岡島昭浩「「はまおき」解題」
をテンプレートにして作成
[
トップ
] [
新規
|
一覧
|
検索
|
最終更新
|
ヘルプ
|
ログイン
]
開始行:
岡島昭浩
>>
「はまおき」解題
一
ここに影印を掲載する『はまおき』 所謂「久留米浜荻」ある...
『はまおき』の著者は久留米藩の儒者、野崎教景(嘉永5年、3...
・野崎平八郎教景はかなり有名な人物で、たとえば近年刊の『...
野崎教景の編著書は『はまおき』活字本(後述)所載の原著者...
二
ここに影印する九州大学文学部国語学国文学研究室蔵の写本...
さてここに掲載する九大本は、奥書に記すとおり、黒岩氏寄...
さて、「本文二段書」に関して活字本の凡例に、
>>
詞の配置 原本は大抵一行二段詰であつたのを、検索の便を...
<<
とある。活字本に写真のある「い」の部を活字本の本文と比較...
なお、イロハ順の本書が、「ミ」までで「シ」「ヒ」「モ」...
他に活字本は振り仮名を多く欠き、特殊な字には活字を当て...
しかし九大本も転写本であるため、活字本のほうがまさって...
>>
原本に朱記してあつた字句は、総てゴシック体の活字を以て...
<<
とある。九大本と県図本一丁表を比べると「いろくる」の項「...
また、活字本・九大本ともに著者の意図とは異なる形をとっ...
>>
--かたはらに如此したるはつめていふ言葉也 せっかくの類
<<
とあるが、これは捉音だけではなく、拗音長音にも付されるも...
全ての面で活字本と九大本の対校を示すことができればよい...
三
さて、『はまおき』の本文中には様々な書名が見える。漢籍...
貝原好古、元禄七年刊『倭爾雅』(注10)は『はまおき』本文...
同じく貝原好古、『諺草』(注11)は本文中で1ウ・13ウ・26オ...
1ウ「いつかくる」枕・源氏ともに『諺草』巻一「いかけ」(...
孫引ということではないが、記述をそのまま引いているもの...
蔀遊燕、元禄四年刊『漢語大和故事』(注12)は21ウ「つけだ...
この三書によるものを除くと、残るのは以下のもののみであ...
一々を挙げたのは、『はまおき』中の文をもって「近世後期...
四
「久留米浜荻」と称される本書であるが、凡例に「本文は西...
松田正義氏の追跡研究に示された残存率は、現在の久留米方...
さて、本書の西国語はイロハ順になっているので索引は不要...
あくさいひろぐる 37ウ下 あくさいうつ
いか*をあぐる 38ウ さいれうする
いしづく* 9オ下 とうがき
いづる* 1オ いたぐらめ
いや* 29オ やな
いんがり* 11オ りゃんとした
ウステヽ 26オ上 うしてゝ
エイシコロ 18オ上 よかしこ
をい丈 14オ上 をいわらう
おゝけのないもの 13オ上 をゝけあるもの
ヲトウラウ 14オ下 をとゝざへ
をりいさき 13ウ上 をりい
おろきるる 13オ上 をろよい
おろ見える 13オ上 をろよい
カイマゼクル 16ウ下 かいまぜる
かど 16ウ下 かどいし
きりいもがめいも 39オ上 ぎりにもがまにも
くうず 33オ こうず
くうづ 21オ つうほす
ぐざづら 28オ下 ぐざ
ケイ(来い) 10オ上 ちう
こうひな* 6ウ ほうざい
かうらわらう 16オ かわとの
子ヂウノ 10ウ ちうの
こぜん 33ウ ごんぜん
こまい* 21オ つゞ
こらへ/\ 33オ上 こらい/\
ころりごっと 33ウ上 ごろそうまくり
さるく* 4オ はってゆく
じみ 8オ とうじみ
すみとうら 8オ とうら
膳はへ 33ウ ござはへ
ぞうぐりい 20オ下 ぞうぐるい
ぞうのきりちきりわく 20オ上 ぞうのわく
竹をうこ 13ウ をうこ
だりてい 19オ下 だりたい
つきなこと 21ウ上 つきもろうしもないこと
ツンナウテ 21オ上 つれなうて
テウヅこがい 33オ こがい
手田子 19オ たご
照うごと 33オ ごと
とうがき* 2オ いしづく
とうのまめ* 23オ なつまめ
どをろをこをろを 9オ上 とうろこをろ
とかぎり 8オ上 とかんぎり
ときな* 30オ まんげい
とのゝむま 8オ上 どゞむま
とらする 7オ べんぷうとらする
とわぬ* 21ウ つうともせぬ
どんくゎつ 8ウ どんこう
なごう 33オ ごりょん樣
夏まめ* 8ウ とをのまめ
にがね 5オ下 にがしろ
ぬかどうら 8オ とうら
ぬれりとして 12オ下 ぬっすくめ
ネオゾミ 13オ をぞむ
ねきだれ 27オ上 のきだれ
ねこだ(?) 22オ ねこぶく
ねぶと(?) 5オ にがしろ
ばく 4ウ上 ばくれう
バボウ 4オ上 ばぶう
引かため 16オ かためる
引かろう 16オ かためる
ひこやんぶう(九大本「ひまやんぶう」) 29オ やんぶう
ヒチ 27オ のろ
ヒチリコ 27オ のろ
ふうづう花 6オ ほうぞう花
筆の帽 6ウ ぼし
ふみつぎ(?) 28ウ くらかけ
ふみほいだ 6オ上 ほげた
降ろうごと 33オ ごと
ほうからかす 6オ ほりだす
ほかす(朱筆なれど松田氏調査語) 6オ上 ほりだす
ほからかす(朱筆なれど松田氏調査語) 6オ上 ほりだす
ほさうなった 6オ下 ほそい
まのを 30オ下 まなを
まんげへ* 8ウ ときな
見ぼぎ 6オ上 ほげた
ものいり 16オ かわら
もろこしぬく 33オ上 こしぬく
やさい 29オ上 やさいうり
ヨカバイ 4オ上 ばい
よな 29オ やな
らちもくちもない 24オ上 らちくちもない
わり共 15オ上 わがども
わらう 7オ へいたがき
五
江戸時代の方言書が、そのとりあげた地方の言語だけでなく...
>>
一 朱にて書きたるは関東のいやしき俗言也
<<
とある。ここでは朱で書いたものは一応すべて索引にとった。...
なお、下に記した西国語は、その江戸語が含まれる項目で、あ...
《略》
注
1 もう一人の序者「筑生堂空々」については誰であるかは知...
2 篠原正一氏著、久留米人物誌刊行委員会刊、昭和56年。
3 松田正義氏『古方言書の追跡研究』明治書院、昭和53年所...
4 『日本藝林叢書』11巻12巻。平凡社東洋文庫にも。
5 久留米藩士。明治40年没、76歳。
6 崎村弘文氏「近世末期の文献と方言史研究」文献探究1、九...
7 「音声学協会会報」38号(昭和10.10.10)4頁に東条操氏の書...
8 松田氏著書には記録なしというが、『福岡県立図書館和漢...
9 「音声学協会会報」45号(昭和12年)コトタマ往来(吉町義雄...
10 益軒全集第七巻による。
11 益軒全集第三巻による。
12 マイクロフィルム版『静嘉堂文庫所蔵 古辞書集成』(1986...
13 注6崎村氏論文。
14 松村明氏「江戸語が共通語となるまで」(国文学解釈と観...
15 崎村弘文氏「近世末期方言資料としての『はまおぎ』――現...
<<
終了行:
岡島昭浩
>>
「はまおき」解題
一
ここに影印を掲載する『はまおき』 所謂「久留米浜荻」ある...
『はまおき』の著者は久留米藩の儒者、野崎教景(嘉永5年、3...
・野崎平八郎教景はかなり有名な人物で、たとえば近年刊の『...
野崎教景の編著書は『はまおき』活字本(後述)所載の原著者...
二
ここに影印する九州大学文学部国語学国文学研究室蔵の写本...
さてここに掲載する九大本は、奥書に記すとおり、黒岩氏寄...
さて、「本文二段書」に関して活字本の凡例に、
>>
詞の配置 原本は大抵一行二段詰であつたのを、検索の便を...
<<
とある。活字本に写真のある「い」の部を活字本の本文と比較...
なお、イロハ順の本書が、「ミ」までで「シ」「ヒ」「モ」...
他に活字本は振り仮名を多く欠き、特殊な字には活字を当て...
しかし九大本も転写本であるため、活字本のほうがまさって...
>>
原本に朱記してあつた字句は、総てゴシック体の活字を以て...
<<
とある。九大本と県図本一丁表を比べると「いろくる」の項「...
また、活字本・九大本ともに著者の意図とは異なる形をとっ...
>>
--かたはらに如此したるはつめていふ言葉也 せっかくの類
<<
とあるが、これは捉音だけではなく、拗音長音にも付されるも...
全ての面で活字本と九大本の対校を示すことができればよい...
三
さて、『はまおき』の本文中には様々な書名が見える。漢籍...
貝原好古、元禄七年刊『倭爾雅』(注10)は『はまおき』本文...
同じく貝原好古、『諺草』(注11)は本文中で1ウ・13ウ・26オ...
1ウ「いつかくる」枕・源氏ともに『諺草』巻一「いかけ」(...
孫引ということではないが、記述をそのまま引いているもの...
蔀遊燕、元禄四年刊『漢語大和故事』(注12)は21ウ「つけだ...
この三書によるものを除くと、残るのは以下のもののみであ...
一々を挙げたのは、『はまおき』中の文をもって「近世後期...
四
「久留米浜荻」と称される本書であるが、凡例に「本文は西...
松田正義氏の追跡研究に示された残存率は、現在の久留米方...
さて、本書の西国語はイロハ順になっているので索引は不要...
あくさいひろぐる 37ウ下 あくさいうつ
いか*をあぐる 38ウ さいれうする
いしづく* 9オ下 とうがき
いづる* 1オ いたぐらめ
いや* 29オ やな
いんがり* 11オ りゃんとした
ウステヽ 26オ上 うしてゝ
エイシコロ 18オ上 よかしこ
をい丈 14オ上 をいわらう
おゝけのないもの 13オ上 をゝけあるもの
ヲトウラウ 14オ下 をとゝざへ
をりいさき 13ウ上 をりい
おろきるる 13オ上 をろよい
おろ見える 13オ上 をろよい
カイマゼクル 16ウ下 かいまぜる
かど 16ウ下 かどいし
きりいもがめいも 39オ上 ぎりにもがまにも
くうず 33オ こうず
くうづ 21オ つうほす
ぐざづら 28オ下 ぐざ
ケイ(来い) 10オ上 ちう
こうひな* 6ウ ほうざい
かうらわらう 16オ かわとの
子ヂウノ 10ウ ちうの
こぜん 33ウ ごんぜん
こまい* 21オ つゞ
こらへ/\ 33オ上 こらい/\
ころりごっと 33ウ上 ごろそうまくり
さるく* 4オ はってゆく
じみ 8オ とうじみ
すみとうら 8オ とうら
膳はへ 33ウ ござはへ
ぞうぐりい 20オ下 ぞうぐるい
ぞうのきりちきりわく 20オ上 ぞうのわく
竹をうこ 13ウ をうこ
だりてい 19オ下 だりたい
つきなこと 21ウ上 つきもろうしもないこと
ツンナウテ 21オ上 つれなうて
テウヅこがい 33オ こがい
手田子 19オ たご
照うごと 33オ ごと
とうがき* 2オ いしづく
とうのまめ* 23オ なつまめ
どをろをこをろを 9オ上 とうろこをろ
とかぎり 8オ上 とかんぎり
ときな* 30オ まんげい
とのゝむま 8オ上 どゞむま
とらする 7オ べんぷうとらする
とわぬ* 21ウ つうともせぬ
どんくゎつ 8ウ どんこう
なごう 33オ ごりょん樣
夏まめ* 8ウ とをのまめ
にがね 5オ下 にがしろ
ぬかどうら 8オ とうら
ぬれりとして 12オ下 ぬっすくめ
ネオゾミ 13オ をぞむ
ねきだれ 27オ上 のきだれ
ねこだ(?) 22オ ねこぶく
ねぶと(?) 5オ にがしろ
ばく 4ウ上 ばくれう
バボウ 4オ上 ばぶう
引かため 16オ かためる
引かろう 16オ かためる
ひこやんぶう(九大本「ひまやんぶう」) 29オ やんぶう
ヒチ 27オ のろ
ヒチリコ 27オ のろ
ふうづう花 6オ ほうぞう花
筆の帽 6ウ ぼし
ふみつぎ(?) 28ウ くらかけ
ふみほいだ 6オ上 ほげた
降ろうごと 33オ ごと
ほうからかす 6オ ほりだす
ほかす(朱筆なれど松田氏調査語) 6オ上 ほりだす
ほからかす(朱筆なれど松田氏調査語) 6オ上 ほりだす
ほさうなった 6オ下 ほそい
まのを 30オ下 まなを
まんげへ* 8ウ ときな
見ぼぎ 6オ上 ほげた
ものいり 16オ かわら
もろこしぬく 33オ上 こしぬく
やさい 29オ上 やさいうり
ヨカバイ 4オ上 ばい
よな 29オ やな
らちもくちもない 24オ上 らちくちもない
わり共 15オ上 わがども
わらう 7オ へいたがき
五
江戸時代の方言書が、そのとりあげた地方の言語だけでなく...
>>
一 朱にて書きたるは関東のいやしき俗言也
<<
とある。ここでは朱で書いたものは一応すべて索引にとった。...
なお、下に記した西国語は、その江戸語が含まれる項目で、あ...
《略》
注
1 もう一人の序者「筑生堂空々」については誰であるかは知...
2 篠原正一氏著、久留米人物誌刊行委員会刊、昭和56年。
3 松田正義氏『古方言書の追跡研究』明治書院、昭和53年所...
4 『日本藝林叢書』11巻12巻。平凡社東洋文庫にも。
5 久留米藩士。明治40年没、76歳。
6 崎村弘文氏「近世末期の文献と方言史研究」文献探究1、九...
7 「音声学協会会報」38号(昭和10.10.10)4頁に東条操氏の書...
8 松田氏著書には記録なしというが、『福岡県立図書館和漢...
9 「音声学協会会報」45号(昭和12年)コトタマ往来(吉町義雄...
10 益軒全集第七巻による。
11 益軒全集第三巻による。
12 マイクロフィルム版『静嘉堂文庫所蔵 古辞書集成』(1986...
13 注6崎村氏論文。
14 松村明氏「江戸語が共通語となるまで」(国文学解釈と観...
15 崎村弘文氏「近世末期方言資料としての『はまおぎ』――現...
<<
ページ名: