小田切良知「明和期江戸語について」
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――その上方的傾向の衰退
[[小田切良知]]
1943
明和期江戸語
『国語と国文学』20-8,9,11
https://app.box.com/s/2tbx7vf1tvaq04ogm8gaobhogailgfue
>>
一、江戸語發始の時期としての明和期
その資料
咄本の資料としての價値についての檢討
二、江戸語の本質-東西方言の對峙競爭
ダ・カラについて 【だ】【から】
三、
指定のダ・ジャの對峙 【だ】【じゃ】
形容詞の連用形のウ音便形とク形との對峙
理由表現のカラとニヨッテ・ホドとの對峙 【によって】【...
ハ行四段動詞の連用形の促音便とウ音便との對峙
打消のナイ・ヌの對峙 【ない】【ぬ】
四、右以外の對峙について
未來の言ひ方
(一)下一段 (二)加變 (三)左變
命令の言ひ方
(四)上一段 (五)下一段 (六)加變 (七)左變
活用の形について
(八)讀ませたと讀ました
五、結論
六、明和期洒落本の口語資料としての價値の檢討
七、鷄肋録
<<
http://uwazura.seesaa.net/article/19950467.html
>>
私は明和期を江戸語の源流として遡り得る最上限だと考へる...
であるから若し吉田氏が右の二書に依つて宝暦まで遡られた...
さて、若しさういふ見方が是認されるとしたならば、江戸語...
所で明和期を江戸語の出発点とするとして何処までの時代を...
さて私の扱ふのはこの甲期である。江戸語形成の最先頭に立...
資料は洒落本による。
明和六年 郭中奇譚(日岡先生)
〃 七年 遊子方言(田舎老人多田爺)
〃 〃 辰巳之園(夢中散人)
〃 八年 両国栞 (丹波助之亟)
両国栞は従来天明三年刊であるが、今洒落本大系の解題に依...
笑話本として
安永元年 (十一月改元) 鹿子餅(山風) 楽牽頭()
聞上手(百亀)
に依る。洒落本は洒落本大系と徳川文芸類聚とに拠り、笑話本...
尚同一人の書であるから、安永二年の聞上手二簾、同三年の...
宝暦期の資料としては、前述の男伊逹初買曽我や伊藤単朴の...
× × × × ×
洒落本と咄本との資料としての価値比較=洒落本も咄本も同...
咄本の資料として信憑性は、端的にいつて、洒落本に劣るや...
一、咄本の記述体裁はこの期に始めてはじまつたものでなく...
二、従つて、洒落本が会話・会話と畳み込んで場面や筋の展...
三、のみならず、具体的には地の文か対話の部分か判別のつ...
一例「なんぼ馬鹿でも十七なれば もう。袖とめてやつたが...
の冒頭の文句等。(鹿子餅馬鹿娘)
四、それと関連して間接話法と直接話法との混乱といふ事実...
その一例 人相の悪いのが大きに気に入り、「給金は望...
後者の一例 近所の衆、打寄り「お前様は名に負ふ四天...
どうぞ御先祖の高名をば、承りたし」といへば、(聞上手 ...
尚会話体自身の中に明らかに文章語と認むべきものの混...
「九損一徳、何の役にたたぬ芸、向後ふつつりやむべし鞠が
あれば蹴たくなる その鞠うつちやつてしまへ」(鹿子餅 ...
但し地の文と見るなら別である。その時は三の例に入らう。
五、かくて所詮、咄本は実演する場合の脚本といふより、や...
所詮、咄本は読んで面白い本であり、文字に引きつけられる...
但しこれに明和期の咄本についてのみの立言である。時代が...
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――その上方的傾向の衰退
[[小田切良知]]
1943
明和期江戸語
『国語と国文学』20-8,9,11
https://app.box.com/s/2tbx7vf1tvaq04ogm8gaobhogailgfue
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一、江戸語發始の時期としての明和期
その資料
咄本の資料としての價値についての檢討
二、江戸語の本質-東西方言の對峙競爭
ダ・カラについて 【だ】【から】
三、
指定のダ・ジャの對峙 【だ】【じゃ】
形容詞の連用形のウ音便形とク形との對峙
理由表現のカラとニヨッテ・ホドとの對峙 【によって】【...
ハ行四段動詞の連用形の促音便とウ音便との對峙
打消のナイ・ヌの對峙 【ない】【ぬ】
四、右以外の對峙について
未來の言ひ方
(一)下一段 (二)加變 (三)左變
命令の言ひ方
(四)上一段 (五)下一段 (六)加變 (七)左變
活用の形について
(八)讀ませたと讀ました
五、結論
六、明和期洒落本の口語資料としての價値の檢討
七、鷄肋録
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http://uwazura.seesaa.net/article/19950467.html
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私は明和期を江戸語の源流として遡り得る最上限だと考へる...
であるから若し吉田氏が右の二書に依つて宝暦まで遡られた...
さて、若しさういふ見方が是認されるとしたならば、江戸語...
所で明和期を江戸語の出発点とするとして何処までの時代を...
さて私の扱ふのはこの甲期である。江戸語形成の最先頭に立...
資料は洒落本による。
明和六年 郭中奇譚(日岡先生)
〃 七年 遊子方言(田舎老人多田爺)
〃 〃 辰巳之園(夢中散人)
〃 八年 両国栞 (丹波助之亟)
両国栞は従来天明三年刊であるが、今洒落本大系の解題に依...
笑話本として
安永元年 (十一月改元) 鹿子餅(山風) 楽牽頭()
聞上手(百亀)
に依る。洒落本は洒落本大系と徳川文芸類聚とに拠り、笑話本...
尚同一人の書であるから、安永二年の聞上手二簾、同三年の...
宝暦期の資料としては、前述の男伊逹初買曽我や伊藤単朴の...
× × × × ×
洒落本と咄本との資料としての価値比較=洒落本も咄本も同...
咄本の資料として信憑性は、端的にいつて、洒落本に劣るや...
一、咄本の記述体裁はこの期に始めてはじまつたものでなく...
二、従つて、洒落本が会話・会話と畳み込んで場面や筋の展...
三、のみならず、具体的には地の文か対話の部分か判別のつ...
一例「なんぼ馬鹿でも十七なれば もう。袖とめてやつたが...
の冒頭の文句等。(鹿子餅馬鹿娘)
四、それと関連して間接話法と直接話法との混乱といふ事実...
その一例 人相の悪いのが大きに気に入り、「給金は望...
後者の一例 近所の衆、打寄り「お前様は名に負ふ四天...
どうぞ御先祖の高名をば、承りたし」といへば、(聞上手 ...
尚会話体自身の中に明らかに文章語と認むべきものの混...
「九損一徳、何の役にたたぬ芸、向後ふつつりやむべし鞠が
あれば蹴たくなる その鞠うつちやつてしまへ」(鹿子餅 ...
但し地の文と見るなら別である。その時は三の例に入らう。
五、かくて所詮、咄本は実演する場合の脚本といふより、や...
所詮、咄本は読んで面白い本であり、文字に引きつけられる...
但しこれに明和期の咄本についてのみの立言である。時代が...
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