱ螢よりけに燃ゆるとも(寛平御時后宮歌合)
//つゆ年ふるべくもあらず(和泉式部日記).
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 100]−−−...
//常よりも物あはれに覺ゆる(同)
//つとめて(歌)などきこゆる(同)
//まいておとがひほそく愛敬おくれたらむ人はあいなうかたき...
//火をけのはたにあしをさへもたげてものいふまゝにおしすり...
//これは一端を舉げたに過ぎない。かう云ふ傾向が早くからあ...
//考へなければならない。それ故にこの形態變化には終止連體...
//ひないが、單に四段の類推でこの變化が起つたと云ふ亠なら...
//の變遷は極めて高度の四段の類推によるものである。良變の...
//と云ふだけが違ふ。それだから動詞中もつとも早く四段に轉...
//世|居東《レリ》斎諸賢|處之《ヲレリ》
//又「とりかへばや物語」に
//}
//おろかなるものに思し召しなさるゝもげにことわりに侍る
//の如きものがある。
//比例式の右の項に属するものは少數で話す人の記憶表象とし...
//その爲に全く四段活用に類推して「る・れ」語尾を放棄して...
//文法の一九五
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 1]−−−−−...
//文法一九六
//次に類推に由つて同化されるものは劣勢で同化するものは優...
//出家をとらまへて(狂言悪坊)
//童どもがそのま、寄つてとらまへた(天草本伊曾保)
//悪七兵衛はとらまへられて(天草本平家)
//同じ遖程で活用の作り變へられることが少くない。「おはす...
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 2]−−−−−...
//爾樣の活用を持つ語であると云ふ説もある。余は兩樣の活用...
//四段に活くものと下二段に活くものとが何時かあっ旋やうだ...
//としてあらはれてゐたと云ふのが正しいと思ふ。
//さし↓すすせせ
//\〆
//せせすする↓すれ↓せ
//助動詞の接續の仕方を考へると、過去の「き」「し」「しか...
//もなければ、「おはせき」(下二段の習慣)もなく、唯左變...
//せしか」であり、「き」は「おはしき」のみである。
//類推が文の構成に働くことも無論ある筈で、人は多くの語彙...
//式に至つてはその構造の千差萬別を皆記憶してつかふと云ふ...
//ます」とか「行つてまゐります」「麟りました」と云ふやう...
//の少い人でも自分の嘗て聞いたことだけを話すことはあり得...
//を變へて新しい組合せを取つてあらはれるのが一般である。...
//て或陣は「そんな必要はありません」と云ふやうな文が作ら...
//刪〜品小←坤”一耳餤ご蝉し吁}”良’嬾∴臼聴”小さ洋良’爐品莇...
//文法の變遷一九七
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 3]−−−−−...
//文法,一九八
//類推作用は文をはなす上にも常にあらはれるものだから、類...
//標語「吾人は須く現代を超越せざるべからず」は「吾人は須...
//べからず」といふ二つの文のコンタミネイションである。
//御かたち身のざえ心もちひょりはじめて、人がら世のおぼえ...
//あるべき身ならぬに(とりかへばや物語)
//と云ふ構成は「何事かはあかぬ事あるべきに」と云ふ文と「...
//した結果出來たものである。
//こちとは年中商費で大ぶんの金を出し大勢女郎をまはす身が...
//「こちとは年中商費で大ぶんの金を出し大勢女郎をまはす身...
//女郎をまはす身がその手をくはふと思やるか」と云ふ文とが...
//四
//第二に形態素が變化してその意味を十分にあらはせなくなる...
//する要求があらはれ、之にょる形態變化を生ずる。音韻變化...
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 4]−−−−−...
//の形が無くなつたりすることがある。その時は外のそれに代...
//形態素が亡びて行くと、他の獨立の觀念語を形式語たらしめ...
//9と云ふ動詞がじ○若ロ。。0叱の9のやうに助動詞となり、ド...
//巴畠≦害口8のやうに用ひられたのも、古代の英語、ドイツ語...
//素の乏しくなつた爲である.フランス語で目0易(心)から出...
//詞を作り出したのも同じ現象である。國語で時の助動詞は古...
//もつとも早く亡び「ぬ」がついで亡びた。「つ」は室町時代...
//らう」のやう亠な複合の形に少し殘つて、今は「た」が過去...
//はしたり、存在繼績態をあらはすには不自由になつた。その...
//とか存在繼績態の「てゐる」「てをる」とか、方言形の「と...
//動詞化したものである。
//古代語に於ては未來の云ひ方は動詞の未然形に「む」と云ふ...
//り「う」となり、室町時代には四段活用、下二段活用、加行...
//桓公ヲ殺サフト|云テ(史記抄三)
//市中テ斬ステウソ(|同四)
//文法の一九九
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 5]−−−−−...
//文法二○○
//糧食ハアトニモチテコウソ(|同一二)
//カウシテ|報セウトシタレハ(|同三)
//と云ふやうなオ列長音もしくは拗曇音の未來形を生じ、上一...
//春力秋力其生マレ時分二外ニイフ(|居う)トテ(史記抄一...
//吾レサキニ死テ以前ノナサケニムクユウトスルソ|同三)
//のやうにウ列拗長音になつたが、前者のやうな形が動詞全體...
//「亡びよう」と云ふ形を生じた。これも當時の切支丹文獻に
//試みよう888ヨ5見よう誉一〇生きよう5&出で來よう=88
//と記してゐるやうに「よう」と云ふ濁立の助動詞があつたの...
//かうレて音韻變化の結果形態素が衰ヘ、動詞の語幹と融合し...
//「ん」のやうな獨立の助動詞が動詞の未然形に接績して未來...
//ない。室町時代に
//千人ノ僧ノ中テ、大悟シタラウス|人一人ニ布施ヲセウス(...
//百丈|云ハウズ|事力,元フテサヤウニ云ハル・力(碧巌抄...
//名乘ラズ共頸ヲ取テ人ニトヘ,|見知ラウスルソトゾ|宣ヒ...
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 6]−−−−−...
//と云ふやうな形がさかんに用ひられてゐるのは、表現力を補...
//ものに匙遅刪)払仏い。.
//この傾向はすでに平安朝時代に「む」が「ん」に變化した時...
//彼のもとの國よりむかへに人々まうで來むず(|竹取)
//此歌ぬし又まからむずといひて|立ちぬ(土佐)
//のやうな例があり、引績き院政鎌倉時代にも
//此ヲ取テ|艷《エモイハ》ズ調美シテ平茸ゾト云テ、此別當...
//此姫君をさしもなからんずる|下衆に盜ませばや(佳吉物語)
//と云ふ多少の例がある。「ん」が「う」になつてから、その...
//江戸時代に「うずれ」と云ふ形が「う」といふよりも表現力...
//抄」の中に
//た!し何めとよむ歌、おほくむかへたる詞あらはなるものな...
//てウズレと心うるもよし(何めの條)
//と説明して居ることでも窺はれる。
//次に奈良朝時代に形容詞として後世と同じく「く,く、し、...
//文法の變遷二○一
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 7]−−−−−...
//文法二〇二
//つたが、已然形の「けれ」「しけれ」は發達不完全で、たマ...
//(萬五)「かへしやる使なければ」(萬一五)が見えるが、...
//は現れず、.「こそ」の結びは連體形により
//己が妻こそ常めづらしき(萬二)
//野を廣み葉こそ繁き(萬一七)
//と云ふ現し方であつた。そのかはりに別に未然形、已然形に...
//「しか」と云ふ形があつた。
//しが無けばあたら掛けむよあたら墨縄(紀)
//戀しけば來まぜわが夫子(萬一四)
//玉桿の道の遠けば(萬一七)
//玉きはる命惜しけど(萬一七)
//川上の川榛の木の疎けども(琴歌譜)
//わかれなばうら悲しけむ(萬一五)
//見ずかなりなむ戀しけまくに(萬九)
//妹にこひつゝすべ無けなくに(萬一五)
//−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−[End of Page 8]−−−−−...
//と云ふにやうに「ば」にマく未然形,「ば」「ども」にマく...
//然るに平安朝に入ると共に「く,く、し、き、けれ」「しく...
//形容詞の活用が久活・志久活に統一されたのが類推作用の結...
//も奈良朝時代に見たやうな種々の助動詞に接續される用法を...
//のあらはれたのは.こゝに原因がある。すなはち「あり」を...
//じ形態を作り出し、動詞と同じ助動詞につら亠なることを許...
//語法變遷の遏程は種々複雜で實際上その説明は容易でないが...
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